2013年11月10日日曜日

私的「公立高校合否判定」



 今日は日曜日です。
 そろそろ高校受験が目前になってきましたから、今日も何人かの生徒たちが勉強(自習)をするために塾にやって来ると思います。僕は補習を入れていますが、他の講師たちは休みですから、生徒たちは自分一人の勉強を講師なしですることになります。
 講師がいない中で勉強して、何の意味があるのか…? という意見もあるようですが、たぶん成績を上げるためには、どうしても自分一人で勉強をする時間というものが必要となってくると思います。
 塾の授業の予習(宿題含む)と復習をして、中学校の課題をやって、その他に英検や漢検などの資格の勉強や、中3生であれば苦手教科の克服のための勉強をしなくてはいけない。もう莫大な時間が掛かるわけです。
 でもほとんどの中学生たちは、家ではそれが出来ない。なぜなら家には、テレビもあればパソコンもある。ゲームもあれば、お菓子屋や飲み物もある。それに部活の疲れもある。そうした中で、さまざまな欲求と戦いながら勉強に集中することなど不可能に近いと思います。だからシローズの生徒たちの中で、上位の高校を目指そうとする子たちは塾に集まることになる。平日の朝も夕方(放課後)も授業の入っていない夜も休日も、という日常を過ごすことになる。シローズでは、昔から続いていることです。
 そうした日常を過ごす彼らにとって、友だちと時間を過ごしたり、ゲームに費やす時間など残っていないわけです。それをどうやって、我慢をして克服していくか? 安行地区・新郷地区の中学生たちが上位の高校に入学するためには、それが第一関門としてあるのだと思います。  

 中学生たちのそうした生活が、教育的な見地に立ったときに正しいことなのか、間違っていることなのかは別として、安行地区・新郷地区のごく平均的な知能指数の中学生たちが蕨高校・越谷北以上の高校に合格するということは、こうした日常を遅くとも中学2年生の夏休み後には始めなくてはならないように思います。その上の高校(春日部、浦和市立)だと遅くとも中1の終わり、浦高・一女だと中1の初めに始める必要があるのではないでしょうか。でもこれが出来ない。安行地区・新郷地区の中学生たちはこれが出来ないから、毎年川口北高校以上への合格者がごく少数(10人に満たない年がほとんど)という状況なのだと思う。
 もしも上で書かせていただいた、高校合格のための猛勉強の考え方が正しいとして、現中学3年生たちがどの時期に猛勉強を始めれば、どのレベルの高校に合格できるのかということについて、書いてみたいと思います。大変説得力のない話のように思うのですが、確かにシローズの生徒の皆さんの合否を診断するとき、北辰テストの偏差値や冬期講習会で行う公立入試過去問題の得点の他に、いつの時点で猛?勉強を始めたかということも要因として取り入れています。

 では初めてみましょう。
 中学校の学年順位がほぼ全体の上から5分の2から5分の3程度、偏差値が40代半ば付近から50代前半の中3生を想定して書いてみたいと思います。
 12月初旬の時点で、毎日ではなくときどき猛?勉強していれば川口総合高校レベル、一週間のうち半分ぐらいの日数を猛勉強していれば川口高校レベル、いままでと人が変わったように猛勉強していれば市立川口高校レベルということではないかと思います。まだほとんど勉強してなければ、現在の偏差値や中学校順位で川口東高校から川口青陵か草加西レベル、さらには勉強する習慣がまったくないとすれば川口工業というところではないでしょうか。

 結局、高校に入学後に必要な勉強量に届いていないと、やはり合格は難しいものになると思います。合格に必要なのは、もしかすると学力を上げることよりもその高校に通う生徒たちの常識を持つこと、またその生徒たちの平均勉強量をこなせるようになることなのかもしれません。
 では川口北校はどうかといえば、ごく平均的な知能指数の生徒の場合、中3の1学期の半ばあたりから猛勉強を始めていないと届かないレベルだと思います。

2013年11月6日水曜日

就学時の児童たちの不思議な世界

 
    こんな話は知っていますか?
 いま小学校に入学する子どもたちは、「ひらがな」や「1から10までの数字」はもちろん、一桁の足し算や簡単な漢字が書けるというのが常識になりつつあるようです。それにたぶん、これは私の想像ですが、あと数年経つと簡単な英語がしゃべれるという能力までがこれに加わるかもしれません。

