2013年12月13日金曜日

シローズ「冬期講習会」からの中3指導



 今年も、冬期講習会の時期が近づいてきています。今回の冬期講習会では、中3生の皆さんに少し例年とは違うことをしてもらおうと思っています。
 その理由としては、今年の中3生が浦和から春日部までの県内最上位校への受験を目指してはいないこと。そして通常の授業から感じられる生徒の様子からは、知識の穴らしきものがいくつもあること。それを考えると、立て続けに公立入試の過去問題をやる昨年までのやり方ではなく、公立入試の過去問題を丁寧に確認しながら進める方が、メリットが多いのではないか…との思いになったわけです。
 そもそもなぜこの時期に公立高校の過去問題を行うかというと、効率よく中学校学習範囲までの総復習をしたい…というのが一番にあります。中学校で学ぶべき英文法にしても、数学の公式にしても、理科の実験や社会の世界地理の範囲にしても、公立の入試問題に出ている問題はすべて中学3年生までに習うべき内容です。その内容を効率よく総復習をするには、入試問題を解いてもらい、そしてしっかりと復習をするということが一番だと思います。

 ただここで問題があります。最上位校に受験をする生徒たちは、ほとんど講師たちが解説をした5教科の内容を復習してくれます。復習して覚えていない内容を確認し、理解して暗記までをしてくれるはずです。ところがそれより下の高校を受験する生徒だとそれをしてくれない。例えばどうでしょうか。浦和高校と浦和一女を受験する生徒が、冬期講習会で行った公立入試問題の間違えの約9割を「復習→理解→暗記」をしてくれるとしたら、蕨・川口北を受験する生徒は4〜6割程、越谷南・市立川口では2〜3割、川口・川口総合に至っては0〜2割程度なのではないかと思います。下のレベルの高校になればなるほど莫大な量の復習を必要とするわけで大変なのは分かるのですが、本来もっとも勉強しなくてはならない生徒が勉強をしてくれない…という状況はいつも繰り返されているように思います。そして塾を運営していて感じるのが、中学生の皆さんが取る偏差値と呼ばれるものには、必ず勉強の仕方とその時間との間に相関関係です。偏差値が上がる勉強をしていないから、偏差値が上がらない。まあ、これには塾側の責任もあると思います。公立・私立を問わず、高校入試が偏差値で合否が決まるというのは、もはや規定事実だと思います。それにも関わらず、中学の定期試験対策をメインにしている塾は本当に多いですよね。まあ長くなりそうなので、この辺にしておきましょう。

 さて今年のシローズの冬期講習会は、上で書かせていただいた「復習→理解→暗記」をどうやったら中3生たちにしてもらえるか?との思いからスタートしています。そして強制的に、「復習」と「暗記」をしていただくことにしました。たぶん復習と暗記の間には「理解」という言葉も入ると思います。

 具体的には、午前中に前年までの「公立入試問題の演習」を行います。午後からは午前中に行った入試問題の復習をしてもらいます。まず「国語作文」の直し、そして午前中解いた英語の問題から「英語長文和訳」を、そして夜は理科テキストと社会中学教科書を持参して「理科・社会の直し」を行います。もちろん講師はついていますが、講師に説明をしてもらうという受動的な学習ではなく、自分で考えながらあるいは辞書や教科書等を使って調べながら、明日の開設に備えて勉強してもらいたいと思います。講師に質問をすることももちろんできますが、どちらかと言えば講師は監督という意味合いの方が強いと思います。
 そして翌日は前日のテストの解説を5教科に渡り、午前中から夕方まで行います。午前中が「数学」と「英語」と「国語作文」、午後は「理科」と「社会」をたっぷり時間をかけて行い、夜が「国語」の解説の後、「理科・社会を中心とした重複演習(一度解いた前日の問題をもう一度解いてみる)」という内容です。これを年末26日(木)〜30日(月)までと新年3日(金)〜7(火)までの午前8時から夜10時まで(昼休み、夕飯休み有り)全10日間行います。そしてこれに8日(水)〜10日(金)までの私立過去問題演習講座(夜7時10分から10時まで)が3日間続きます。

 その後は通常授業となります。私立の入試日前日まで、私立受験校の過去問題の演習と解説行います。過去3年分ぐらいを最低2回、できれば4回、答えを覚えるくらいまでやってもらいたいと思っています。
 入試直前の中3生たちにとって、もしも今までよりも一段上の成績を取る…など、学力のターニングポイントとなる地点があるとしたら、それはたぶん上の冬期講習会で公立入試の過去問題を解いて解説を聞く10日間と、私立入試問題の演習を行うこの時期だと思います。この時期を精一杯、もう本気でやることで入試直前の2月の成果が変わってくるのです。

 私立入試の終わる1月22、23日以降は、もう一度公立入試問題の演習を行います。埼玉県と同じタイプの前年の入試問題をひたすら解き、生徒たちは塾の授業中に解説を聞きます。3学期以降のシローズの中3授業は、すべて入試問題の演習とその解説だけになります。そしてこの時期の公立問題の演習は、冬季講習会が中学学習範囲の総復習だったのに対し、むしろ入試問題に慣れることを目的としています。ポイントは、冬期講習会時に比べてどのくらい点数の上乗せができたかということです。私立の入試過去問題を丁寧に勉強した生徒にとっては、初めて解いたときに「かなり難しい」とか「北辰テストとは全く違う」と感じたあの公立の入試問題が、かなり解きやすい問題になっているはずです。そして最後の2月2日の最後の北辰テストを受けて、最後の最後にもうひと頑張りすると、あっという間に公立入試です。今年もその時期が近づいてきました。

2013年11月10日日曜日

私的「公立高校合否判定」



 今日は日曜日です。
 そろそろ高校受験が目前になってきましたから、今日も何人かの生徒たちが勉強(自習)をするために塾にやって来ると思います。僕は補習を入れていますが、他の講師たちは休みですから、生徒たちは自分一人の勉強を講師なしですることになります。
 講師がいない中で勉強して、何の意味があるのか…? という意見もあるようですが、たぶん成績を上げるためには、どうしても自分一人で勉強をする時間というものが必要となってくると思います。
 塾の授業の予習(宿題含む)と復習をして、中学校の課題をやって、その他に英検や漢検などの資格の勉強や、中3生であれば苦手教科の克服のための勉強をしなくてはいけない。もう莫大な時間が掛かるわけです。
 でもほとんどの中学生たちは、家ではそれが出来ない。なぜなら家には、テレビもあればパソコンもある。ゲームもあれば、お菓子屋や飲み物もある。それに部活の疲れもある。そうした中で、さまざまな欲求と戦いながら勉強に集中することなど不可能に近いと思います。だからシローズの生徒たちの中で、上位の高校を目指そうとする子たちは塾に集まることになる。平日の朝も夕方(放課後)も授業の入っていない夜も休日も、という日常を過ごすことになる。シローズでは、昔から続いていることです。
 そうした日常を過ごす彼らにとって、友だちと時間を過ごしたり、ゲームに費やす時間など残っていないわけです。それをどうやって、我慢をして克服していくか? 安行地区・新郷地区の中学生たちが上位の高校に入学するためには、それが第一関門としてあるのだと思います。  

 中学生たちのそうした生活が、教育的な見地に立ったときに正しいことなのか、間違っていることなのかは別として、安行地区・新郷地区のごく平均的な知能指数の中学生たちが蕨高校・越谷北以上の高校に合格するということは、こうした日常を遅くとも中学2年生の夏休み後には始めなくてはならないように思います。その上の高校(春日部、浦和市立)だと遅くとも中1の終わり、浦高・一女だと中1の初めに始める必要があるのではないでしょうか。でもこれが出来ない。安行地区・新郷地区の中学生たちはこれが出来ないから、毎年川口北高校以上への合格者がごく少数(10人に満たない年がほとんど)という状況なのだと思う。
 もしも上で書かせていただいた、高校合格のための猛勉強の考え方が正しいとして、現中学3年生たちがどの時期に猛勉強を始めれば、どのレベルの高校に合格できるのかということについて、書いてみたいと思います。大変説得力のない話のように思うのですが、確かにシローズの生徒の皆さんの合否を診断するとき、北辰テストの偏差値や冬期講習会で行う公立入試過去問題の得点の他に、いつの時点で猛?勉強を始めたかということも要因として取り入れています。

 では初めてみましょう。
 中学校の学年順位がほぼ全体の上から5分の2から5分の3程度、偏差値が40代半ば付近から50代前半の中3生を想定して書いてみたいと思います。
 12月初旬の時点で、毎日ではなくときどき猛?勉強していれば川口総合高校レベル、一週間のうち半分ぐらいの日数を猛勉強していれば川口高校レベル、いままでと人が変わったように猛勉強していれば市立川口高校レベルということではないかと思います。まだほとんど勉強してなければ、現在の偏差値や中学校順位で川口東高校から川口青陵か草加西レベル、さらには勉強する習慣がまったくないとすれば川口工業というところではないでしょうか。

 結局、高校に入学後に必要な勉強量に届いていないと、やはり合格は難しいものになると思います。合格に必要なのは、もしかすると学力を上げることよりもその高校に通う生徒たちの常識を持つこと、またその生徒たちの平均勉強量をこなせるようになることなのかもしれません。
 では川口北校はどうかといえば、ごく平均的な知能指数の生徒の場合、中3の1学期の半ばあたりから猛勉強を始めていないと届かないレベルだと思います。

2013年11月6日水曜日

就学時の児童たちの不思議な世界

 
    こんな話は知っていますか?
 いま小学校に入学する子どもたちは、「ひらがな」や「1から10までの数字」はもちろん、一桁の足し算や簡単な漢字が書けるというのが常識になりつつあるようです。それにたぶん、これは私の想像ですが、あと数年経つと簡単な英語がしゃべれるという能力までがこれに加わるかもしれません。

