2013年7月28日日曜日

高校の決め方 その3「保護者がすべき高校選び」

 「高校の決め方」のブログも今回が3回目となります。第1回目が私立高校の決め方、第2回目が公立高校の決め方、そして今回はまとめとして、「高校の決め方 その3 保護者がすべき高校選び」について書かせていただきたいと思います。



3. 保護者がすべき高校選び

・1の私立高校の決め方と2の公立高校の決め方を読まれて、受験 (候補)校を決めるた
    めの情報をどのように手に入れたら良いの かということについて、疑問をもたれた方は
    多いのではないかと思います。合格者平均偏差値がいくつで、25年度入試での倍率など
    は、受験情報誌をみればすぐ分かると思いますが、それ以外の情報、たとえばその高校
 はどんな雰囲気の高校であるかといったことについては、雲の中に隠れた状態で姿を見
 せてくれないことが多いのではないかと思うのです。
  たとえば浦和実業と浦和学院、あとは越谷南と浦和南、越ヶ谷と川口北、蕨と越谷
 北、そして大宮と浦和の違いって、なかなか難しいところなのではないでしょうか。そ
 して保護者の皆さんは、この2校の違いってなんなのだろうと考えることって、埼玉県
 の高校受験では良くあることだと思うのです。でもそれは、受験情報誌は教えてくれな
 い。それでどうしたらいいのか? この部分の説明が前述の1の私立高校の決め方と2
 の公立高校の決め方では書くことが出来なかったように思います。
  昨日、今日と埼玉スーバーアリーナで「彩の国進学フェア」が開かれています。昨日
 そこに行ったシローズの保護者の方の話では、大変な混みようだったとのこと。でもい
 くらブースを回ったとしても、その高校の雰囲気ってなかなか分からないものだと思い
 ます。それにパンフレットの作り方にしても、その高校のブースにいる高校の先生の説
 明にしても上手ですよね。その内容をすべて信じることなんて出来ないはずです。
  これはこれから開かれる各高校の入試説明会にしても言えることだと思いますが、私
 立高校側の説明は、たいてい実際のその高校の実力を100だとしたときに200ぐら
 いの誇張であることを念頭におかないといけないと思います。たとえば大学の合格実
 績、有名大学の合格者がほとんど予備校に通っていたとしたら、それは高校の進学実績
 ではなくて、むしろ予備校の進学実績といった見方の方が適切ではないかと思えること
 があるのです。そうした種類の誇張とも取れそうな話が私立高校の説明会にはたくさん
 あるように思います。その話に関連して、私立高校は公立高校と違い予備校に通う必要
 がないという話があります。でもどうなのでしょうか。県内No.1私立の栄東高校にして
 も、大学受験前の生徒のほとんどは予備校に通っていると聞きます。もしも予備校が必
 要のない高校が県内にあるとしたら、それは浦和高校だけではないかと思います。
  公立高校にしても、それに近いことが説明会の場であると思います。たとえば東武線
 のある高校の説明会では、大学合格の実績を強くアピールしています。確かにその高校
 の大学実績は目を見張るものがあるのですが、それによってどのくらいの生徒が授業に
 ついていけなくなっているかの説明は、当然されてはいない状況です。
  私立高校・公立高校を問わず、この種の受験情報誌に出ていない情報は、受験生を持
 つ保護者にとって一番貴重な情報だと思います。でもそれがあまりに伝わっていない。
 その代わりに2チャネル的な根拠のない情報ばかりが、保護者間で飛び回る。私はそこ
 に強い問題意識を持っています。
  本当は中学校の担任の先生が正確な情報を持って、保護者との面談の場で、伝えてく
 れるのが一番良いのだと思います。でもいま、県内の中学の先生方には高校の情報が届
 きにくい状況にありますよね。埼玉県はさいたま市を除いて、どこの市でも同じような
 状況だと思います。だとしたらPTAの進路指導部はどうか。先生方に情報が集まらない
 状況なのに、PTAの役員さんたちに入る情報はなおのこと限られてくるのは当然だと思
 います。そうすると、やはり情報を得るには、高校受験を専門とする塾(進学塾)に頼
 ることしか方法はないのではないかと思います。ただそうした塾へ通う中学生たちの通
 塾率は県の平均で50%程度まで低下していると聞きますし、安行地区・新郷地区では
 さらに低下しているようです。もしかすると、受験期まで家庭内で指導しているような
 英語教室的な補習塾に通う中学生たちの割合も多いのではないでしょうか。
  進学塾に我が子を通わせている保護者は、やはり塾の先生方に聞くのが一番だと思い
 ます。たいていの進学塾の先生方は、高校の雰囲気的な情報を持っているはずです。と
 いうか、その情報を持っていない塾は進学塾とは言えないと思います。
  では我が子を通わせていない保護者はどうするか? こういう方法があると思いま
 す。私立・公立を問わず、疑問に思われたことを電話で直接高校に聞いてみるのはどう
 でしょうか。もちろん前述の誇張というのは、たぶんあると思います。それはその高校
 の評価から差し引いて考えれば済むものだと思いますし、高校側の電話の受け答えか
 ら、我が子を3年間預ける価値のある高校かどうかを推し量ることもできると思いま
 す。そしてそうした積み重ねが、皆様なりの高校の決め方に役立つものになるのでは
 ないでしょうか。もちろん私でよろしければ、塾生に限らずメール等でお答えさせてい
 ただきますが、

