2018年6月25日月曜日

蕨と浦和西の話2018.6

こんなことばかりを書いて、一体何の役に立つのだろうか?
あまり物事を否定的に考えない…ことを常としている自分であったとしても、やはり頭の中で、どうすれば元気な中学生たちを蕨や浦和西に合格してもらうか? そればかりを頭の中で考えてばかりいる自分は、この地域の保護者たちにとって、奇異な人間に映ってしまうのではないか? そんな思いを最近持ち続けている。

だって、例えばシローズに一番近い安行中の場合、蕨と浦和西の2校以上の高校に合格できる生徒の数は、たいていは5人程度ではないか。一番少なかったのは、確かいまの高校2年生の時で、その時はわずか3人しかいなかった。
それが現状であるのにも関わらず、僕は絶えず「どうしたらその2校に、塾生を合格させられるか?」ということばかりを考えている。
それで実際はどうなっているのか?と聞かれれば、様々な壁にぶち当たって、現高1生まではやはりごく数人しか合格者は出ていない。
でもいまシローズに来てくれている1年生と2年生をそれぞれ、頭の中で思い浮かべた時、半数以上の生徒に合格の可能性を感じてしまうのはなぜだろう?
それが僕の幻で、これから訪れる様々な障害物によって夢破れてしまうものなのかもしれないし、意外に生徒たちの持つ素直さとひたむきさによって、簡単に叶うことなのかもしれない。

どこの高校を受験し、どこの高校に入るのか? ということは、僕の管轄などではなく、保護者と生徒自身に決定権があるのは分かり過ぎるほど分かっていることではあるけれど、学力の低下と地域格差によって、保護者自身が我が子の進学先を入り易い高校に求めて、合格時に良かった良かった…と大喜びし、そしてその時点で我が子の可能性は小さくなってしまっているのにも関わらず、その後の我が子の人生に大きな期待を寄せようとする様には、やはり異様な世界を感じてしまう自分がいる。
だから僕は、これからもシローズに来てくれている元気な中学生たちを、蕨や浦和西に入ってもらう方法をいつも考え続けるのだと思う。


この地域に住む、我が子を中学校に通わせる保護者たちが、安心して通わせられる高校はどこなのだろう?と考えてみると、浦和西と蕨の2校が思い浮かぶ。
それより高いとやはり学習面で付いて行くことへの不安があるし、またそれよりも低いと、その後の人生の職業選択等のことで、諦めなくてはならないことが多く起きてしまう可能性が出てきてしまう気がする。それにこの2校は、これから先の高校入試の変革を考えたとしても、おそらく小学校の時代に特別な学習の経験がなかったとしても、中学入学後の学習だけで合格できる可能性の高い高校である。
もしも中学入学後の学習だけでは入れない要因があるとすれば、それは家庭内で話される言葉のボキャブラリー数が極端に少ないか、小学生の時期に読書の経験がほとんどないか、あるいは家庭内やその生徒自身に何らかの問題がない限り、この地域の中学校に通うほとんどの生徒たちにとって、合格の可能性があるものだと思われる。

この地域で、この2校への合格者がなぜ100人に数人という数字しか出ていないのかといえば、それは何が標準なのか?との解釈が、この地域の場合、国の標準から大きく逸脱していることが原因なのだと思う。なぜ国の基準から逸脱しているのかといえば、子供たちの「何が正しくて、何が間違っているのか?」を認識する判断の基準が、小学校入学後から標準の認識からずれてしまっていることが原因だと思う。これについては、保護者をも含めた周りのおとなたちの責任も大きいはずだ。
でもそうした子供たちであったとしても、理想的な指導者に出会ったときに、その指導者の熱意をしっかりと受け止めようとする…素直さがあったとしたら、そして受け入れたことをしっかりやり遂げようとする…ひたむきさがあったとしたら、きっと状況は変わってくると思う。それが叶ったとしたら、前述の2校はかなり合格に近づいてくるものと思われる。

ご主人が官僚で、しかも我が子が有名私立高校に通わせている私の知り合いは、例の国会に招致された官僚たちの問題を、受験勉強の成れの果て…との言葉で話していた。
きっとそれくらい、どこの学校に入学するか?ということが、その人間の人生に大きく影響を与えてしまうものだと思う。考えてみれば、関西の超有名進学校は大学の合格実績は ◎ であるものの、やけに利己的な生徒ばかりを輩出するきらいがあるという噂は聞いたことがあるし、一部の私立の中高一貫校でも、中学からの入学者よりも高校からの入学者に可能性を感じる…と言い放つ学校関係者は意外と多い。こうした学校では以前から何を問題にしているのかといえば、小学生からの、目の前に吊るされたニンジンを追いかけろ…というような異常な受験勉強によって傷んでしまった心をケアーし、たくましく成長させるためには、学校独自の文化に立脚したノーハウが必要だということだと思う。そしてそうした学校文化を持つ進学後はかなり少ないのが現状のようである。

