塾の近くの中学で、今年浦和西以上の公立高校に合格した生徒はおそらく5人、浦和1人、蕨2人、浦和西2人というのが、今年の実績だと聞いている。
言い換えれば、今年公立高校を受験した近くの中学の生徒の中で、北辰偏差値がおよそ63.5以上だった生徒はわずか5人だったとの見方もできるはずである。
少なすぎやしないか?
現高2生たちの時の人数は分からないが、現高3生の時の浦和西以上の合格者は確か10人前後だったはずだし、その前年は15人前後ではなかったか…。
なぜこんな状況になってしまうのか?
中学の授業のことや、そしてその授業の形態の方に目はいってしまうのだけれど、もっと深く考えてみると、中学に入学する前の学力、つまり小学校の授業に問題があるのではないかとの思いに繋がってしまう。
いや問題とは言えないのかもしれない。
近くの小学校に通う児童たちも、そして保護者の方たちも、そのほとんどの人たちは、問題が小学校授業に存在していることなど、少しも感じずに全国的に見てもごく平均的な授業が行われいると考えているはずだから。
でもこの地域の小学校の授業は、他の地域との大きな格差の中で進んでいる。
先日、4月から中学に入学する塾生たちのテストを塾で行った。
業者からテストを購入し、採点は僕が行った。
採点して感じたのは、全体的な英語の得点の低さだった。
彼らは塾で3月から英語の授業を受け始めた生徒だから、ほぼ小学校で学んだ内容でテストを受けていると言っていいだろう。それが極端に低い点数になっていた。他の地域との間に大きな格差が広がっていると言っていいのではないか…。
英語に限ったことではないのかもしれない。
国語の点数も良くはなかったし、算数が得意だと言っていた生徒たちの点数も決して高いとは言えなかった。
小学生たちの学力が他の地域に比べてかなり低くなってきている。
きっとこの地区の小学校の授業のレベルと他の地域との間に格差が生まれてきていたのはもう前からだと思うのだけれど、ここ数年でその格差がどんどん大きなものになってきている。
ここまで思った時、僕の頭には受験直前に大きな苦労を味わいながら、何とか気持ちの平穏を取りながら、机に向かい続けていた今年の受験生たちの姿が浮かんだ。
もっと小学校の授業のレベルが高かったとしたら、そして小学校入学の頃から考える授業を受けていたとしたら、そして彼らが小学生のもっと早い時期から塾に来てくれたとしたら、彼らの高校受験はもっと違った風景になっていたのではないか…。僕はいまそれを思っている。
何もこの辺の小学校のせいにしたいというのではなく、その不足の分を塾が補うことが出来れば、それでも良いのだと思うのだけれど、多くの塾が基礎固めこそ高校受験に役立つ指導だと考えている節があり、そのことが余計にこの地域の中学生たちの高校受験を危ういものにしているとも考えられる。
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