 上に書いたことというのは、何も県内で学力レベルが高いと言われる旧浦和市等の状況ではないのです。安行地区や新郷地区でも、やはりこうした状況が起きているようです。
 その理由として上げられるのが、1つは幼稚園での「計算」や「漢字」そして「英語」の導入です。保育園や他園との差別化を図ろうとする幼稚園が、学習の導入に積極的になっているというのがあると思います。そして二つ目が小学校で英語教育が導入されたことで、小学校入学前の習い事に「英語」が加わって来たということがあると思います。そうした中で、小学校入学時の子どもたちが、一桁の足し算や引き算の計算や、自分の名前を漢字で書くこと、そして簡単な英語を使った挨拶といったことができる子どもたちの割合がかなり増加している。そしてまだ経済的に比較的に余裕があり、まだ子どもたちが年齢的にスポーツで成績が出難い年代であることも学力熱を押し上げている。それが三つ目の理由といえるかもしれません。

 ただここで疑問が生じてきます。そうした小学校入学前の学力熱が、小学校入学後の学力向上に役立っているのか? というと、だぶんそれはNOだと思います。そして小学校入学時に高まった保護者たちの学力熱が、入学後に一気に下がってしまうのか? というと、それもやはりNOではないでしょうか。ここで感じるのが、小学校入学前に子どもたちが学んだことが、もしかするとその後に役立っていないのではないかとの疑問です。

 当然、「褒めて育てる」的な現在の小学校教育に保護者たちが惑わされているというのはあると思います。余程学習に問題がない限り、小学校の先生方は問題なし的な話を保護者にすると思います。それで安心した保護者たちが、子どもたちの学力の下降に気づかない…というのは、たぶんあると思いますし、通知表にしても、学力をあらわすこととは違う次元のものになってしまっているのも、また事実だと思います。

そうしたマイナス面がたとえあったとしても、就学前の保護者たちの加熱ぶりからは想像ができない程、安行地区・新郷地区の小学校は低いままです。今後は上がるのではないかとの期待もあるとは思いますが、どうでしょうか? 何十年間も学力レベルが一向に好転しなかった小学校が、果たして急に学力レベルを上げることができるでしょうか。それにときどき見せていただく授業公開の場の雰囲気は、そんな思いがかすかな期待であると教えてくれているように思ってしまうのは、私だけではないと思います。

 そもそも就学時の子どもたちに必要なのは、まず授業中に集中して授業を聴けることだと思います。でもこれが、小学校低学年の子どもたちには一番難しい。このことなくして、足し算や引き算の計算であるとか、漢字や英語もないと思います。
 どうなのでしょうか。保護者の皆さんが就学に当たって、熱くなり過ぎているように私には思えるのですが…。そして私には、こうした現状が、やや不思議な世界のように思えてきます。
 実はそうした思いもあって、先々月ぐらいから、シローズでも幼稚園児(年長児)の指導を始めています。まずは日付とひらがなの学習をしてもらいながら、集団授業の中で60分間座って授業を受ける勉強をしてもらっています。日付とひらがながマスターしたら、次は計算の指導をしようと思っています。ここでの目標は、考えることで答えを導き出すトレーニングです。

 いまの小学生の皆さんに何が不足しているかと言えば、それはたぶん落ち着いて、論理的に考える作業の中で答えを導き出す能力だと思います。これができないと算数嫌いになってしまったり、算数ばかりではないのですね、小学校高学年以降の学力が身につき難くなりますし、ということは高校受験を目の前にしたときに、一気に成績が下がってしまったり…ということが起きてしまうのだと思います。




2013年11月4日月曜日

公立入試はまだ分からない

 

 ある生徒がシローズをやめるかもしれないと言っている。
 
 この生徒は中学3年生、安行地区の公立中学校に通い、来春には高校受験を迎える予定の生徒である。やめる理由というのが、塾を続けても成績が上がらないというもの。このままでは、志望校に決めている市内の高校に合格することなどできないのではないか。ご家庭では、高校には行かないで…などという話まで出ているらしい。
 そもそも成績が上がらないということに関しては、当人と塾の両方に責任があるはずである。塾の責任というのは、つまり私の責任ということになる。ということで、もしかしたらご家庭では当人であるお子さんと、もう一人の当事者である私が、責任を問われる立場になっているのかもしれない。
 そういう状況の中にいながら、私はまだこの生徒の高校合格を諦めてはいない。できることならば、今後も彼を指導させていただきながら、彼を志望校へと導きたいと考えている。たぶんそう考えている私と、我が子にはもう可能性がないと頑に考えてしまっているご両親の間に、相反する心の動きが起きているのではないだろうか。そしてこれは当然のことであるが、授業料の負担というのがご家庭にはある。そのご負担とお子さんの可能性というものが、天秤に乗せられているという状況があるのだと思う。
 
 受験生を持たれる親御さんというのは、お子さんの成績の上下動によって、急に落ち込んでしまう…というようなことがあると思う。落ち込みはマイナス思考を生み出して、そしてそのマイナス思考が、お子さんの受験校であるとか、そして今回のように塾を続けることに対して、非常に消極的な考え方を生み出してしまうのではないだろうか。ましてお子さんの成績がまったく上がらないという状況ではなおさらだと思う。そこに前述の授業料の負担という問題が、最近はとくに厄介な問題を引き起こしているのだと思う…。こんなとき、私は一番、保護者の方たちと私との考えのギャップを感じてしまい、途方に暮れながら苦いブラックコーヒーを朝からがぶ飲みすることになってしまう。
 そもそも中学の定期試験の問題がそのまま入試で出るわけではない(いま公立高校の入試問題は定期試験の問題よりもかなり難しくなっている)し、北辰テストや中学の校長テストだって、公立入試の問題とは大きくかけ離れている(公立入試問題の方が、圧倒的に深い知識の理解が求められている)というのが現状だと思う。ということはこの時期に大きく成績が下がっても、またこの時期になっても成績が上がらなかったとしても、それだけで一喜一憂する必要はない、まだ受験の結果は見えて来ないというのが、私の持論になってきています。
 今の時点(11月の第2週)では、まだまだ入試は見えないと思います。勉強の仕方によっては、5から10程度の偏差値を上げることも、また逆に5から10程度偏差値が下がることも充分に起こり得る時期だと思います。というのは、入試が3月の初めになりました。そして北辰テストや校長会テストにしてもまだ全範囲が出題されていない状況です。そしてどうでしょうか。安行地区・新郷地区の中学生たちの大半が、まだ入試モードになっていない時期なのではないかと思います。問題なのは、やるべきことをいま本当に少しずつでもいいからやっているかどうかではないか…と思えるのです。
 私がこうしたことを強く言えるのには、実は次のような側面があります。
 川口市内の高校で言えば、下は川口工業から川口青陵、川口東高校、そして川口総合高校ぐらいまでの高校の合格に必要な入試得点は、保護者の皆さんが考えるよりもかなり低いと思います。もちろんその年の入試平均点にもよるのですが、5教科500点満点で半分はおろか、100点に満たない高校が数校ある。一番高いレベルの高校である川口総合高校であっても、200点までは必要ないかもしれない。ということは、まだまだこれからの勉強で入試合格点が取れる可能性があるということです。

 それからこんな側面もあります。上でも少し触れたことのですが、北辰テストや校長会テストの結果と公立入試問題の相関性が年々薄くなって来ているように思います。つまり北辰テストや校長会テストで合格偏差値を取れたからと言って、公立入試当日に合格点が取れるとは限らない。さらには、その逆も多いに可能性があるということです。つまりいま模擬試験でまったく合格偏差値を取っていない生徒であっても、まだまだ合格の可能性があるということです。

 もう一つ、過去十数年の高校入試の結果を考えると、実際には見えない学力というものが存在しているようです。とくに冒頭で取り上げた生徒のように、中学校の早い時期から塾に来てくれている生徒たちに見られることです。同じ偏差値であっても、中学校の早い時期から塾に通っていた生徒と最近塾に通い出した生徒、そしてまだ通わずに自分で勉強している生徒では、入試得点が変わって来てしまうようです。たぶん北辰テストや校長会テストに出ない学力というのがあるのだと思います。
 ですから皆さん、希望を持ちましょう。そしてご自分のお子さんのことを信じてください。そしてそれを希望にしてください。しつこいようですが、最後にもう一言、受験はまだ分からないですよ。



2013年9月16日月曜日

安行中 my Love



 静岡県の川勝平太知事の話題が、つい先日マスコミを賑わせていた。
 今年の全国学力テストで県内の小学校の国語Aの平均正答率が全国で最下位であったことを受けて、県内公立小学校524校のうち下位100校の校長名を公表したいとの発言である。知事としては、「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分である。永年、大学で教鞭をとっていたという知事の真意は分からないが、「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分には首を傾げたくなります。

 私は自宅から10分から15分ほどのところにある安行小学校と安行中学校に通い卒業しました。ご承知のように、両校とも昔から学力的に問題があるという評判があった学校です。今でも覚えているのは、中学校3年生の夏休みに通っていた川口駅近くの学習塾で、講師の先生にどこの中学校かと聞かれた私が、「安行中です」と答えると、「行(ぎょう)中か…」と言われたことがありました。そうした言葉が出るぐらい安行中学校のレベルは、市内でも有名だったのかもしれません。それと思い出すのが成人式の日、親に買ってもらった新調の背広に身を包んで友だちと行ったグリンセンター(その頃はリリアではなくグリンセンターだったのです)で気づいたことですが、久しぶりに顔を合わせた中学校の同級生たちの中で、大学に通っている同級生たちが意外に少なかったことをおぼえています。
 そして、静岡県知事の「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分は、昔から安行地区で大人たちがよく口にしていた言葉のように思います。でも自分がそれを口にしていた大人たちの年齢になったいま、それはたぶん違うのではないか。いまも昔も先生たちには責任はない。その思いが、私には確かな確信となっていま心の中にあります。