では、小学校の時代に異常な受験勉強をして来なかった子供たちの受け皿となる公立高校はどうかというと、ここにもやはり問題が渦巻く現状がある。
市内の公立高校を見ても、偏差値50を少し超えたある高校では、学校全体が生徒たちに誇りを持たせることを高校の教育方針にしているようで、生徒によっては自らに対する社会の評価に即したプライドを持てずに、大学進学後の進路選びで苦戦している卒業生たちが多くいるようである。
60近いもう一つの方はというと、やはり進学校という旗を掲げながらも、以前から続く商業高校の文化が色濃く残っているようで、市内ナンバーワンの高校に近づくにはまだまだ時間が掛かるのではなないか。
そうした状況を考えると、やはり浦和西と蕨という2校は、私には光って見えてくる。まずこれまでにたくさんの卒業生たちが作ってきた文化がある。そしてここが大切なところなのだと思うのだけれど、2校は極端な進学校ではない。
蕨高校の場合、最新の進学実績には国公立大学現役合格81名とあるが、合格者の人数が多いのは埼玉大学、埼玉県立大学、首都大学東京といったところで、その他の合格大学はほとんどが地方大学である。そして早稲田、慶應、上智の合格者は30名ほどしかいない。日大と東洋の合格者が一番多くなっていることから、日東駒専レベルがある程度合格保証できるレベルというのが、蕨高校のレベルなのだと思う。そして蕨高校の合格実績よりも1割から2割ほど合格者が少ないのが浦和西の状況のようである。

かなり前から高等学校の予備校化…との問題が叫ばれている。高校側が極端な進学実績を上げようとすることによって、人間形成をする上で本来とても大切な時期であるはずの高校教育の場が、教育とは無縁の予備校のような場になっているとの指摘である。おそらく前述の2校には、そうした問題はないだろう。たぶんたいていの保護者たちがイメージする高校生の生活の場が、この2校にはあるのではないか。
そして卒業後は生徒のほとんどが大学生になると思うが、社会の中で平均的な幸せを得るという片道切符をほとんどの場合、卒業生たちは得られるはずである。我が子が受験勉強の成れの果て…でもなく、わずか大学卒業の年に社会の中での自分に対する評価と、自らのプライドとのギャップに苦しむことのない人生を送るには、やはりこの2校がちょうどいい塩梅なのではないか。

いま僕は、シローズに来てくれている出来るだけ多くの生徒にこの2校に進学ができないものかと考えている。3年生はもう時間的に難しいように思われるが、1年生、2年生にはまだ時間がある。そして2校への受験と合格のためには、学習の時間という絶対量と、生徒の気持ちの部分がどうしても必要になってくるのだと思う。

ではこの地域の中学生たちが、この2校に合格するためにどれくらいの勉強をすれば良いかと言えば、シローズであれば、中1で4日、中2で5日、中3で毎日という学習量だと思う。
3日、5日、毎日というのは、彼らが1週間に授業も含めて塾で学習する日数である。中1は夜9時まで、中2・3は夜10時までという時間である。
部活を終えて、そのあとの塾という生活を心配する向きももちろんあると思うが、中学生たちの体力というのは、きっとこうした生活にもある程度は対応できるはずである。それに塾に来なかったとしても、彼らはテレビにゲームと携帯という生活の中で、12時頃近くまでは床に付かない子たちが多いのではないだろうかと思えてくる。

生活の中での優先順位の一番か二番を塾での学習において、素直さとひたむきさを持って臨んでくれれば、そして保護者の皆さんが、我が子の思いに答えようとする意志さえあれば、蕨と浦和西の2校は決して遠い存在ではなくなるのではないか。
もちろん細かなことはたくさんある。英語と数学をどんな風にどれくらい勉強してもらうとか、もしも読解力が弱ければどうするか?など、きっと小さな軌道修正の連続となるであろう。でもその生徒にこちらの話を素直に受け止めようとする力と、毎日ひたむきに頑張る気持ちさえがあれば、2校を合格圏に入れることは、決して不可能ではないと思う。ここで警戒しなくてならないのは、もしかすると保護者たちの批判癖なのかもしれない。