    シローズアカデミー ホームページ で、塾の内容がご覧いただけます。https://sirozacademy.net


2013年7月20日土曜日

中3生「夏休みに何を勉強すべきか」

 本当は高校の決め方 その3「まとめ」を書かなくてはならないのですが、先日中3生の保護者の方と電話でお話をする機会がありまして…保護者の皆さんに、中3の夏休みに何を勉強すべきなのか(公立高校受験)について、ブログを書かせていただこうと思った次第です。
 結局、夏休みに「英語と数学」を中心に勉強するか? それとも「理科と社会」を中心に勉強するのか? という問題です。これは今後の成績を左右する問題だと思います。結論を言ってしまえば、シローズの考えは「英語と数学」です。それについて、書かせていただきました。


 だいたい11月の北辰テストの結果までは、私は塾の生徒の皆さんの北辰結果を見るとき3科の結果の方に目が行っているように思います。というのは公立受験が3月になり(平成26年度は3月4日となります)、数学以外の4教科とくに理科と社会に費やす時間が、私立入試以降にたっぷり?と取れますので、最終の北辰テスト(今年度は2月2日)の5科の結果は、かなり11月の北辰テストの3科の結果に近くなるとの予想によるものです。
 もう少し補足が必要かもしれません。注目すべきは数学の成績なのです。1学期の数学の成績(偏差値)ほど、信用できないものはありません。例えば1学期に70近い偏差値を取っているような子であっても12月や最終の2月の北辰テストで、60以下の偏差値を取ってしまう可能性があると思います。これが何に起因するものかと言えば、たぶんそれまでの学習の仕方だと思います。
 安行地区・新郷地区の中学校では、というよりも小学校から、算数や数学の授業は、先生の説明を中心に行われているように思います。確かにさまざまな学力の生徒が40人近くいる中では、それが集団授業唯一の方法だと思いますが、それでは数学力あるいは数学のセンスというべきものは絶対に身に付かないと思います。
 たとえばこんな生徒の数学の成績は、大きく下がる傾向があります。 数学の文章題を解くときに、ときどき例題を見ながら解く癖のある生徒っています。知能指数も高いのか、おそらくそうした家庭学習によって、中学の定期テストではたいてい90点以上の点数を取っている。そんな生徒が危ないのです。どう危ないのかと言えば、偏差値が急降下する可能性があります。たぶん10月か11月ぐらいに…。それにそうした中学生たちの場合、概して数学以外の成績も悪くはないはずですから、保護者の方もなかなか受験に対して不安をもちにくい。ということは、本人も受験に対して危機感を持ちにくいのだと思います。だからスタートが遅くなる。安行地区・新郷地区の中学生たちが、川口北校以上の高校になかなか合格できないという理由も、その辺にあるように思えてきます。またシローズがいま小学生の算数指導に重点を置いて3年生以上のクラスでSクラスを作り、かなり難しい算数の問題の指導をしているのもそうした理由によるものなのです。
 そして別のブログでも書かせていただいていることなのですが、英語と数学の入試で一番点数の差がつく部分の学習が、安行地区・新郷地区の中学校では終わらない、あるいは触れるだけで終わる状況がありますから、夏休み中に復習をしながら同時に予習をする必要があります。そうしたことを考えると、やはり5:2ぐらいの比率がベストであるように思います。つまり英語と数学が各5に対して、国語と理科と社会が各2の割合です。
 具体的に書いていきたいと思うのですが、まず塾の夏期講習会を取るかどうかということがあると思うのです。いま県内の進学塾(補習塾ではない、受験指導を専門とする塾)に通う中学生の割合は60%以下になっているという話があります。それを考えると、進学塾の夏期講習会を取る生徒とそうでない生徒に分けて考える必要があると思います。