 9月14日(土)、安行中学校の校庭では体育祭が開催されていました。
 私が中学生だったときと同じように、少しはにかんだ表情をした中学生たちが、開会式で行進をしながら目の前を通っていきます。応援合戦のときの、生徒たちの妙に照れたような表情。そう、安行中学校には、ああいった不器用な姿がたぶん伝統なのだと思います。私が中学生だったあの頃もそうだった。近くの安行東中学校ならもっと自信をもって、上手に応援合戦をしたのではないでしょうか。でも安行中学校の生徒たちは、どこか自分というものを隠して、周囲に同化させてしまうような姿があるのかもしれません。
 あの頃と何も変わりがない。そしてどの子も自分が大人になることに微塵の不安も感じていない後輩たちの姿が、現実社会の厳しさを私に考えさせてしまう。
 どうも現実社会は、日本人が食べるのに充分なパンを与えないことを決議してしまったらしい。だからこれからを生きる若者たちは、自分と自分の家族の食べるパンを自分で手に入れる能力を必要とされる。しかも真っ当な手段を使って…。
 学力が伝統的に低く、中学卒業後に高等学校に進学しても相変わらず中途退学者が後を絶たない中学校。そして高校卒業者の就職先の労働環境が悪化してからは、二十歳前後で退職してしまうために社会保険や年金を打ち切られる人たちが後を絶たない。でも彼らはまだいい方なのかもしれない。高校を卒業しても、就職先がなくアルバイトを生業している卒業生も多くいる。
 解決策はある。入学する高校のレベルを上げればいい。でもこれが難しい。中学校の先生が悪いのではなく、地域が学力の上昇を求めていない。だから静岡県知事の発言は間違っていると私は思う。
 いま安行中学校の運動部の半分ぐらいが、朝練を実施しているという。子どもたちは朝7時前に家を出て、部活を終えて家に着くのは夕方6時を過ぎる。土曜日、日曜日、祝日も部活がほとんどある。そして保護者と地域の方たちは、それが当たり前の状況だと考えている節がある。でもこれは、県内のどこの中学校でも行われていることではない。川口、越谷、草加など一部の地域に限られたことである。もちろん、子どもたちに規則正しい生活を送らせるというメリットがあるのは分かる。たぶんこれによって、非行に走る子どもたちが少なくなるのも事実であろう。でも学力は到底上がらない。






2013年9月6日金曜日

通知表の恐いはなし2(結論)

 先日、シローズ塾長のブログにアップさせていただいた「通知表の恐いはなし」で、事実の提示だけで結論が書かれていなかったように思いまして、結論らしきことを以下に書かせていただきます。

 通知表において「よくできている」的な良い評定を多く取ることは、とても価値のあることだと思います。ブログの中でも書かせていただいていますが、立派な大人に近づいている…という見方も確かにできると思うのです。でもただそれだけでは、高校入試で評価される…に続く小学生としての学力を身につけることはできないようです。なぜかと言えば、小学校のテストが考えて答えを導くという形式のテストではなくて、授業中に先生がどんな説明をしたか。その記憶力の調査的な内容のテストだからだと思います。当然知能指数の高い子どもたちは良い点数を取ることになる。さらに知能指数の高い子どもたちは、頭の中で化学反応に似た動き?が起こって、高校入試でも通用するような知識を得ることができる。そこまでいかない知能指数の子どもたちは、ブログに登場しているような結果になってしまっているようです。
 それから気になるのが、ブログの中でも書いたのですが、最近小学校に一層幼稚園的な側面(できない子、やる気のない子を授業に積極的参加させようという傾向)が強まってきているようです。小学校の研究授業を見せていただく度に、その事実に戸惑うことが多くなりました。そしてこうした問題は、授業レベルの低い安行・新郷地区ではより顕著なものになってきているように思います。
 ではどうすれば良いか。一つの方法として、国語でも算数でも良いから(両方ならもっと良い)、考える時間の必要な問題を早い時期から解かせることだと思います。早い時期から塾に通っている子どもたちは多いですが、分かる問題を長時間やらせても、目と指先の運動にしかならないとは言えないでしょうか。たぶん塾側の責任というものもあると思うのです。意識的に楽しい雰囲気を作って、さあこれからという時に急に階段を外す。それって、塾の経営的には正しいかもしれないですが、道義的には絶対に間違っているやり方だと思います。習い事ですから、成績を上げるためには、やはり上がる分だけの苦痛を伴うものだと思います。




公立入試平均点を考えるときの憂鬱


 実は今年の公立高校入試で、こんなことが起きています。
 平成15年度入試以来ほぼ下降を続けていた入試得点が、一気に5教科で37.6点も上昇しました。平成15年度から平成25年度までの入試平均点の割合を記載すると、下のようになります(満点を100としたときの平均点のパーセンテージを記載)。

   15年度60.8% → 16年度60.2% → 17年度55.4% → 18年度55.8% →  19年度57.7% →
   20年度55.8% → 21年度53.8% → 22年度50.5% → 23年度48.6% → 24年度47.6% →
   25年度55.1%
             ※ 平成22年度、23年度は前期試験のみ記載しています

 公立高校入試の平均点は、平成15年度の60.8%から微増はあるものの、前期試験に5教科の試験が導入された平成22年度からは(それ以前は前期試験が調査書と面接、一部の高校で50分の総合問題が実施されていた)、年々低下していました。そしてこの間高校入試において、上位校から中位校までの合格者の各教科の平均点は、ほぼ偏差値順にきれいなピラミッドを作っていたはずです。具体例をあげれば、浦和高校に合格した生徒たちのある教科の平均点は、その下のレベルの大宮高校や浦和一女に合格した生徒たちのその教科の平均点よりも高かったと思われます。入試資料に書かれている偏差値順に合格者の平均点がしっかりとしたピラミッド作る。しかも5教科にわたって…。それが県の意志であったように思います。
 5教科に渡ってきれいなピラミッドを作る。そのために毎年難易度を上げる必要があった。とくに数学は、平成24年度入試で100点満点中36.5点まで平均点は低下しました。たぶん数学は得意な生徒と苦手な生徒が多数存在する科目なのだと思います。だから県も、難易度の高い問題を1問から2問程度入れる必要があったのだと思います。たしかに数学には、浦和高校や大宮高校、浦和一女用とも取れる難易度のかなり高い問題が含まれていたように思います。どのくらいの難易度かと言えば、難関私立高校の入試問題に近い問題と言えばお分かりになるかもしれません。毎年のようにそうした問題が含まれていた。そして学力の低下がありますから、平均点は年々低下せざるを得ない…。そうした状況が確かにあったと思います。
 25年度入試も引き続き平均点が低下する。そう考えていた関係者たちは多かったと思います。実は私もそうでした。ただ入試が終わり、塾に来てくれている生徒たちの合否が分かったとき、何か例年の入試とは違うものを感じたというのが正直なところでした。私以外でも、そう感じた塾関係者は多かったはずです。ある高校入試の評論を仕事にしている方は、「県が匙(さじ)加減を間違えた」という言葉で、25年度入試を表現しました。そして「入試得点の上昇は25年度に限ったことで、26年度は数年前の状況までふたたび低下する」という言葉を続けていました。
 入試の合否は入試得点と内申点、それから中学校での部活動や生徒会活動と資格等の合算で決まります。ただその中での割合で言えば、ナンバーワンが入試得点、そしてナンバーツーが内申点であることには間違いないと思います。高校入試において入試平均点が上がるということは、受験者が点数を取りやすい状況になるということですから、入試得点の差は比較的出にくい。その結果ボーダー(合否の分かれ目)は内申点のウェートが上がることになります。
 例えば、現中学3年生が入試を迎える26年度入試が昨年並の平均点(275.5点/500点満点、55.1%)の場合、川口北校に合格するには合格者平均偏差値(62.1)では、35平均の内申点が必要になると思われます。しかしもしも入試難易度が上がり24年度の平均点(237.9点/500点満点、47.6%)まで下がったとすれば、同じ合格者平均偏差値の62.1程度であったとしても、おそらく32平均程度の内申点で合格が得られることになると思います。
 受験関係者のほとんどが、下がると言っている入試平均点がはたしてどうなるのか? それは今の時点では全く分からないことだです。おそらくこれから6ヶ月、入試のその日までさまざまな憶測を呼び、場合によっては保護者まで巻き込むようなことになるかもしれません。その波紋をさらに広げるつもりはないのですが、私は入試平均点が25年度と同様のものとなる可能性はあるのではないかと思っています。ですから、今年のシローズの受験指導は入試平均点が昨年並みであることを仮定したものになると思います。理由は中位校から下位校の、例のピラミッドの姿です。
 埼玉県は上位校から下位校までの合格者の平均点を難易度(偏差値)の順番に並べようとしていた節があります。その結果、入試問題は年々難しいものになってしまっていた。ところがそれによって、いま下位校の入試得点は私たちが首を傾げたくなるほど合格者の点数が低下してきている状況にあるようです。例えば市内の合格者平均偏差値46.4の高校の入試最低点は500点満点中80点を下回っていると言われています。さらに低い合格者平均偏差値43.6の高校ではやはり500点満点中50点を下回るとも言われています。いずれも5教科の合計点です。1教科の平均点を考えれば、10数点から20点弱といったところ。浦和高校から大宮、一女を受験する生徒なら、1教科で合格点が取れる状況にあると思います。もはや今の入試問題で、すべての高校受験生の学力を測ることが出来なくなってきている。そしてゆとりの教育や学力の低下といった問題が、集約される形で偏差値50以下の高校に訪れている。そうした見方ができるのでないかと思います。つまり上位校から中位校までをきれいなピラミッドで現そうと、入試レベルをあげれば下位校の生徒の正確な学力を測ることができない。また逆に中位校から下位校までの受験生の学力を正確に測ろうとすれば、上位校を受験した生徒たちの学力を正確に測れない。今はそうした状況にあるのだと思います。ですから県が、入試のレベルを下げたとしても不思議はない。私はそう考えます。
 もしかしたら埼玉県も他県が先駆けているように、ここ数年のうちに高校入試問題を上位校から中位校用の問題と中位校から下位校用の問題を用意するかもしれません。そうでもしないと、今の入試の歪みは是正できないところまで来ているとも言えます。ただ可哀想なのは、確かな合格判断が出来なくなってしまったために、志望校を下げざるを得なくなってしまう受験生たちだと思います。





