2018年5月22日火曜日

安行中 my Love 2018.5 微かな光

安行中学校の1年生が揺れているという。
英語科の先生が、これまでにない態度で生徒たちに接していることが原因らしい。厳しい先生だそうで、たくさんの宿題と、指示通りに学習をしない生徒に対して厳しい態度で臨んでいるという。その結果、クラスによっては登校拒否をする生徒まで出て来ていると、保護者たちの一部が騒いでいるらしい。

その先生がどういう方なのか、私は知らない。お会いしたこともなければ、お話したことすらない。ただ神根中の英語科に、かなり厳しい指導をする先生がいるという話を聞いたことがある。厳しいばかりでなく、担当する生徒たちの英語学力をかなり上げているとも聞いていた。
どうやら、その先生が安行中で生徒たちに向き合っているということなのだと思う。

いまの安行中の学力の問題はかなり深刻である。以前から安行中は学力の低い中学ではあったけれど、ここ10年ほど生徒たちの学力はさらに低下して来ているように思う。そこに地域格差という、これまでになかった波が襲いかかって来ている。
おそらく今年から始まった小学生の英語科の成果が出始めるであろう、現小学五年生たちが中学に入学した時点では、安行中の生徒たちはさらなる地域格差の犠牲に合うのではないか。そんな気さえしてきてしまう。
だからいま安行中の生徒たちにとっては、それほど高くもない市立川口という高校が花形の高校となり、その上の川口北は天才?の域になっているということだ。

なぜ安行中の学力が低いかといえば、それは生徒たちの意識の問題であると思う。何が普通なのかという基準が狂っていることに起因しているのではないか。
本来は、もっと早くそこに手をつけるべきだった。それを歴代の管理職たちは、それが市からの指示なのか、生徒たちに自信と誇りを持たせる方向にシフトしていた。そして地域までも巻き込んで、安行中が川口市の中で一番素晴らしい中学校…だと、もてはやした。
でもそのやり方には、当然限界が出てくる。なぜなら当事者の生徒たちに、自分たちは何に対して自信と誇りを持ったら良いのか?という疑問を持たせてしまうからだ。何らかの充実感を感じさせた上での自信と誇りなら価値がある。でも何ら充実感を感じないまま、自信と誇りを持たせることなど不可能であったはずである。もちろん一部の生活面に問題を抱えた生徒たちには有効だったかもしれない。でもその他大多数の生徒たちにとっては、それは決して有効的な策ではなかったはずである。
そう、結局は生徒たちの意識の変化と、それによる学力面の充実なしに学校の発展など不可能だったのだ。部活だけに力を入れても、数々の行事の成功を期待するだけでは何の変化も起こらないということなのだと思う。

もしかしたら前述の英語科の先生は、その生徒たちの意識の変化を安行中で行おうとしているのではないか?
だからたくさんの宿題を出し、自分の授業で指示通りに学習をしない生徒を叱る。そればかりでない。担当する部活の生徒にまで、学習意欲を高めようと努力する。
いままで多くの先生方がやろうとして、阻む壁の高さに意欲を失ってきたそれを、1人の女性の先生が行おうとしていることが素晴らしいと思う。塾長としてではなく、地域に住む一卒業生として大いに期待させていただきたいと思っている。

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2018年5月18日金曜日

数学で、偏差値70を取るということ

数学で、70の偏差値を取る。
これって英語で70の偏差値を取るよりも、きっと難しいはずである。
中学校で集計をしているかどうかは分からないけれど、毎年発表される各教科の県内公立高校の入試平均点とこの地域の中学校内での各教科の平均を見たとき、おそらく数学が、一番点数が取りにくい教科になっているのではないか。

数学の何が難しいかといえば、まず教科書に出ているような一般的な数学の問題は、入試問題ではかなり姿を消して来ている。ではどんな問題が出てくるかといえば、中学学習範囲の中で底に隠れた知識が問われた種類の問題である。
外では発想力が問われるという風に言われているし、僕もそういう言葉で表現をしたこともあるけれど、一部を除けば、やはり隠れた知識が出されている場合が多いのだと思う。問題なのはその隠れた知識が、一般的な学校授業で学ぶことができるのか?との疑問である。
いま小学校でも中学校でも、分かりやすい授業の要求というものがあると思う。でもその隠れた知識というものは、分かりやすい説明では知識として入れることができないのかもしれない。その辺が地域格差を広げている原因のようにも思う。