 まず夏期講習会を取る生徒は、通っている塾の指導を信じて…しっかりと復習をする。この復習が何よりも重要だと思います。夏期講習の内容があるのに、それと同時に中学校で購入したあの教科別にあるあの分厚いテキストをやるというのはナンセンスだと思います。受験勉強で必要なのは、何種類かのテキストを使いこなす(悪い言葉で言えば「虫食い状態」にする)ことではなく、進んでは戻りながら1冊のテキストをボロボロになるまで使い切ることだと思います。とくに重点を置くべきは、「英語」では文章の暗記(文法事項の説明の例文はすべて暗記すべきです)、「数学」はやっぱり考えること(分からない問題を時間をかけて考えるべきです)だと思います。
 その他に時間がある場合はどうするか?
 「理科」は計算問題の薄い問題集がありますよね。1冊300〜400円くらいで、厚さ3ミリぐらいの問題集です。時間があればやるべきだと思います。「社会」では中学の歴史の教科書がありますよね。それを何回か読む。ただ読むのではなくて、歴史の事件と事件の関連性を考えながら読む。これは良い勉強になると思います。たとえばなぜ武士がおこったか? とか、大きな事件や事実には必ず理由があるものだと思います。教科書を読んで、ときには参考書や資料で調べながら進めていく。これは歴史の問題集をやる以上に、受験の力を持つ勉強に必ずなるものだと思います。
 「理科」の分野の生物や、「社会」の地理や公民はどうするのか? ということを気にする保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、それは年末ぐらいから、場合によっては私立入試が終わってから集中して勉強した方が効率がいいと思います。それらは暗記の要素が多い内容ですし、「英語」と「数学」でとにかくやらなくてはならない内容が多いわけですから、そこまで手が回らないと言うのが実情なのではないかと思います。
 最後になりましたが、では進学塾の夏期講習会を取らない人はどんな勉強をすべきか? これは非常に難しい問いだと思います。まず思うのは5教科各1冊ずつやる問題集を決めること。2冊以上でなく、必ず1冊を選ぶこと。そして1冊選んだら、他の問題集に目が移っても最後までその1冊をやり抜くこと。これが必要です。ただ問題というか、不安があります。一番の不安は、分からないも課題をどのように理解するかということです。分からない問題が出る度に、中学校に聞きにいく。これぐらいしか方法が無いように思います。それからやる気を夏休み中持続できるか? という問題もあります。
 あと概して、進学塾に通わない生徒は、入試平均点によって合否が左右されがちです。25年度入試(現高1生入試)のように平均点がかなり高い場合には、進学塾に通わずに自学習で入試を迎えた生徒たちにとっても有利な受験だったということがいうことが出来ると思います。来年度はどうなるか? それはまったく分からないことではありますが、関係者たちの予想は、平均点がかなり低下するだろうという見方がやはり支配的です。まだ夏期講習会の申込みをしていない方達は、その辺も考えるべきだと思います。



2013年7月15日月曜日

高校の決め方 その2「公立高校の決め方」



 7月の声を聞くと、今年も高校受験の時期が始まった感がします。夏休み中から、公立そして私立高校の学校説明会や合同説明会等が県内で開催されます。そこで今回は、公立高校と私立高校に分けていつ頃学校説明会に行き、公立高校であれば「いつの時点で最終的に志望校を決める」のがベストなのか? また私立高校であれば「いつの時点で確約をとる」のがベストなのか? ということについて、書かせていただこうと思います。つまり中3生とその保護者の皆さんが、どのような行程を踏んで高校入学までたどり着けばよいのか。それについてのシローズの見解について、お話をさせていただこうと思います。時期的に私立高校の方が早いために、先に私立高校について、あとで公立高校について、そして最後にまとめを書かせていただきます。

  