                                                                         

2013年9月3日火曜日

通知表の恐いはなし



 夏期講習会が終わろうとしています。

 トップは独走態勢、下位の子たちの努力で下位と中位の子たちの学力が僅差となってきた中1Sクラス。どうも歯車がずれていると、首を傾げたくなってしまう中2クラス…にも意外な生徒が頭角し始めている。中3生で言えば、自分のやる気(勉強時間)で成績は上がるということに、ここに来てやっと気づいた様子。そう努力をした生徒たちは、みんな夏休み前と夏休み後の自分の変化に気づいているはずです。
 私はと言えば、9月9日(月)から始まる2学期の授業のことで頭がいっぱいになっている状態です。そんな頭の状態で、最近プログを書いていないな。と思い…、反省をし、書き溜めていたブログの直しを始めた次第です。


 1学期の終業式が終わり、小学生の何人かの保護者の方からお子さんの通知表を見せていただきました。内容を見ると、まあさまざまではあるのてすが、一番に感じたのは、やはり成績を測る指標にはなっていないとの思いでした。例えば同じ学年の生徒で、明らかに学力の異なる2人の生徒がいたとして、その2人の生徒の学力の違いが、小学校の通知表の評定からは推し量ることはできない。やはりそれは事実であると思います。
 ただ、通知表には素晴らしい部分があって、いま現在の状況で子どもたちが、「立派な大人になるとしたときに、どの時点にいるのか?」。それを見ることができるのではないかと思います。「もう少し」よりも「できている」さらには「よくできている」が多い子の方が、立派な大人に近づいている。そういう見方ができるのではないかと思うのです。
 このことは、実は夏期講習会中に小学生の生徒たちに話しました。彼らはテストでは良い点数を取り学期の終わりに渡される通知表の評定も出来るだけ良いものにして、誰もが家庭で褒めてもらいたいという気持ちを持っていると思います。でも、ではなぜ通知表の評定を良くしなければならないか?という理由に気づいていなかったのだと思います。私が、通知表で「よくできている」を取ることは、とっても素晴らしいことだと思うよ。「もう少し」がほとんどなくて、「よくできている」がとっても多いというのは、今の時点で立派な大人になれる可能性がとっても高いということだと思う…。だからみんな、立派な大人になりたいと思うのなら、「よくできている」を取ろうよ。どうしたら取れるかって、それはみんなが考えることだと思う。夏期講習会のときに、私がそういった話をすると、目の前に座る小学3年生から5年生の生徒たちは、意外にも実に真剣に彼らは聞いてくれていました。
 授業(問題)の説明も含めて、私がこのクラスの生徒たちに真剣に話をしようとする時、私の真剣さが強ければ強いほど、私の期待値よりも、聞く側である彼らの真剣さは残念なことに必ず低くなってしまう…というのが、実情であると思います。でもこの日ばかりは違いました。全員がということは言えないかもしれませんが、かつてないくらいの真剣さで、私の言葉を胸にしまってくれていたように感じました。たぶん彼らにとっても、通知表の評定の真意…というものに気づかぬうちに疑問を持っていたのではないかと思うのです。ご両親を含め、家族や親戚の方達まで、通知表の評定に注目している。でも実際にそれを取る側の子どもたちには、各教科のテストの点数に合致しているとは言い難い現在の通知表の評定に、どうすれば「よくできている」がつくのだろう? あるいは「よくできている」がたくさんついたとして、それが何になるの?的な疑問があったのではないかと思うのです。
 「よくできている」が多いと、立派な大人になれる…という、私が口にした言葉は、たぶん今の小学校・中学校の先生方には、使いづらい言葉ではないかと思います。生徒たちに伝えたいという気持ちになったとしても、じゃあ「よくできている」が少ない子は立派な大人になれないの? それを連想させてしまう言葉である以上、35人もの子どもたちを前にしては、なかなか言い出しにくい言葉ではないかと思うのです。
 それを私が口にしてしまった。決して私が凄いことをしたのではなく、わずか5人の生徒、しかも彼らの成績や性格を、また私という人間のこともよく知っている間がらからこそ、言えた言葉なのだと思います。それがたぶん生徒たちには、先生と呼ばれる人の言葉として、とても新鮮な言葉に映ったのではないでしょうか。だから彼らも、普段よりも真剣に私の話を聞けた。ということなのだと思います。

 さて、本題です。
 ときどき、こんな生徒がシローズに来てくれます。
 中学の成績は「上」です。定期テストの学年順位がたいてい20番ぐらい、そして通知表の評定は40前後です。通知表が良いわけですから、前述の話のように、彼は立派な大人になるべき道を順調に歩いているように思います。もちろん彼は、こうした生徒たちがそうであるように、大いにスポーツマンでもあります。そしてこれもキーポイントなのかもしれませんが、彼は小学校から安行・新郷地区の小学校に通っています。
 そんな彼が中3生になって、シローズに来てくれました。志望校は偏差値が60以上の高校です。何としても、合格してもらいたい。彼の人柄を見れば、たいていの塾の先生たちはそう思うはずです。私もそう思いましたし、他のシローズの先生たちもその気持ちになっていました。ところが上がらないのです。偏差値が、入塾以来全く動かない。
 彼を見ていると、こんなことに気づきます。彼は勉強の仕方を変えていない。たいていの生徒たちは、入塾以降、勉強の仕方を変えてくれます。それまでの定期テストで点数を取る勉強の仕方から、模擬試験、さらには入試で点数を取る勉強の仕方に気づかぬうちにも変わって行きます。でもなぜか、彼は勉強の仕方を変えていない。変えていないというよりも、変えることが出来なくなっているのかもしれない。彼を見ていると、そんな気になります。
 たぶん彼には、小学生の頃から先生方に評価されてきた勉強の仕方がしっかり過ぎるほど根付いているのだと思います。でもそれは、小学校と中学校で評価される勉強の仕方でしかなかった。決して高校入試で点数が取れる勉強の仕方ではなかったのです。
 いま小学校の授業は、年々幼稚園的な要素を取り入れたものとなっているように思います。落ちこぼれの子どもたちを無くそう。誰もが参加できる授業にしよう。そういった小学校の先生方の努力の弊害が、彼のような生徒を生み出している。そしてその傾向が年々強まっているといえるかもしれません。
 この先、彼がどうなっていくのか? もちろん成績は上がっていくはずです。というよりも、私が彼と向き合いながら彼の成績を上げていくのです。




2013年7月28日日曜日

高校の決め方 その3「保護者がすべき高校選び」

 「高校の決め方」のブログも今回が3回目となります。第1回目が私立高校の決め方、第2回目が公立高校の決め方、そして今回はまとめとして、「高校の決め方 その3 保護者がすべき高校選び」について書かせていただきたいと思います。