数学の問題を種類に分けると、「計算」と「方程式」と「関数」、そして「図形」に分けることができる。
計算
方程式
関数
図形
偏差値
×
40
×
45
×
50
55
60
65
70

上の表は、この地域の中学生たちに数学を教えてきた私が、最近の生徒の数学の学力の状況からまとめたものである。
×ほとんど解けない状態。△問題によっては解ける状態。◯ある程度解ける。◎かなり解けるで表すとすると、上の表のようになるものと思われる。
◯のレベルというのは、単元別に出される中学の定期テストで90点以上の点数を取れる学力だと思います。決して定期テストで90点取れなかったとしても、塾の授業とその復習と宿題演習で取れる学力が身につけば◯に該当する。
では◎はというと、前に書いた隠れた知識を持つ学力なのだと思います。そして発想力の有無は、毎回70の偏差値が取れるかどうかに関わると思う。発想力が高ければ、おそらく毎回70オーバーだろうし、知識だけで、もしも発想力が無かったとしたら、2回から3回に1度は70を下回ることになるだろう。

これは何度かこのブログで書いていることなのだけれど、中310月の北辰テストまでは中3範囲の図形の問題は出されない。相似と三平方の単元は、まだこの時期には学習が終わっていないのである。11月のテストで相似が初めて出題され、三平方を含めた全範囲が出されるのは1月に行われる最終の第8回だけである。
この地域の中学生たちが、11月の北辰テストで大きく数学の偏差値を下げるのは、中3範囲の図形が原因であるのだろう。そして相似と三平方の定理が厄介なのはそれらの難易度が高いというだけでなく、中2の三学期に行う図形の合同の単元の理解の状況が、相似と三平方の理解に大きく関わっているということだ。
つまり相似と三平方を完全に理解するには、中2範囲の図形の合同まで戻ってやり直す必要が出てくる。きっと図形の見方のような能力が、この単元で学べるのだと思う。それができていない状況では、相似も三平方も点数に結びつかないようだ。しかし入試が近づいたこの時期に、それを行う時間などない。

もしも中2範囲の図形の合同が完全に理解できていない生徒がいたとして、その生徒は計算問題はもちろん、方程式の応用の単元も関数も理解できていたとする。だから中3の10月までの北辰では、数学が70前後の偏差値が取れた。たいていの場合、数学で70近い偏差値が取れるとすれば、英語も70近い偏差値を取っているはずである。国語と理科社会の偏差値は分からないが、3科で70近い偏差値を取っている可能性が高い。こうした生徒は春日部や浦和市立以上の高校への受験を考えているはずである。ところが相似の単元が出題範囲に入る11月以降、偏差値は下がっていく。12月、1月の落ち込みはもっとだろう。
この地域でよく聞く、偏差値が70あったのでけれど、川口北にしたという話はこの辺に原因があるのかもしれない。

最後に、発想力について書かせていただく。
数学における発想力は、この地域においては、中学生からの勉強では身につかないのかもしれない。シローズに来てくれている生徒で数学が70をコンスタントに超えているのは、小学生の時に算数の難しいテキストをかなり進めた生徒だけである。それ以外の生徒で、時に70を超える生徒は出て来ているが、コンスタントに70が取れているのは、この問題集の経験者に限られている。もしかしたら、これが、発想力があるかないかの違いに通じているのかもしれない。

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2018年5月16日水曜日

偏差値58のSクラスと偏差値65のSSクラス

シローズの英語と数学のクラスは、学力別に分かれた集団授業になっています。個別授業のクラスもあるのですが、ほとんどの生徒たちはこの集団授業のクラスで英語と数学を勉強しています。英語・数学とも週2回のクラスもあるのですが、今回は週1回のSクラスとSSクラスについて書かせていただきたいと思います。