2. 公立高校

・夏休み中から、公立高校の学校見学会が開かれます。同時期に行われる私立高校の入試説明会等もあって、保護者の皆様の中には、夏休み中の学校見学や説明会の予定を考えている方も多いのではないかと思います。ただ、思うのです。夏休み中は学校見学などせずに1学期学習範囲までの徹底復習と2学期学習範囲の予習をした方がいいと、本当に思います。
 ご承知のように入試まであと7ヶ月とちょっと、入試問題を演習する期間を考えると、残った中3学習範囲を進めながら、同時に中3の1学期までの復習を行うには、この夏休みの時間の使い方がとても重要となります。とくに安行地区・新郷地区の場合、中学学習範囲の中での難解な単元のほとんどが、中学校授業でちょっとだけ入口を触れただけで終わってしまいますから、上位の高校を目指す生徒たちにとっては復習をしながら、同時に2学期以降の学習範囲の予習をしなければならない。とても高校の説明会等に行っている時間の余裕などないのが現状だと思います。
 ただそうも言っていられないと思いますので、以下の事に注意を払うべきではないかと思います。
 私立高校ほどではないのですが、公立高校側でも、生徒獲得のために、説明の上手な先生を全面に立たせて説明会を行います。前に立つ先生の説明に私立高校ほどの嘘は無いとは思いますが、その説明の内容がどこまで信用できるものかを考える必要はあるのではないかと思います。そしてもう一つ気になるのが、いつの時点の学力で志望校を決めるかということです。その1「私立高校の決め方」でも書かせていただいたのですが、1学期の模擬試験の結果では志望校を決められないと思います。ですからもしも見学会に出席するならば、現在の成績に合う高校ではなくて、お子さんが受験したい高校の見学会に出席すべきではないでしょうか。

 毎年の受験期に、シローズに来てくださっている中3生の保護者の皆さんと面接の場でお話をしたり、今年はFacebookやホームページを作らせていただいて、中3生の保護者とメールをさせていただいている中で感じるのは、ほとんどの保護者の方が1学期の北辰テストの結果や1学期の定期テストの順位で、もう夏休みを前にした今の時期に公立受験校の選定に入っているということです。このことに私は強い不安を感じます。なぜなら、当然中学学習範囲はまだ終わっていません。そして中3の1学期までに学習が終わった単元だけで、入試問題は作ることができないということです。つまり今現在の偏差値は、まだ大きく上下動をする可能性があります。5教科に渡って、それが言えるということです。
 数学を除いた4教科は学習の仕方によっては、まだまだこれから10近い偏差値を上げることが可能だと思います。数学だけは、今までの学習の仕方によって、大きく下がってしまう可能性がある。ですから今の偏差値が良くても悪くても、まだまだ志望校は雲の中に隠れて、現状では姿を見せていない状況だと言えることが出来ると思います。
 ではいつになれば、志望校が見えてくるか?
 たぶん11月の北辰テストが帰ってきた頃には、半分くらい姿を見せてくれると思います。この頃になると、中学校でも中学学習範囲のうち7割から8割程度までの単元の入口に入るはずですし、塾の授業でも、そろそろ入試問題的な総合問題の演習の入口に入れる状況になってきていると思います。ですから11月、12月の北辰テストの結果で受験候補校選びをして、そして最終的な受験校決定は、やはり最終の北辰テストの結果を見てみないと判定できない状況だと思います。
 今年度は、最終の第8回(入試直前テスト)北辰テストは2月2日に行われます。第7回の北辰テストが12月1日の実施(返却が12月13日)ですから、第7回と第8回は2ヶ月の開きがあるわけです。この2ヶ月は重要です。お子さんによっては、かなり大きなの偏差値の変動が出る可能性があります。
 2月2日に実施された入試直前テストは、2月15日に返却されます。その結果を見てから、最終的に志望校を決めるべきだと思います。その時期の決定で、まだ間に合うのです。参考までに、平成26年度入試の予定を下に書きますと以下のようになります。


 ・願書、調査書の提出  2月18日(火)、19日(水)

 ・志願先変更期間    2月20日(木)、21日(金)、25日(火) 




2013年7月10日水曜日

高校の決め方 その1「私立高校の決め方」

 7月の声を聞くと、今年も高校受験の時期が始まった感がします。夏休み中から、公立そして私立高校の学校説明会や合同説明会等が県内で開催されます。そこで今回は、公立高校と私立高校に分けていつ頃学校説明会に行き、公立高校であれば「いつの時点で最終的に志望校を決める」のがベストなのか? また私立高校であれば「いつの時点で確約をとる」のがベストなのか? ということについて、書かせていただこうと思います。つまり中3生とその保護者の皆さんが、どのような行程を踏んで高校入学までたどり着けばよいのか。それについてのシローズの見解について、お話をさせていただこうと思います。時期的に私立高校の方が早いために、先に私立高校について、あとで公立高校について、そして最後にまとめを書かせていただきます。