3. 保護者がすべき高校選び

・1の私立高校の決め方と2の公立高校の決め方を読まれて、受験 (候補)校を決めるた
    めの情報をどのように手に入れたら良いの かということについて、疑問をもたれた方は
    多いのではないかと思います。合格者平均偏差値がいくつで、25年度入試での倍率など
    は、受験情報誌をみればすぐ分かると思いますが、それ以外の情報、たとえばその高校
 はどんな雰囲気の高校であるかといったことについては、雲の中に隠れた状態で姿を見
 せてくれないことが多いのではないかと思うのです。
  たとえば浦和実業と浦和学院、あとは越谷南と浦和南、越ヶ谷と川口北、蕨と越谷
 北、そして大宮と浦和の違いって、なかなか難しいところなのではないでしょうか。そ
 して保護者の皆さんは、この2校の違いってなんなのだろうと考えることって、埼玉県
 の高校受験では良くあることだと思うのです。でもそれは、受験情報誌は教えてくれな
 い。それでどうしたらいいのか? この部分の説明が前述の1の私立高校の決め方と2
 の公立高校の決め方では書くことが出来なかったように思います。
  昨日、今日と埼玉スーバーアリーナで「彩の国進学フェア」が開かれています。昨日
 そこに行ったシローズの保護者の方の話では、大変な混みようだったとのこと。でもい
 くらブースを回ったとしても、その高校の雰囲気ってなかなか分からないものだと思い
 ます。それにパンフレットの作り方にしても、その高校のブースにいる高校の先生の説
 明にしても上手ですよね。その内容をすべて信じることなんて出来ないはずです。
  これはこれから開かれる各高校の入試説明会にしても言えることだと思いますが、私
 立高校側の説明は、たいてい実際のその高校の実力を100だとしたときに200ぐら
 いの誇張であることを念頭におかないといけないと思います。たとえば大学の合格実
 績、有名大学の合格者がほとんど予備校に通っていたとしたら、それは高校の進学実績
 ではなくて、むしろ予備校の進学実績といった見方の方が適切ではないかと思えること
 があるのです。そうした種類の誇張とも取れそうな話が私立高校の説明会にはたくさん
 あるように思います。その話に関連して、私立高校は公立高校と違い予備校に通う必要
 がないという話があります。でもどうなのでしょうか。県内No.1私立の栄東高校にして
 も、大学受験前の生徒のほとんどは予備校に通っていると聞きます。もしも予備校が必
 要のない高校が県内にあるとしたら、それは浦和高校だけではないかと思います。
  公立高校にしても、それに近いことが説明会の場であると思います。たとえば東武線
 のある高校の説明会では、大学合格の実績を強くアピールしています。確かにその高校
 の大学実績は目を見張るものがあるのですが、それによってどのくらいの生徒が授業に
 ついていけなくなっているかの説明は、当然されてはいない状況です。
  私立高校・公立高校を問わず、この種の受験情報誌に出ていない情報は、受験生を持
 つ保護者にとって一番貴重な情報だと思います。でもそれがあまりに伝わっていない。
 その代わりに2チャネル的な根拠のない情報ばかりが、保護者間で飛び回る。私はそこ
 に強い問題意識を持っています。
  本当は中学校の担任の先生が正確な情報を持って、保護者との面談の場で、伝えてく
 れるのが一番良いのだと思います。でもいま、県内の中学の先生方には高校の情報が届
 きにくい状況にありますよね。埼玉県はさいたま市を除いて、どこの市でも同じような
 状況だと思います。だとしたらPTAの進路指導部はどうか。先生方に情報が集まらない
 状況なのに、PTAの役員さんたちに入る情報はなおのこと限られてくるのは当然だと思
 います。そうすると、やはり情報を得るには、高校受験を専門とする塾(進学塾)に頼
 ることしか方法はないのではないかと思います。ただそうした塾へ通う中学生たちの通
 塾率は県の平均で50%程度まで低下していると聞きますし、安行地区・新郷地区では
 さらに低下しているようです。もしかすると、受験期まで家庭内で指導しているような
 英語教室的な補習塾に通う中学生たちの割合も多いのではないでしょうか。
  進学塾に我が子を通わせている保護者は、やはり塾の先生方に聞くのが一番だと思い
 ます。たいていの進学塾の先生方は、高校の雰囲気的な情報を持っているはずです。と
 いうか、その情報を持っていない塾は進学塾とは言えないと思います。
  では我が子を通わせていない保護者はどうするか? こういう方法があると思いま
 す。私立・公立を問わず、疑問に思われたことを電話で直接高校に聞いてみるのはどう
 でしょうか。もちろん前述の誇張というのは、たぶんあると思います。それはその高校
 の評価から差し引いて考えれば済むものだと思いますし、高校側の電話の受け答えか
 ら、我が子を3年間預ける価値のある高校かどうかを推し量ることもできると思いま
 す。そしてそうした積み重ねが、皆様なりの高校の決め方に役立つものになるのでは
 ないでしょうか。もちろん私でよろしければ、塾生に限らずメール等でお答えさせてい
 ただきますが、

    シローズアカデミー ホームページ で、塾の内容がご覧いただけます。https://sirozacademy.net


2013年7月20日土曜日

中3生「夏休みに何を勉強すべきか」

 本当は高校の決め方 その3「まとめ」を書かなくてはならないのですが、先日中3生の保護者の方と電話でお話をする機会がありまして…保護者の皆さんに、中3の夏休みに何を勉強すべきなのか(公立高校受験)について、ブログを書かせていただこうと思った次第です。
 結局、夏休みに「英語と数学」を中心に勉強するか? それとも「理科と社会」を中心に勉強するのか? という問題です。これは今後の成績を左右する問題だと思います。結論を言ってしまえば、シローズの考えは「英語と数学」です。それについて、書かせていただきました。


 だいたい11月の北辰テストの結果までは、私は塾の生徒の皆さんの北辰結果を見るとき3科の結果の方に目が行っているように思います。というのは公立受験が3月になり(平成26年度は3月4日となります)、数学以外の4教科とくに理科と社会に費やす時間が、私立入試以降にたっぷり?と取れますので、最終の北辰テスト(今年度は2月2日)の5科の結果は、かなり11月の北辰テストの3科の結果に近くなるとの予想によるものです。
 もう少し補足が必要かもしれません。注目すべきは数学の成績なのです。1学期の数学の成績(偏差値)ほど、信用できないものはありません。例えば1学期に70近い偏差値を取っているような子であっても12月や最終の2月の北辰テストで、60以下の偏差値を取ってしまう可能性があると思います。これが何に起因するものかと言えば、たぶんそれまでの学習の仕方だと思います。
 安行地区・新郷地区の中学校では、というよりも小学校から、算数や数学の授業は、先生の説明を中心に行われているように思います。確かにさまざまな学力の生徒が40人近くいる中では、それが集団授業唯一の方法だと思いますが、それでは数学力あるいは数学のセンスというべきものは絶対に身に付かないと思います。
 たとえばこんな生徒の数学の成績は、大きく下がる傾向があります。 数学の文章題を解くときに、ときどき例題を見ながら解く癖のある生徒っています。知能指数も高いのか、おそらくそうした家庭学習によって、中学の定期テストではたいてい90点以上の点数を取っている。そんな生徒が危ないのです。どう危ないのかと言えば、偏差値が急降下する可能性があります。たぶん10月か11月ぐらいに…。それにそうした中学生たちの場合、概して数学以外の成績も悪くはないはずですから、保護者の方もなかなか受験に対して不安をもちにくい。ということは、本人も受験に対して危機感を持ちにくいのだと思います。だからスタートが遅くなる。安行地区・新郷地区の中学生たちが、川口北校以上の高校になかなか合格できないという理由も、その辺にあるように思えてきます。またシローズがいま小学生の算数指導に重点を置いて3年生以上のクラスでSクラスを作り、かなり難しい算数の問題の指導をしているのもそうした理由によるものなのです。
 そして別のブログでも書かせていただいていることなのですが、英語と数学の入試で一番点数の差がつく部分の学習が、安行地区・新郷地区の中学校では終わらない、あるいは触れるだけで終わる状況がありますから、夏休み中に復習をしながら同時に予習をする必要があります。そうしたことを考えると、やはり5:2ぐらいの比率がベストであるように思います。つまり英語と数学が各5に対して、国語と理科と社会が各2の割合です。
 具体的に書いていきたいと思うのですが、まず塾の夏期講習会を取るかどうかということがあると思うのです。いま県内の進学塾(補習塾ではない、受験指導を専門とする塾)に通う中学生の割合は60%以下になっているという話があります。それを考えると、進学塾の夏期講習会を取る生徒とそうでない生徒に分けて考える必要があると思います。
 まず夏期講習会を取る生徒は、通っている塾の指導を信じて…しっかりと復習をする。この復習が何よりも重要だと思います。夏期講習の内容があるのに、それと同時に中学校で購入したあの教科別にあるあの分厚いテキストをやるというのはナンセンスだと思います。受験勉強で必要なのは、何種類かのテキストを使いこなす(悪い言葉で言えば「虫食い状態」にする)ことではなく、進んでは戻りながら1冊のテキストをボロボロになるまで使い切ることだと思います。とくに重点を置くべきは、「英語」では文章の暗記(文法事項の説明の例文はすべて暗記すべきです)、「数学」はやっぱり考えること(分からない問題を時間をかけて考えるべきです)だと思います。
 その他に時間がある場合はどうするか?
 「理科」は計算問題の薄い問題集がありますよね。1冊300〜400円くらいで、厚さ3ミリぐらいの問題集です。時間があればやるべきだと思います。「社会」では中学の歴史の教科書がありますよね。それを何回か読む。ただ読むのではなくて、歴史の事件と事件の関連性を考えながら読む。これは良い勉強になると思います。たとえばなぜ武士がおこったか? とか、大きな事件や事実には必ず理由があるものだと思います。教科書を読んで、ときには参考書や資料で調べながら進めていく。これは歴史の問題集をやる以上に、受験の力を持つ勉強に必ずなるものだと思います。
 「理科」の分野の生物や、「社会」の地理や公民はどうするのか? ということを気にする保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、それは年末ぐらいから、場合によっては私立入試が終わってから集中して勉強した方が効率がいいと思います。それらは暗記の要素が多い内容ですし、「英語」と「数学」でとにかくやらなくてはならない内容が多いわけですから、そこまで手が回らないと言うのが実情なのではないかと思います。
 最後になりましたが、では進学塾の夏期講習会を取らない人はどんな勉強をすべきか? これは非常に難しい問いだと思います。まず思うのは5教科各1冊ずつやる問題集を決めること。2冊以上でなく、必ず1冊を選ぶこと。そして1冊選んだら、他の問題集に目が移っても最後までその1冊をやり抜くこと。これが必要です。ただ問題というか、不安があります。一番の不安は、分からないも課題をどのように理解するかということです。分からない問題が出る度に、中学校に聞きにいく。これぐらいしか方法が無いように思います。それからやる気を夏休み中持続できるか? という問題もあります。
 あと概して、進学塾に通わない生徒は、入試平均点によって合否が左右されがちです。25年度入試(現高1生入試)のように平均点がかなり高い場合には、進学塾に通わずに自学習で入試を迎えた生徒たちにとっても有利な受験だったということがいうことが出来ると思います。来年度はどうなるか? それはまったく分からないことではありますが、関係者たちの予想は、平均点がかなり低下するだろうという見方がやはり支配的です。まだ夏期講習会の申込みをしていない方達は、その辺も考えるべきだと思います。