 上に書いたことというのは、何も県内で学力レベルが高いと言われる旧浦和市等の状況ではないのです。安行地区や新郷地区でも、やはりこうした状況が起きているようです。
 その理由として上げられるのが、1つは幼稚園での「計算」や「漢字」そして「英語」の導入です。保育園や他園との差別化を図ろうとする幼稚園が、学習の導入に積極的になっているというのがあると思います。そして二つ目が小学校で英語教育が導入されたことで、小学校入学前の習い事に「英語」が加わって来たということがあると思います。そうした中で、小学校入学時の子どもたちが、一桁の足し算や引き算の計算や、自分の名前を漢字で書くこと、そして簡単な英語を使った挨拶といったことができる子どもたちの割合がかなり増加している。そしてまだ経済的に比較的に余裕があり、まだ子どもたちが年齢的にスポーツで成績が出難い年代であることも学力熱を押し上げている。それが三つ目の理由といえるかもしれません。

 ただここで疑問が生じてきます。そうした小学校入学前の学力熱が、小学校入学後の学力向上に役立っているのか? というと、だぶんそれはNOだと思います。そして小学校入学時に高まった保護者たちの学力熱が、入学後に一気に下がってしまうのか? というと、それもやはりNOではないでしょうか。ここで感じるのが、小学校入学前に子どもたちが学んだことが、もしかするとその後に役立っていないのではないかとの疑問です。

 当然、「褒めて育てる」的な現在の小学校教育に保護者たちが惑わされているというのはあると思います。余程学習に問題がない限り、小学校の先生方は問題なし的な話を保護者にすると思います。それで安心した保護者たちが、子どもたちの学力の下降に気づかない…というのは、たぶんあると思いますし、通知表にしても、学力をあらわすこととは違う次元のものになってしまっているのも、また事実だと思います。

そうしたマイナス面がたとえあったとしても、就学前の保護者たちの加熱ぶりからは想像ができない程、安行地区・新郷地区の小学校は低いままです。今後は上がるのではないかとの期待もあるとは思いますが、どうでしょうか? 何十年間も学力レベルが一向に好転しなかった小学校が、果たして急に学力レベルを上げることができるでしょうか。それにときどき見せていただく授業公開の場の雰囲気は、そんな思いがかすかな期待であると教えてくれているように思ってしまうのは、私だけではないと思います。

 そもそも就学時の子どもたちに必要なのは、まず授業中に集中して授業を聴けることだと思います。でもこれが、小学校低学年の子どもたちには一番難しい。このことなくして、足し算や引き算の計算であるとか、漢字や英語もないと思います。
 どうなのでしょうか。保護者の皆さんが就学に当たって、熱くなり過ぎているように私には思えるのですが…。そして私には、こうした現状が、やや不思議な世界のように思えてきます。
 実はそうした思いもあって、先々月ぐらいから、シローズでも幼稚園児(年長児)の指導を始めています。まずは日付とひらがなの学習をしてもらいながら、集団授業の中で60分間座って授業を受ける勉強をしてもらっています。日付とひらがながマスターしたら、次は計算の指導をしようと思っています。ここでの目標は、考えることで答えを導き出すトレーニングです。

 いまの小学生の皆さんに何が不足しているかと言えば、それはたぶん落ち着いて、論理的に考える作業の中で答えを導き出す能力だと思います。これができないと算数嫌いになってしまったり、算数ばかりではないのですね、小学校高学年以降の学力が身につき難くなりますし、ということは高校受験を目の前にしたときに、一気に成績が下がってしまったり…ということが起きてしまうのだと思います。




2013年11月4日月曜日

公立入試はまだ分からない

 