SクラスとSSクラスの違いは、中2生の時に使うテキストにあります。Sクラスは、英語・数学ともシローズで前から使っている標準的なものを使っています。それに対してSSクラスは、英語も数学もかなり難しいテキストを使います。それと英語の授業時間を週に2コマ(数学は週1コマ)取っており、文法中心のその難しいテキストの他に長文の問題、それとリスニングを入れています。

シローズの生徒たちは中2になった時点でSクラスにするか、SSクラスにするのかを決めます。また時には入れ替えも行います。どちらかと言えば、SSからSにというのが一般的で、SからSSというのはかなり稀だと思います。実は今年の中3生で4月前にSクラスからSSクラスに移った生徒がいますが、それはこの生徒の頑張りと、SSクラス生たちのあまり頑張らない…という状況によるものです。

この2クラス、何が違うのかといえば、中学3年生の二学期以降の学力に大きな違いが出てきます。中2からSSクラスで頑張った子は北辰テストの偏差値がたいていは65以上、Sクラスの場合は58以上というところでしょうか。もちろんその生徒の頑張りの状況と小学校の時の学習の状態で、プラスマイナスがつくことになります。でも65と58という偏差値は、ある程度保証できる数字になると思います。

ただこのSSクラス、生徒たちにとってはかなりきついと思います。英語の辞書も中学生用の物では間に合わなくなるだろうし、数学も分からないから次の授業で先生に聞こうというよりも、その分からない問題を、時間を掛けて考えて来ることが要求されます。
今年は中2SSクラスの人数が少し多いのですが、残念なことに、これから次第に人数が減って来ることになると思います。

シローズは上位の高校を目指すだけの塾にしたくはないのですが、なぜそんなクラスを作るかというと、この地域の中学生たちの可能性を広げたいという気持ちと、所詮大手には敵わないのだろう…という声に対する私自身の反発なのだと思います。

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2018年5月9日水曜日

安行中 my Love 2018春

学校の先生たちが自分の意思をしっかりと言わなくなったのは、きっと保護者とのトラブルを恐れているからに他ならない。
なぜ保護者との間にトラブルが起きてしまうかと言えば、教員たちと保護者の間に実在する子供たちが、実際に起こったことと違うことを保護者たちに話すようになったからではないか?
また保護者の方たちも、昔とは全く変わってきていて、我が子が嘘を言っているかも知れない…と思いながらも、昔のようにそれを叱ったりするのではなく、我が子の言い分を認めようとする性(さが)に近い気持ちが存在するようである。

だから学校の先生たちは、日々自分たちが接する生徒たちを刺激しないようにと努める。そして教員という仕事を単なる職業として割り切るか。あるいは通常の生徒に対する指導以外の業務、例えば部活の指導に夢中になるくらいしか道は残されていないのだと思う。
でもこの国に住む人たちの中で、平均以上の知能指数を持つ彼ら教員の中には、日々のそうした理解し難い現状の中を器用に泳ぐことを、良い教育者の条件だと唱える輩(やから)がいる。またそうした輩たちは大いに出世を果たし、教員という職業の素晴らしさを今後も周囲に語ろうとするのだろう。
だからこの地域の教育は一向に良くはならない。これからも年々新たな問題を生み出してしまうのではないか。

ところ変わって、成績を上げることを生業とする私の生きる世界の中では、愛する生徒たちの成績を上げるための最終手段が存在する。
それは、その子たちの限界を超えさせること。具体的には学習の時間であったり、難易度であったりする。でもいくら僕であっても、これを生徒全員に要求したりはしない。この子なら…とか、志望校から考えてそろそろ…とかと思ったときに限界に挑ませようとする。

しかし挑まされる側の生徒たちはというと、時としてそのことにストレスを感じてしまうようだ。そしてその反動は、時に私に向く。
保護者からの相談という名のクレームだったり、さらにエスカレートすると、中学校の先生への相談まで進む。
そうなってしまうと、もうお手上げだ。なんとか生徒たちの間を器用に泳ぐ事が出来なかったのかと、自分を責める日々が続くことになる。
それは分かり過ぎるほど分かってはいるけれど、この地域の中学生たちの成績を上げようとすれば、やはりその道を通ることになる。というより、その他に道はないと思う。

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