2013年7月15日月曜日

高校の決め方 その2「公立高校の決め方」



 7月の声を聞くと、今年も高校受験の時期が始まった感がします。夏休み中から、公立そして私立高校の学校説明会や合同説明会等が県内で開催されます。そこで今回は、公立高校と私立高校に分けていつ頃学校説明会に行き、公立高校であれば「いつの時点で最終的に志望校を決める」のがベストなのか? また私立高校であれば「いつの時点で確約をとる」のがベストなのか? ということについて、書かせていただこうと思います。つまり中3生とその保護者の皆さんが、どのような行程を踏んで高校入学までたどり着けばよいのか。それについてのシローズの見解について、お話をさせていただこうと思います。時期的に私立高校の方が早いために、先に私立高校について、あとで公立高校について、そして最後にまとめを書かせていただきます。

  

2. 公立高校

・夏休み中から、公立高校の学校見学会が開かれます。同時期に行われる私立高校の入試説明会等もあって、保護者の皆様の中には、夏休み中の学校見学や説明会の予定を考えている方も多いのではないかと思います。ただ、思うのです。夏休み中は学校見学などせずに1学期学習範囲までの徹底復習と2学期学習範囲の予習をした方がいいと、本当に思います。
 ご承知のように入試まであと7ヶ月とちょっと、入試問題を演習する期間を考えると、残った中3学習範囲を進めながら、同時に中3の1学期までの復習を行うには、この夏休みの時間の使い方がとても重要となります。とくに安行地区・新郷地区の場合、中学学習範囲の中での難解な単元のほとんどが、中学校授業でちょっとだけ入口を触れただけで終わってしまいますから、上位の高校を目指す生徒たちにとっては復習をしながら、同時に2学期以降の学習範囲の予習をしなければならない。とても高校の説明会等に行っている時間の余裕などないのが現状だと思います。
 ただそうも言っていられないと思いますので、以下の事に注意を払うべきではないかと思います。
 私立高校ほどではないのですが、公立高校側でも、生徒獲得のために、説明の上手な先生を全面に立たせて説明会を行います。前に立つ先生の説明に私立高校ほどの嘘は無いとは思いますが、その説明の内容がどこまで信用できるものかを考える必要はあるのではないかと思います。そしてもう一つ気になるのが、いつの時点の学力で志望校を決めるかということです。その1「私立高校の決め方」でも書かせていただいたのですが、1学期の模擬試験の結果では志望校を決められないと思います。ですからもしも見学会に出席するならば、現在の成績に合う高校ではなくて、お子さんが受験したい高校の見学会に出席すべきではないでしょうか。

 毎年の受験期に、シローズに来てくださっている中3生の保護者の皆さんと面接の場でお話をしたり、今年はFacebookやホームページを作らせていただいて、中3生の保護者とメールをさせていただいている中で感じるのは、ほとんどの保護者の方が1学期の北辰テストの結果や1学期の定期テストの順位で、もう夏休みを前にした今の時期に公立受験校の選定に入っているということです。このことに私は強い不安を感じます。なぜなら、当然中学学習範囲はまだ終わっていません。そして中3の1学期までに学習が終わった単元だけで、入試問題は作ることができないということです。つまり今現在の偏差値は、まだ大きく上下動をする可能性があります。5教科に渡って、それが言えるということです。
 数学を除いた4教科は学習の仕方によっては、まだまだこれから10近い偏差値を上げることが可能だと思います。数学だけは、今までの学習の仕方によって、大きく下がってしまう可能性がある。ですから今の偏差値が良くても悪くても、まだまだ志望校は雲の中に隠れて、現状では姿を見せていない状況だと言えることが出来ると思います。
 ではいつになれば、志望校が見えてくるか?
 たぶん11月の北辰テストが帰ってきた頃には、半分くらい姿を見せてくれると思います。この頃になると、中学校でも中学学習範囲のうち7割から8割程度までの単元の入口に入るはずですし、塾の授業でも、そろそろ入試問題的な総合問題の演習の入口に入れる状況になってきていると思います。ですから11月、12月の北辰テストの結果で受験候補校選びをして、そして最終的な受験校決定は、やはり最終の北辰テストの結果を見てみないと判定できない状況だと思います。
 今年度は、最終の第8回(入試直前テスト)北辰テストは2月2日に行われます。第7回の北辰テストが12月1日の実施(返却が12月13日)ですから、第7回と第8回は2ヶ月の開きがあるわけです。この2ヶ月は重要です。お子さんによっては、かなり大きなの偏差値の変動が出る可能性があります。
 2月2日に実施された入試直前テストは、2月15日に返却されます。その結果を見てから、最終的に志望校を決めるべきだと思います。その時期の決定で、まだ間に合うのです。参考までに、平成26年度入試の予定を下に書きますと以下のようになります。


 ・願書、調査書の提出  2月18日(火)、19日(水)

 ・志願先変更期間    2月20日(木)、21日(金)、25日(火) 




2013年7月10日水曜日

高校の決め方 その1「私立高校の決め方」

 7月の声を聞くと、今年も高校受験の時期が始まった感がします。夏休み中から、公立そして私立高校の学校説明会や合同説明会等が県内で開催されます。そこで今回は、公立高校と私立高校に分けていつ頃学校説明会に行き、公立高校であれば「いつの時点で最終的に志望校を決める」のがベストなのか? また私立高校であれば「いつの時点で確約をとる」のがベストなのか? ということについて、書かせていただこうと思います。つまり中3生とその保護者の皆さんが、どのような行程を踏んで高校入学までたどり着けばよいのか。それについてのシローズの見解について、お話をさせていただこうと思います。時期的に私立高校の方が早いために、先に私立高校について、あとで公立高校について、そして最後にまとめを書かせていただきます。



1. 私立高校

・シローズでは、以前からあまり早くから私立高校の学校説明会に行くべきではないので
 はないか。という考えを持っています。
 ですから、夏休み中に大会場で開かれる合同説明会に行くのはどうかと思います。夏休
 みは必死に勉強をして、成績を少しでも上げなければならない時期です。そのことを考
 えると、合同説明会に行くのは時間の無駄ではないか…。また夏休みということは、私
 立高校に持っていける資料が7月の北辰テストの結果だけです。まだ9月から12月の
 4回の結果が分からないうちに確約をもらってしまっても良いのだろうか? そうした
 思いがあります。

 ではいつから、私立高校の学校説明会に行くべきか? シローズではこれを10月の北
 辰テストが返却時以降と考えています。
 これは一つの考え方ですが、10月の北辰テストが返却された時点で学校説明会に行く
 高校を何校か絞り、親子で学校説明会に参加、11月の北辰テストが返却された時点
 で、学校説明会に行った高校の中から1校を絞り込んで個別相談に出席。 確約の約束を
 取り付けるというのが、ベストであると思われます。
  12月の北辰テストはどうするか? 12月の北辰テストを判定に使わない高校もあ
 りますし、あくまでも7月または9月〜11月の北辰テストにより取り付けた確約の約
 束の訂正用(11までの北辰テストの偏差値では「特進クラス」の確約が出なかった
 が、12月の北辰テストで成績が上昇したので、再度個別相談に行ったところ「特進ク
 ラス」で確約が出た)として考えるべきではないかと思います。
  先ほどから、私は何度か「確約」という言葉を使わせていただいています。埼玉県と
 都内北部の私立高校は、併願&単願の推薦入試(1月22日〜24日)として、県内の
 中学生たちを受験させています。一般入試(埼玉県内が2月4日〜5日頃、東京都内が
 2月10日頃)ではなく推薦入試ですから、受験前に合否を教えることになっていま
 す。受験する私立高校と受験者の間で合格の約束をするわけです。これを「確約」と言
 います。ただし「確約」が存在するのは紛れもない事実なのに、表向きには「確約」は
 存在しないことになっています。高校受験は、大人の理屈が通用する場なのですね。だ
 から表向きには存在しないものが、実際には存在している。大部分の保護者の方には理
 解のできない世界だと思います。
  本当に「確約」が取れているのかどうかの確認には、保護者が「こちらしか私立高校
 は受験しないつもりなのですが、大丈夫でしょうか」などと、お聞きになってみて、
 「大丈夫でしょう」的な答えが出れば、「確約」がでる。つまり不合格はないと思いま
 す。「確約」は単願でも併願でも出ます。それだけではなく、2校でも3校でも出ま
 す。もしも「確約」をもらったのに、受験をしないときはどうすればよいか? 大丈夫
 です。私立高校側も受験しない生徒の分を考えて「確約」を出していますから、電話な
 どする必要はありません。以前に県内の私立高校の先生とお話をさせていただいている
 ときに、今年はなぜか安行地区のとある中学校の保護者から、「確約」をもらったのに
 受験をしなくなったことについてのお詫びのお電話が後を絶たない状態で困り果ててい
 る…という話を聞いたことがあります。
  「確約」の基準は、北辰テスト等の偏差値または中3の1学期の通知表です。ですから
    個別相談のときには、北辰テストの結果と通知表を持っていく必要があります。通知表
 の評定で「確約」が出た場合には、高校によっても異なる場合がありますが、学校推薦
 書または校長推薦書の提出によって「確約」となります。また北辰テストの結果で「確
    約」となった場合には、自己推薦書または保護者推薦書を提出することになります。  
  ここで注意すべきは学校推薦書(校長推薦書)の方が自己推薦書(保護者推薦書)以
 上に強い「確約」のように考えがちではありますが、全く差はありません。むしろ中学
 校の評定が相対評価から絶対評価になり、学力とは違う尺度となってしまっているため
 に、むしろ北辰テストの結果(偏差値)の方で合否を決めたいという私立高校側の意志
 が働いているように思います。




2013年6月30日日曜日

今年の「夏期講習会」について


 今年も夏期講習会の季節になりました。
 毎年そうなのですが、今年もシローズの生徒の皆さんの状況、そして安行地区・新郷地区の中学生の皆さんの状況を私の頭の中に入力し、そして何度もリターンキーをクリックして、頭の中にイメージとして出来上がったのが今回の夏期講習会の内容です。塾生と見学に来ている生徒たちには案内を配布中ですが、指導によって目指す内容の詳細について、案内では伝え切れない点がありますので、以下にまとめさせていただこうと思います。