シローズアカデミー ホームページ で、塾の内容がご覧いただけます。https://sirozacademy.net

2018年6月16日土曜日

英語でなく、国語の世界2018.6

いまの高校1年生から大学入試が変わる。
よく言われているのは、センター試験がなくなり、英語では民間の試験が導入されるという。ここで言う民間の試験には、「書くこと」、「読むこと」、「聞くこと」だった現行の試験に「話すこと」が加わるという。その影響からか、英会話をメインとする塾に通う小学生たちが増えてきているらしい。
ただ具体的にどんな問題が出てくるのか?ということに関しては、高校の進学担当の教員や、予備校等で教鞭を執る一部の人たちにしか分からない。いや想像できない…というのが現実ではないか。小学生や中学生、そして現高校1年生の我が子を持つ一般的な保護者には、???…というのが正直なところだと思う。ただ今回の大学入試改革は、非常に大きな改革であり、その後に小学校や中学校の指導要綱が変わることからも、わずかな変化などではなく、もしかすると、これまでの「勉強ができる」という言葉の意味を変える変革になる可能性がある。

主に高校受験の生徒たちに学習を教えるシローズでも、やはり塾長はかなりこの大学入試改革に敏感になっている。今年から一部のクラスで、英語の授業の時間を倍にしてみたり、夏期講習で国語の授業時間を増やしているのも、そして来年からは小学生の英語クラスを新たに作る準備をしているのも、この大学入試の変革が高校入試に影響を与えるであろう…変化と、一般的に言われる「勉強ができる」という言葉の意味に変化が訪れるであろうことを見越してのことだ。
では高校入試の場において、何が変わるのか?というと、まず問題文が複雑になり、その量が増えてくる。国語だけでなく、国語力とは無縁だったはずの数学や理科そしてある程度は関係していた社会まで、問題文の量が増え、文章が複雑になってくる。
あと英語において、入試問題中の高得点を取るには、どうしても語彙力(ごいりょく)が必要になってくる。問題中の長文が長くなったり、より長文自体が複雑になったことで、単に知っている単語の数ではない…広い理解が必要となってきているように思う。

それと中学校の学習範囲ではない時事的な問題が出される可能性がある。例の日大のアメフト部の問題に絡めて忖度のことだとか、国会で審議されている…18歳成人についてなどということが県入試に出されるかもしれない。それも受験生たちに、それについての意見を述べよ…的な種類の問題が出される?。
例えば国語の作文で、AI(人工知能)についての意見を述べよ。とか、この種類の問題は英語の英作文や社会の問題で出される可能性があるし、数学や理科でもAIに関連した内容が出される可能性は大いにあると思う。
そのためにはご家庭でどのくらいの時間、NHKのニュースを見ているのか?などということが高校受験の合否に関わってくると思うし、例の英語の語彙力や国語の読解力のためには、ご家庭の中で話されるボキャブラリーの豊富さなどということが問われてくるのではなないか。
シローズでも塾長としては、もうテキストの解答を読み上げるだけの講師はいらないと思っている。解答に関連して時事問題を説明し、それに対する質問が聞ける。あるいは講師がそのタイプでないとしたら、生徒たちの心の声に耳を傾けるような講師が必要となってくるのだろう。

結局のところ文科省や知識人と呼ばれる人たちは、学校教育を社会に出てから役立つ内容に変換することを考えているのだと思う。そしてこのことは、かなり大きな変革になる可能性がある。
どうしても気になってしまうのは、社会の動きに敏感反応できるご家庭の子だけが流れについて行くだろうし、それとは反対に社会の動きを敏感に読み取る力がないご家庭では、子供たちは時代に取り残されてしまうのかもしれない。塾にも同じことが言えるのだろう。これまでのように安易にテキストを進めるだけの塾は生徒を大いに減らすだろうし、安易に教えたいことだけを教えるようなな塾も同じだろう。世の中の流れを敏感に感じ取れる塾だけが、生徒を集め続けることになるのではないか。
やっぱり国語なのだと思う。国語力でもなく、子供たちの日本語の語彙力を形成させる環境がどうしても家庭には必要となってきている。日本語の語彙力が英語も社会も、関連が薄いと思われがちな数学や理科であっても、かなり必要になってくるはずである。
埼玉県では、英語のリスニングや英作文、そして国語の作文の配点が上がってくると思われるが、大学入試とは違って、「話す力」を問われるまでにはまだまだ時間が掛かるはずである。
ということは、小学生たちが習う英会話にどれだけの価値があるのか?ということが、やはり疑問になってきてしまう。リスニングは高校入試の場で問われてはいるものの、いま問われているのは英語に親しむことでなくて、英語の語彙力の方だと思う。その語彙力を身につけさせるのに必要なのは、日本語の言葉の数ではないだろうか。
それを思う時、ご家庭の判断の重みをどうしても考えてしまう。

