2013年12月13日金曜日

シローズ「冬期講習会」からの中3指導



 今年も、冬期講習会の時期が近づいてきています。今回の冬期講習会では、中3生の皆さんに少し例年とは違うことをしてもらおうと思っています。
 その理由としては、今年の中3生が浦和から春日部までの県内最上位校への受験を目指してはいないこと。そして通常の授業から感じられる生徒の様子からは、知識の穴らしきものがいくつもあること。それを考えると、立て続けに公立入試の過去問題をやる昨年までのやり方ではなく、公立入試の過去問題を丁寧に確認しながら進める方が、メリットが多いのではないか…との思いになったわけです。
 そもそもなぜこの時期に公立高校の過去問題を行うかというと、効率よく中学校学習範囲までの総復習をしたい…というのが一番にあります。中学校で学ぶべき英文法にしても、数学の公式にしても、理科の実験や社会の世界地理の範囲にしても、公立の入試問題に出ている問題はすべて中学3年生までに習うべき内容です。その内容を効率よく総復習をするには、入試問題を解いてもらい、そしてしっかりと復習をするということが一番だと思います。

 ただここで問題があります。最上位校に受験をする生徒たちは、ほとんど講師たちが解説をした5教科の内容を復習してくれます。復習して覚えていない内容を確認し、理解して暗記までをしてくれるはずです。ところがそれより下の高校を受験する生徒だとそれをしてくれない。例えばどうでしょうか。浦和高校と浦和一女を受験する生徒が、冬期講習会で行った公立入試問題の間違えの約9割を「復習→理解→暗記」をしてくれるとしたら、蕨・川口北を受験する生徒は4〜6割程、越谷南・市立川口では2〜3割、川口・川口総合に至っては0〜2割程度なのではないかと思います。下のレベルの高校になればなるほど莫大な量の復習を必要とするわけで大変なのは分かるのですが、本来もっとも勉強しなくてはならない生徒が勉強をしてくれない…という状況はいつも繰り返されているように思います。そして塾を運営していて感じるのが、中学生の皆さんが取る偏差値と呼ばれるものには、必ず勉強の仕方とその時間との間に相関関係です。偏差値が上がる勉強をしていないから、偏差値が上がらない。まあ、これには塾側の責任もあると思います。公立・私立を問わず、高校入試が偏差値で合否が決まるというのは、もはや規定事実だと思います。それにも関わらず、中学の定期試験対策をメインにしている塾は本当に多いですよね。まあ長くなりそうなので、この辺にしておきましょう。

 さて今年のシローズの冬期講習会は、上で書かせていただいた「復習→理解→暗記」をどうやったら中3生たちにしてもらえるか?との思いからスタートしています。そして強制的に、「復習」と「暗記」をしていただくことにしました。たぶん復習と暗記の間には「理解」という言葉も入ると思います。

 具体的には、午前中に前年までの「公立入試問題の演習」を行います。午後からは午前中に行った入試問題の復習をしてもらいます。まず「国語作文」の直し、そして午前中解いた英語の問題から「英語長文和訳」を、そして夜は理科テキストと社会中学教科書を持参して「理科・社会の直し」を行います。もちろん講師はついていますが、講師に説明をしてもらうという受動的な学習ではなく、自分で考えながらあるいは辞書や教科書等を使って調べながら、明日の開設に備えて勉強してもらいたいと思います。講師に質問をすることももちろんできますが、どちらかと言えば講師は監督という意味合いの方が強いと思います。
 そして翌日は前日のテストの解説を5教科に渡り、午前中から夕方まで行います。午前中が「数学」と「英語」と「国語作文」、午後は「理科」と「社会」をたっぷり時間をかけて行い、夜が「国語」の解説の後、「理科・社会を中心とした重複演習(一度解いた前日の問題をもう一度解いてみる)」という内容です。これを年末26日(木)〜30日(月)までと新年3日(金)〜7(火)までの午前8時から夜10時まで(昼休み、夕飯休み有り)全10日間行います。そしてこれに8日(水)〜10日(金)までの私立過去問題演習講座(夜7時10分から10時まで)が3日間続きます。

 その後は通常授業となります。私立の入試日前日まで、私立受験校の過去問題の演習と解説行います。過去3年分ぐらいを最低2回、できれば4回、答えを覚えるくらいまでやってもらいたいと思っています。
 入試直前の中3生たちにとって、もしも今までよりも一段上の成績を取る…など、学力のターニングポイントとなる地点があるとしたら、それはたぶん上の冬期講習会で公立入試の過去問題を解いて解説を聞く10日間と、私立入試問題の演習を行うこの時期だと思います。この時期を精一杯、もう本気でやることで入試直前の2月の成果が変わってくるのです。

 私立入試の終わる1月22、23日以降は、もう一度公立入試問題の演習を行います。埼玉県と同じタイプの前年の入試問題をひたすら解き、生徒たちは塾の授業中に解説を聞きます。3学期以降のシローズの中3授業は、すべて入試問題の演習とその解説だけになります。そしてこの時期の公立問題の演習は、冬季講習会が中学学習範囲の総復習だったのに対し、むしろ入試問題に慣れることを目的としています。ポイントは、冬期講習会時に比べてどのくらい点数の上乗せができたかということです。私立の入試過去問題を丁寧に勉強した生徒にとっては、初めて解いたときに「かなり難しい」とか「北辰テストとは全く違う」と感じたあの公立の入試問題が、かなり解きやすい問題になっているはずです。そして最後の2月2日の最後の北辰テストを受けて、最後の最後にもうひと頑張りすると、あっという間に公立入試です。今年もその時期が近づいてきました。