「小学生算数ゼミ」
・第一期の夏休み(7月22日(月)〜 7月31日(水) )の期間、ほとんど毎日講習を行いますので、生徒である各子どもたちの精神的な状況を見ながら、いろいろな話をしながら進めていきます。
 クラス定員は4名までとします。それ以上の受講希望者がいた場合には2クラスに、さらに希望者多数の場合(そんなに希望者はいないと思いますが、)には、16時20分から開始ということもちょっと頭にあります。

「小6算数Sゼミ」
・一番やりたいのは、1学期の学習範囲の復習です。
 「答え合わせ」そして「家庭での直し」という、履修生徒たちがやってきた1学期の学習範囲の中で、「もう一度説明を聞きたい問題」というのがきっとあると思うのです。それをもう一度説明し、あるいはヒントを伝え、もう一度「家庭での直し」をしてきてもらう。そしてテキストを進めることも…。ただし履修する生徒によって、内容は変わります。

「中1復習クラス & TACゼミ」
・中1復習クラスとTACの生徒たちとSクラス生たちの成績の違いは、たぶんそれは家庭学習の習慣の有無のせいなのだと思います。その思いからこの講習の発送はスタートしています。できれば家庭学習をしてもらいたいのですが、もしも家でほとんど勉強をしなかったとしても、塾で先生について行う 2時間 × 16日(英語8回 + 数学8回)の時間は決して裏切らないと思います。行う内容は、1学期学習範囲の復習です。

「中1・中2テストゼミ」
・内容は8回のテスト(英・数・国)とその翌日の解説の内容です。テストは中1生が1学期から2学期学習範囲までの模擬試験問題、中2生が1学期学習範囲までの内容のものを使います。毎回の順位も配布し、解説授業の復習を宿題として出します。テストゼミのメリットは毎回自分の順位が確認でき、それが学習意欲へとつながること、そしてもう一つがこの単元はこの解き方をすれば良いという頭の準備が通用しないことだと思います。

「中3ゼミ」
・安行地区・新郷地区の中学校は中3授業が全て終わらないうちに受験、そして卒業式を迎えます。塾で総合問題を行う冬休みまでに、中3学習範囲を終わらせる。そのために塾使用テキスト(英語・数学)と講習テキスト(理科・社会)を使ったテキストゼミと、上記のテストゼミ(中3生1学期学習範囲までの模擬試験問題使用)を合わせた講座です。テストゼミでは、上述のメリットを期待したいと思います。

「中3TACゼミ」
・本当は全員でテストゼミとテキストゼミをしたいという気持ちがあります。でも中3生の中には、それ以前の生徒の皆さんて、たぶん多いと思います。ルートや因数分解よりも中2範囲までの計算を、to不定詞よりもbe動詞や一般動詞を…etc、という中3生の皆さんのクラスです。授業日と授業時間、そして指導科目は、生徒の皆さんと相談させていただきます。

 以上が夏期講習会の内容です。夏休みは期間がありますから、夏休み前の学力と夏休み後の学力では別人になれる…、いや別人にまではなりませんが、今年の11月か12月になったときに別人のような学力になった生徒がいたとして、その生徒の成績上昇に一番役立ったのが夏期講習だったということは言えると思います。また詳細については、メールや電話等でお答えします。ぜひお問い合わせください。


2013年6月22日土曜日

「中1復習クラス」のはなし


 

このところ中1Sクラスの話題ばかりを書かせていただいているような気がします。確かに彼らは私にとって、気になる生徒たちではありますが、中1生のクラスにはもう一つのクラスがあります。今回はそのクラスについて書かせていただきたいと思います。
 お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、シローズには中2生と中3生にあるfクラス(補習クラス、市立川口高校レベルまでの高校を目指す生徒のクラス)が中1にはないのです。中1生のクラスにはその代わりに中1復習クラスがあります。
 中1復習クラスは、他のクラスとは違って、テキストが教科書準拠のものを使っています。本当は他のクラス同様、偏差値を上げることを目的としたテキストを使いたいところなのですが、家庭学習が定着していない状況では、むしろ中学授業の予習と復習をした方が効率的なのではないか…。そうした思いから、教科書準拠のテキストを使うことにしています。
 ただ実はいま、この中1復習クラスが問題にぶち当たっています。その他のクラスで使うテキストよりも時間が掛からない(少ない時間の家庭学習で授業が成立する)はずの教科書準拠のテキストが進まないのです。理由は一つ、生徒である◯△と◇△ちゃんが家庭学習をほとんど行わずに、週2回の授業中だけで問題を解くわけです。当然、彼らの進度は中学校の授業よりも遅れがちになってしまいます。そんな状況が、ここのところずっと続いていました。
 はじまりは◯△との会話でした。その日はもう一人の◇△ちゃんが休みで、教室の中は彼と私だけでした。私の授業はたいてい生徒との会話で始まります。その日もたあいのない話から始まったように思います。私が彼に言いました。
  「ねえ、もっと早く来れないかな?」
 彼はここのところ、毎回5分から15分ほど遅刻することが続いていたのです。
  「たぶん、来れる…」
  「じゃあ、今日はなんで遅刻したの?」
  「明日部活の大会だから、今日は用意していたから」
 彼らしい、悪気が少しもないような言葉でした。僕は気づかぬうちに微笑みながら、彼に言いました。
「明日の用意をしてから塾に来るのは、小学生じゃないかな。◯△(彼の名前です)は中学生なんだから、塾が終わってから用意をしないとダメだよ」
「分かった」
 確かに、彼はそう言いました。私が自分の耳を疑いました。いつもの彼は、私からの注意に近い言葉を受けたときに、黙り込むことが多かったのです。何かが彼の中で化学反応をし始めた…、そのときにそんな驚きを感じていたのです。そんな彼に勇気づけられた私は、確か前に断られたことのある言葉を口にしていました。
  「◯△(彼の名前です)、月曜日から木曜日まで塾に来ない」
 私は、黙っている彼の反応を見ながら、言葉を続けます。
  「◯△(彼の名前です)は家で勉強をしないから、あんまりテキストが進まないじゃない。英語も数学も中学校よりも遅れているでしょ。それで考えたんだけど、月曜日から木曜日まで塾に来て勉強したらどうかと思うのね…」
 私は時間割を思い浮かべながら、月曜日と水曜日の中1復習クラスと生徒が一人であるTACの授業を合わせたらどうだろうか。もちろんTACの生徒である○○にも、月曜日と水曜日の中1復習クラスにでてもらうことにしよう。
 私の前で、彼が口を開いています。
  「うん、何時にどこにくればいい?」
  「来たら、事務所に来て」
 実は、話はそこまでだったのです。授業中ですから、私は彼に問題を解いてもらいながら、その解説とマル付けをしていました。

 翌日の授業の開始時間に、彼のお母さんからお電話をいただきました。今日も塾に行くと行って、その日の朝中学校に出たそうです。部活の大会が長引いているのか、まだ帰って来ない。今日は休ませますが、明日は行けると思いますのでよろしくお願いしますとのことでした。そして彼は授業日ではない木曜日も塾に来ました。いつもの遅刻もいまのところなくなりました。彼の中で、やっぱり何かが変わりはじめたのだと思います。もうすぐ中学校では期末テストが行われますが、たぶんテストの点数も中間テストよりは上がってくると思います。
 Sクラスの生徒たちとは違い、復習クラスは成績が真ん中付近から下の生徒さんたちを対象としたクラスです。たぶん中2f、中3fクラスも含めて、安行地区・新郷地区の中学生たちにとっては、より必要性の高いクラスだと思います。そして私も含めてシローズの講師たちは、Sクラスの指導とは180度違う指導を求められます。もっと生徒たちにとって身近な存在にならなくてはいけないと思いますし、何よりもどんな生徒にも可能性があることを決して忘れてはならないと思います。そして彼らは逆に、講師である私たちにときに教えてくれるのです。やっぱり僕を(私を)諦めないで良かったでしょうと…



2013年6月16日日曜日

「一人の少年が浦和高校に入るということ」


 

シローズを始めてから、塾長である私の頭に常にあるのが、小学生のときにたくさん遊んでいた元気な少年少女たちに、たくさん勉強してもらって浦和高校と浦和一女に入ってもらうこと、それともう一つがテキストを開くことを忘れてしまった小学生や中学生たちに、もう一度勉強する大切さを知ってもらって、出来るだけレベルの高い高校に入ってもらうこと。その二つがいつも私の頭の中にはあります。

 今回は前者の浦和高校と浦和一女に入るということについて、書かせていただきたいと思います。今回も安行地区と新郷地区の小中学校に通う児童・生徒の場合という注釈付きです。それから男子生徒と浦和高校という設定で書かせていただきますが、男子生徒を女子生徒に、そして浦和高校は浦和一女に変えることが出来ると思います。では始めます。