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2018年6月1日金曜日

「志望校合格2018.6 中3の11月までは英語と数学に集中する」

来年の228日木曜日に、いま中学校に通う中3生たちの公立入試が行われる。誰もが合格することを望み、不合格となることなど少しも望んでいないはずである。
ではどうすれば合格できるのかというと、ただ学習時間を増やせばいいというわけでもなく、何の教科にどんな内容の学習をどんな風に行っていくのか?ということが重要になってくるのだと思う。とくにいまは、小学校からの学校授業が2020年の大学受験改革に向けて動いている時であり、昨年の入試では川口北以上の受験者たちの入試問題である選択問題の英語で、大きく難易度を上げた。でも考えてみると、数学はゆとりの教育が定着した15年以上前からかなり難易度と問題の視点を変えてきている。他の教科はというと、国語でも理科でも社会でも記述問題が増えていくだろう。この3教科は年によって難易度を上げることがあるのかもしれないが、とはいえ、ほとんどの中学生たちにとっては、英語と数学の2教科の成績が、他の3教科の成績に反映されるようである。
反映されるとは、国語・理科・社会の得点が英語と数学の得点に近づくという意味である。シローズの生徒たちの場合、毎年中3の10月、11月の3科の成績が12月、1月の5科の成績にかなり近づいている。たいていの場合は10月、11月の3科の塾内での順位が、1月の最終の北辰テストの5科の塾内順位になるという状況が毎年見られているのだ。

これは国語・理科・社会という3科の学習をしなくても、英語と数学の学習の成果によって自然に成績が上がってくるという意味ではない。やはりある程度は行う必要がある。ただやはり国語という教科はたいていの場合、英語・数学の学力を形つくっているという意味合いがあるし、理科と社会においては、英語と数学ほど高校受験に対応できる学力を身に付けることに時間がかからないという側面があるように思う。
シローズの場合、上位の高校へ受験する生徒に対して、できる限り中学2年生からの理科・社会の授業の履修を進めている。また国語が英語と数学に比べてひどく学力差が出ている生徒に対して、中3の2学期に集中的な学習を行わせているという状況もある。
そして入試の実施が2月末から3月の初めになっているという現在の埼玉県の現状を思うと、私立高校の受験が終わる1月23日頃から2月いっぱいまでの30数日がある。国語・理科・社会の3教科の中で苦戦している科目がある場合には、この期間に集中的な学習を行うこともできるはずだ。

なぜシローズが、中3の塾生たちに英語と数学を中心に学習させているかといえば、それはこの地域の地域性が関係しているように思う。
2学期になり、あと志望校まで偏差値を3上げなくては…となった頃、なぜだか英語と数学の偏差値が下がりだすという状況が、この地域にはよくあるようである。英語では長文の問題が難しくなり、数学では図形の問題の出題が増えてくる。きっとそれに対応できなくなるのだと思う。
シローズの場合、英語と数学で2学期以降の北辰テストで70の偏差値を取れる生徒が減ってきた。1学期には何度か70を取れていた生徒が9月以降、とくに11月以降になると65から68くらいの偏差値に、また60の偏差値が取れていた生徒が57から59程度で安定してしまうという傾向が出てきている。この辺がこの地域の中学生たちの浦和・大宮・一女への合格を難しくしている要因だし、同様に市立川口や越谷南への合格を難しくさせている要因になっている。

だから高校受験が5教科で行われるかと言って、比較的成果が出やすい理科と社会の学習に集中するのはとても危険である。その生徒の得点の状況にもよるが、11月までは英語と数学の学習の割合を7割以上、12月でも5割以上、年明けから私立入試までが10割、私立入試後から公立入試までが英語と数学が3割で理科・社会が6割、国語が1割というところがベストな割合ではないだろうか。

それから、あまり毎回の北辰テストの科目別の結果に、保護者が右往左往されない方がいいと思う。国語が上がれば…とか、社会がこうなれば…とか、受験の度に返却されるデータを見ながら、科目別の学習の割合を子供たちに指示する保護者が最近増えてきているように思う。私立の確約の時期になると、なおさらこうした傾向が出てきている。気持ちは分からないわけではないが、お子さんの学習の状況と出される問題の傾向によって、やはりこの時期の偏差値は小さく(3から4程度)上下動する。もしも大きな上下動(8程度)であれば対策を考える必要はあると思うが、小さな上下動は目を瞑るべきである。何よりも、受験生であるお子さん自身が自分の成績の状況をしっかり把握できるようになるというのが合格の条件になるのではないか。

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