2020年11月25日水曜日

こんなやり方を取りたいわけじゃないけれど、取らざるを得ない「浦和西、蕨の合格の仕方」

落ち着いて、頭の中で湧き上がるさまざまな不安を取り除いて考えたとき、この地域、この地域というのは戸塚、鳩ヶ谷、新郷、そして塾をやっている安行という地域の小学校を卒業し、中学校に通う中学生たちにとって、特別なことをしないで、それでいてある程度真面目に学習をしたとして、じゃあどの辺の高校に合格できるのかというと、たぶん川口東(45.5)から鳩ヶ谷(47.7)といった高校になるのではないか?

ただ子供たちの中にも、生まれ持った学習の能力の差もあるから、知能指数の高い子たちは草加南(51.5)や川口(53.0)に合格することになるのだと思う。

浦和西(64.0)や蕨(64.8)やそれ以上の高校に合格し、そこそこの成績をおさめるということは、この地域の中学生たちにとっては奇跡に近いことなのではないだろうか。

 

でも僕の塾に来てくれている生徒の中には、浦和西(64.0)や蕨(64.8)以上の高校を目指そうとする生徒が毎年いる。まあ、彼らに日常的に接している講師たちの元生徒たちがそうした高校の卒業生だったりもするものだから、そういった高校を目指そうとする生徒たちが出てきてしまうのだと思うのだけれど、そうなると僕などはなんとか浦和西・蕨以上の高校に生徒たちを合格させることはできないものか?と必死に考えることになる。

 

そうやって、僕はいろいろと方法を考える。

一人一人その方法は違ったりもするのだけれど、何よりも合格させることが目的じゃなくて、入学後高校の授業についていくことが最優先されなければならないわけだから、決して隙間を狙うような奇抜なことをしたいわけではないのだけれど、時として保護者の皆さんの耳を疑うようなことになってしまうことも多いのだと思う。

 

例えば、高校合格に英検等の資格は必要ないのではないか?という話もそうだし、学習の上の話ではないけれど、私立特待を希望する方たちが多かったときには、その選択は正しいのか?との意見をプログに書かせていただいたこともあった。

最近では、私立高校への単願についての意見も書かせていただいている。

 

ただ僕が思うことというのは何の決定権も強制権も無いわけで、生徒にはときどき話してはいるけれど、僕と違った考えを持つご家庭に対して意見をするようなことはあってはならないと思っている。

私立高校単願のことにしても、もしも保護者の方からご相談があれば意見は言わせていただくかもしれないけれど、やはり決定はご家庭がするべきものだから、私立高校に連絡をしたりもしている。

 

塾に来ていただいているというのに、塾側が意見をいうべきなのか?という考えもあると思う。僕もそれを思う時があります。だからこの辺について迷うところでもあるのですが、意見があるならば、やはり言わせていただくべきではないかと思っています。でもそれをどう考えるのか?というは、ご家庭が判断することだと思います。

 

それでこのことは、これまでにブログやフェイスブックでも何度か書かせていただいていることなのですが、実は僕が生徒に伝え続けていることがあります。

もう10年以上、僕は時折こんなことを生徒に伝えている。

「普段は英語と数学の勉強だけをした方がいい。理科と社会はテスト2週間前に集中する」

このこと、読まれている方はどう思われるのでしょうか?

そんなことはないよ…。そう考える方もたくさんいると思います。

 

このこと、こんな事情があります。

いま公立入試は、明らかに英数高・理社低の状況にあります。

ここが実は問題で、この地域の中3生の多くが受験期が近くにつれて英語数学の成績が下がってくるようです。

原因はたぶんいろいろとあって、まず小学校の時期に身につける発想力と読解力の不足があって、その辺が中学入学後にネックになっていく中で、中学入学後の英語数学の授業のレベルの低さがあるのだと思う。

よく思うのは、定期試験の英語数学の問題のレベルが公立入試のレベルに完全に届いていない。

 

理科社会にも同じことが言えるのだけれど、まだまだそれほど県入試の難易度は上がっていない。英語数学との違いは、公立入試で難易度が上がって平均点が下がったとしても、この地域の受験生たちの得点だけが大きく下がることはないと思う。でも英語数学は難易度がわずかに高くなると、この地域の受験者だけ得点が下がる傾向がある。

 

とすると、英語数学の学習時間を増やすべきなのではないかというのが、僕の思いになっている。

いつから増やせば良いか? 早い方がいいに決まっている。だから僕はあるときから家庭学習も塾での自習も英語数学中心で、理科社会はテスト前にした方がいいと言っている。

ただここで、問題が生じる。理科社会はどうするんだ?ということである。

ぼくはこんなふうに生徒の皆んなに伝えている。

理科社会はテスト前に集中してやろう。テスト1週間前か2週間前に理科社会は集中してやって、それまでは塾の英語数学に集中する。

 

この状況、理解できない方がきっといるのではないか…と、僕も思う。

こんなことを書いている受験情報はきっとないし、公立高校受験は5教科だから英語数学の学力だけが上がっても、理科社会の成績が上がらなかったらどうするんだ?という思いだってあるだろう。それに内申のこともある。

ただ実はここ10年くらい僕の塾では通常は英語数学の学習を中心に、中学の定期試験の前には理科社会を中心にというやり方を伝えている。

だからいま塾で働いてくれている講師たちも、この学習の仕方で成績を上げて高校に合格した人たちだ。それで彼らも自分の中学生時代の経験から、この学習の仕方が合格を生む学習だと思っているようである。

 

これは資格のこともそうなのだけれど、理想としては5教科の学習をまんべんなくするべきなのだと思う。資格だって、取るべきだと思う。

でもそれをしていては、この地域のほとんどの子が中3の受験期に英語数学の成績を大きく下げることになる。

だからといって、中学の授業のレベルを上げることはどうも無理なようだし、例えば塾のテキストを難しくすることも、現状として負担の上で無理になってきている。

だからこその英語数学を中心とした指導なのだけれど、受け手である生徒と保護者の皆さんの理解は得られないかもしれない。

 

※ ( )内は合格者平均偏差値、2020年北辰図書資料から