 すごく能力がある(ここでの能力はいわゆる頭の良さの指数である知能指数と呼ばれるものではなくて、精神年齢が高いと解釈してください)生徒がいたとします。塾に来てくれてしばらくたった頃から、彼と私の間に浦和高校という共通目標が出来たように思います。確かに彼は努力をしていました。成績も徐々にではありますが上がってきました。ただときどき、軌道修正が必要となるのです。私の仕事は塾で彼に算数そして数学を教えることですが、次第にその軌道修正の役割の方が多くなっていきます。
 何のための軌道修正なのかと言えば、もちろん他の高校ではなく浦和高校に入るためです。ではなぜ軌道修正が必要なのかと言えば、結局安行地区・新郷地区の小中学校の常識が、彼の学習姿勢を乱していると感じることがあるからです。とくに中学に入学して、中学生としての生活が始まってからは、そう感じることが多くなりました。具体的に言えば、どこまで考えて答えを出すかという作業です。ここでは問題を考えている時間はあまり関係がないかもしれません。むしろ量ではない質が気になるときが増えてきました。宿題はほぼ彼の中では完璧にやってきてはいますが、ときどき私にはその質が気になってしまって、不安になってしまうことが増えてきています。
 たぶん彼が悪いわけではないと思うのです。彼は有意義な中学校生活を送ろうと努力をしていたのだと思います。でもこの中学校での生活が、彼の家庭学習の質を彼が気づかないうちに下げてしまうことが頻繁に起きるようになります。
 そんなときが、私の軌道修正を彼が必要としているときなのだと思います。私は彼の軌道修正をどのタイミングで行えば良いか? 私はタイミングを図ります。たいていは授業中に、何度かそのチャンスがやって来ます。私が何度目かのチャンスに、彼に対して言葉をぶつけます。私の口から出た一言に、彼はまず当惑します。それだけではなく、「僕は一生懸命やっている」という反論を、私に対して返してくるときがあります。今度は私がその言葉に対して反論します。彼の頑張りを認めながらも、いまの頑張りは浦和高校に入れるような頑張りではないのだということを真剣に話します。彼が私の話を理解しようとするのは、その頃になってからです。
 たいていのこうした軌道修正で、私が使う言葉は、私の気づかぬうちに一つのポイントを利用していることが多いような気がします。それが浦和高校の合格者平均偏差値と彼らの通う中学校の平均偏差値の関係です。

 安行地区・新郷地区の中学校の平均偏差値は、年によってまた中学校によって異なると思いますが、たいていは43〜45、高い年であっても47〜48まではいっていないと思います。これには根拠があって、受験実績もそうですし、塾の授業中に生徒たちから伝わってくる中学校授業の説明レベルが公立入試問題に対応し切れていない、もっと率直な言い方に変えれば、偏差値50付近以上の高校に合格できる入試得点を取ることのできる授業レベルにないと言えると思います。つまり中学校の授業の予習と復習だけで、入れる高校としては県陽高校以下のレベルの高校になってしまっているのではないかとの思いにも繋がります。

 話を戻します。中学校の平均偏差値が43〜45だとしたときに、浦和高校の合格者平均偏差値は平成24年度の実績で70.8(浦和一女は69.6)ですから、中学校の平均よりも25以上も高い偏差値を取る必要が出てきます。その部分で、私は彼に聞くのです。
「今の勉強の仕方で、中学校の平均よりも25以上高い偏差値が取れると思う?」
 この種の質問を、手を変え品を変えながら彼に問います。そして彼に、いま自分が何をすべきかを考えてもらいます。結局はその繰り返しだと思います。そうした彼と私の試行錯誤の中で、彼は徐々に成長していくのだと思います。

 もしも彼の人間的な成長がなければ、浦和高校は確実に遠ざかるのではないでしょうか。逆に悩みながらも、ときには疑問を持ちながらも私の話を真剣に聞き、浦和高校を目指してくれたとすれば、浦和高校は着実に彼の方へと近づいていくはず。そして彼も浦和高校に似合う生徒となっていくはずです。それが安行地区・新郷地区の小学生と中学生たちの浦和高校への入り方なのだと思います。




2013年6月10日月曜日

「高等学校の合否の決め方、頑張れ中1S生」




 1学期の中間テストが終わり、全教科が返されて、たぶん来週には学年順位が発表されるだろうと思われる先日の金曜日、中1Sクラスの授業中に見せる生徒たちの様子が気になりました。
 いつもと様子が違うのです。なんだか生徒全員に元気がない。いつも元気で、授業の始まる前にはみんなでうるさい程おしゃべりをする彼らが、この日はいつもよりも静かに感じられましたし、授業が始まってもやっぱりいつもとは違うように思えました。AちゃんとBくんがひどく眠そうでしたし、Cくんもとくに初めのうち元気がないように見えました。

 これは私の想像なのですが、中間テストの成績が自分たちの想像よりも低かったために元気がない、あるいは次の期末テストのために睡眠時間を削って家庭学習を始めているのかもしれない。そんな思いがしてきました。今週の授業でも様子が変わらなければ、保護者に連絡を取らせていただきたいと思っていますが、彼らにとっては中学の定期テストの成績が、高校受験の合否を決める最大の要素になっているのではないかと考えているのかもしれません。これ自体、間違えではないと思いますが、正解とは言えないのですね。実はそのときにも少し話したのですが、授業中ということもあって、余り長く話すことが出来なかったものですから、今日は高校受験の合否がどのように決まるのか? ということについて、書かせていただこうと思います。

 まずは私立高校です。いまほとんどの私立高校は、入学試験の前に合否を決めています。ほとんどという言葉を使ったのは、入学試験で合否を決めている高校もあるからです。でもそれは、早稲田・慶応・立教等の有名大学の付属高校と超有名高校に限定されていると思います。都内も含めてその他の私立高校は、中学校三年の1学期の通知表の評定か、7月から9月、10月、11月位までの北辰テストの偏差値で内定者(受験の場でこの言葉は使われていません。個別相談の場で、「私立高校はこちらしか受験しないつもりなのですが大丈夫でしょうか」とお聞きして、「大丈夫です」と言われれば、ぼほ100%合格です)を出しているのが現状です。注意すべきは、どこの高校でも中学の通知表の評定を見せることが出来るのですが、上位の私立高校ほど偏差値の方を重視しています。

 次に公立高校ですが、川口市内の中学校はなぜか「内申点」や「資格」を重視して、北辰テスト等の模擬試験の偏差値を軽視する傾向があります。実は今年からさいたま市では、市内で中3時に数回行われる校長テストと内申点等により、各高校別の合否が分かる相関表の冊子が各中学に配られているそうです。ただ川口市の校長会は、個人情報の問題を理由に製作を取りやめたと聞いています。ですからなおさら、お子さんの志望校を決定するときには、注意深く熟慮する必要があるのではないでしょうか。

 シローズでは、今年から次のような志望校判定をするつもりです。
 高校別に標準内申点(これは一般的な受験用語ではなくて、私の造語です)があります。これは高校別の合格者平均偏差値(塾生が北辰テストを受験している塾に、前年の各高校の受験結果をまとめた冊子が北辰図書から配布される。その冊子に男女別に記載されている)で合格できる内申点です。そのもしも塾生Aくんが標準内申点よりも2ポイント低ければ、偏差値を数ポイント上げる必要があります。実はいま、シローズでは前述の標準内申点と合格者平均偏差値の相関表を作成中なのですが、その一部を下に表しますと以下のようなものになります。

  高校名          標準内申点     合格者平均偏差値            上段内申点
                                             下段偏差値

  川口高校                 26                            52          23 24 26 28 30 32
                                                                                     54 53 52 51 50 49

   市立川口高校           29                            57                     32 30 29 28 26
                                                                                          55 56 57 58 59

   川口北高校               35                            62                     38 37 36 35 34 33 32
                                                                                          59 60 61 62 63 64 65

 表中の数値がボーダーラインだと考えていただきたいと思います。ここで注目していただきたいのは、表の上段に書かれた内申点です。おそらく中学校の受験指導の影響もあって、安行地区・新郷地区の保護者の方たちが、考えている以上に低いのではないでしょうか。この辺を熟慮して志望校を決める必要があることも指摘させていただきます。

 資格や生徒会活動はどうなのか? 塾の過去の受験生たちの状況を見ると、まず資格は英検の準2級、漢検の2級以上も含めて、加算される得点がそれほど高いわけではないようです。英検3級等では、なおさらだと思います。資格を取るための労力と時間を考えると、その分偏差値を上げる勉強をした方がいいのではないか。そんな意見が出てくるのも当然かもしれません。部活の部長等も同様でしょう。ただし生徒会の役員は別格のようです。ただし生徒会の役員になると、かなり帰宅の時間が遅くなるようですから、その辺のプラスマイナスは考える必要もあると思います。また資格を取るための労力と時間を考えると、その分偏差値を上げる勉強をして、偏差値アップを目指すべきではないかとの見方も出来るかもしれません。

 安行地区・新郷地区の中学生にとって、もっとも心配なのが偏差値ではないでしょうか。合否を考えるとき、最も合否に影響を与えるのが、当日の入試で何点取れたかだと思います。それを図るのが、北辰テスト等の模擬試験の偏差値です。
 ご承知のように、安行地区・新郷地区の中学校の平均偏差値は、ここのところ43から45くらいではないかと言われています。実は中1生たちに話したのが、この問題なんです。つまり学年1位を目指して内申点の満点である45を目指すと、当然偏差値は下がる傾向にある。もちろん稀に偏差値70以上で内申45の生徒もいるようですが、その生徒は努力をして勝ち得たというよりも、知能指数による勝利なのだと思います。一般的な知能指数(少し高めの生徒も含めて)の生徒では、必ずどちらかが低下するものではないでしょうか。ですから、その辺を考える必要があると伝えたかったのです。
 今までの経験から、定期テストの2週間前までは塾の勉強をして偏差値アップを目指す。2週間前からは塾の勉強を止めて、テスト勉強に集中する。それが安行地区・新郷地区の中学生にとっては、ベストの学習方法だと思います。ですから中学校の授業中に覚えられることは、やはり覚えてしまうべきです。家庭学習は英語の予習復習と宿題だけに絞るべきだと思います。あとは塾の予習復習と宿題をやって、偏差値を上げましょう。それで浦和高校や浦和一女に入れるか? 大丈夫です。シローズの先輩たちが入れたのだから、あなたたちも入れます。