 ある生徒がシローズをやめるかもしれないと言っている。
 
 この生徒は中学3年生、安行地区の公立中学校に通い、来春には高校受験を迎える予定の生徒である。やめる理由というのが、塾を続けても成績が上がらないというもの。このままでは、志望校に決めている市内の高校に合格することなどできないのではないか。ご家庭では、高校には行かないで…などという話まで出ているらしい。
 そもそも成績が上がらないということに関しては、当人と塾の両方に責任があるはずである。塾の責任というのは、つまり私の責任ということになる。ということで、もしかしたらご家庭では当人であるお子さんと、もう一人の当事者である私が、責任を問われる立場になっているのかもしれない。
 そういう状況の中にいながら、私はまだこの生徒の高校合格を諦めてはいない。できることならば、今後も彼を指導させていただきながら、彼を志望校へと導きたいと考えている。たぶんそう考えている私と、我が子にはもう可能性がないと頑に考えてしまっているご両親の間に、相反する心の動きが起きているのではないだろうか。そしてこれは当然のことであるが、授業料の負担というのがご家庭にはある。そのご負担とお子さんの可能性というものが、天秤に乗せられているという状況があるのだと思う。
 
 受験生を持たれる親御さんというのは、お子さんの成績の上下動によって、急に落ち込んでしまう…というようなことがあると思う。落ち込みはマイナス思考を生み出して、そしてそのマイナス思考が、お子さんの受験校であるとか、そして今回のように塾を続けることに対して、非常に消極的な考え方を生み出してしまうのではないだろうか。ましてお子さんの成績がまったく上がらないという状況ではなおさらだと思う。そこに前述の授業料の負担という問題が、最近はとくに厄介な問題を引き起こしているのだと思う…。こんなとき、私は一番、保護者の方たちと私との考えのギャップを感じてしまい、途方に暮れながら苦いブラックコーヒーを朝からがぶ飲みすることになってしまう。
 そもそも中学の定期試験の問題がそのまま入試で出るわけではない(いま公立高校の入試問題は定期試験の問題よりもかなり難しくなっている)し、北辰テストや中学の校長テストだって、公立入試の問題とは大きくかけ離れている(公立入試問題の方が、圧倒的に深い知識の理解が求められている)というのが現状だと思う。ということはこの時期に大きく成績が下がっても、またこの時期になっても成績が上がらなかったとしても、それだけで一喜一憂する必要はない、まだ受験の結果は見えて来ないというのが、私の持論になってきています。
 今の時点(11月の第2週)では、まだまだ入試は見えないと思います。勉強の仕方によっては、5から10程度の偏差値を上げることも、また逆に5から10程度偏差値が下がることも充分に起こり得る時期だと思います。というのは、入試が3月の初めになりました。そして北辰テストや校長会テストにしてもまだ全範囲が出題されていない状況です。そしてどうでしょうか。安行地区・新郷地区の中学生たちの大半が、まだ入試モードになっていない時期なのではないかと思います。問題なのは、やるべきことをいま本当に少しずつでもいいからやっているかどうかではないか…と思えるのです。
 私がこうしたことを強く言えるのには、実は次のような側面があります。
 川口市内の高校で言えば、下は川口工業から川口青陵、川口東高校、そして川口総合高校ぐらいまでの高校の合格に必要な入試得点は、保護者の皆さんが考えるよりもかなり低いと思います。もちろんその年の入試平均点にもよるのですが、5教科500点満点で半分はおろか、100点に満たない高校が数校ある。一番高いレベルの高校である川口総合高校であっても、200点までは必要ないかもしれない。ということは、まだまだこれからの勉強で入試合格点が取れる可能性があるということです。

 それからこんな側面もあります。上でも少し触れたことのですが、北辰テストや校長会テストの結果と公立入試問題の相関性が年々薄くなって来ているように思います。つまり北辰テストや校長会テストで合格偏差値を取れたからと言って、公立入試当日に合格点が取れるとは限らない。さらには、その逆も多いに可能性があるということです。つまりいま模擬試験でまったく合格偏差値を取っていない生徒であっても、まだまだ合格の可能性があるということです。

 もう一つ、過去十数年の高校入試の結果を考えると、実際には見えない学力というものが存在しているようです。とくに冒頭で取り上げた生徒のように、中学校の早い時期から塾に来てくれている生徒たちに見られることです。同じ偏差値であっても、中学校の早い時期から塾に通っていた生徒と最近塾に通い出した生徒、そしてまだ通わずに自分で勉強している生徒では、入試得点が変わって来てしまうようです。たぶん北辰テストや校長会テストに出ない学力というのがあるのだと思います。
 ですから皆さん、希望を持ちましょう。そしてご自分のお子さんのことを信じてください。そしてそれを希望にしてください。しつこいようですが、最後にもう一言、受験はまだ分からないですよ。