1. 私立高校

・シローズでは、以前からあまり早くから私立高校の学校説明会に行くべきではないので
 はないか。という考えを持っています。
 ですから、夏休み中に大会場で開かれる合同説明会に行くのはどうかと思います。夏休
 みは必死に勉強をして、成績を少しでも上げなければならない時期です。そのことを考
 えると、合同説明会に行くのは時間の無駄ではないか…。また夏休みということは、私
 立高校に持っていける資料が7月の北辰テストの結果だけです。まだ9月から12月の
 4回の結果が分からないうちに確約をもらってしまっても良いのだろうか? そうした
 思いがあります。

 ではいつから、私立高校の学校説明会に行くべきか? シローズではこれを10月の北
 辰テストが返却時以降と考えています。
 これは一つの考え方ですが、10月の北辰テストが返却された時点で学校説明会に行く
 高校を何校か絞り、親子で学校説明会に参加、11月の北辰テストが返却された時点
 で、学校説明会に行った高校の中から1校を絞り込んで個別相談に出席。 確約の約束を
 取り付けるというのが、ベストであると思われます。
  12月の北辰テストはどうするか? 12月の北辰テストを判定に使わない高校もあ
 りますし、あくまでも7月または9月〜11月の北辰テストにより取り付けた確約の約
 束の訂正用(11までの北辰テストの偏差値では「特進クラス」の確約が出なかった
 が、12月の北辰テストで成績が上昇したので、再度個別相談に行ったところ「特進ク
 ラス」で確約が出た)として考えるべきではないかと思います。
  先ほどから、私は何度か「確約」という言葉を使わせていただいています。埼玉県と
 都内北部の私立高校は、併願&単願の推薦入試(1月22日〜24日)として、県内の
 中学生たちを受験させています。一般入試(埼玉県内が2月4日〜5日頃、東京都内が
 2月10日頃)ではなく推薦入試ですから、受験前に合否を教えることになっていま
 す。受験する私立高校と受験者の間で合格の約束をするわけです。これを「確約」と言
 います。ただし「確約」が存在するのは紛れもない事実なのに、表向きには「確約」は
 存在しないことになっています。高校受験は、大人の理屈が通用する場なのですね。だ
 から表向きには存在しないものが、実際には存在している。大部分の保護者の方には理
 解のできない世界だと思います。
  本当に「確約」が取れているのかどうかの確認には、保護者が「こちらしか私立高校
 は受験しないつもりなのですが、大丈夫でしょうか」などと、お聞きになってみて、
 「大丈夫でしょう」的な答えが出れば、「確約」がでる。つまり不合格はないと思いま
 す。「確約」は単願でも併願でも出ます。それだけではなく、2校でも3校でも出ま
 す。もしも「確約」をもらったのに、受験をしないときはどうすればよいか? 大丈夫
 です。私立高校側も受験しない生徒の分を考えて「確約」を出していますから、電話な
 どする必要はありません。以前に県内の私立高校の先生とお話をさせていただいている
 ときに、今年はなぜか安行地区のとある中学校の保護者から、「確約」をもらったのに
 受験をしなくなったことについてのお詫びのお電話が後を絶たない状態で困り果ててい
 る…という話を聞いたことがあります。
  「確約」の基準は、北辰テスト等の偏差値または中3の1学期の通知表です。ですから
    個別相談のときには、北辰テストの結果と通知表を持っていく必要があります。通知表
 の評定で「確約」が出た場合には、高校によっても異なる場合がありますが、学校推薦
 書または校長推薦書の提出によって「確約」となります。また北辰テストの結果で「確
    約」となった場合には、自己推薦書または保護者推薦書を提出することになります。  
  ここで注意すべきは学校推薦書(校長推薦書)の方が自己推薦書(保護者推薦書)以
 上に強い「確約」のように考えがちではありますが、全く差はありません。むしろ中学
 校の評定が相対評価から絶対評価になり、学力とは違う尺度となってしまっているため
 に、むしろ北辰テストの結果(偏差値)の方で合否を決めたいという私立高校側の意志
 が働いているように思います。