僕は毎日小学生たちには算数を、中学生たちには数学を教えている。
ちょっと英語も教えているのだけれど、やっぱり塾に来てくれている生徒のみんな、全員に教えているのは数学ということになる。
いまちょうど近くの中学校は中間テスト直前で、みんなその勉強をしているのだけれど、半数以上の生徒は分からなくなっているようです。とくに中2生と中3生でその傾向がある。
もちろん彼らの質問には答えているのですが、いくら説明をしても理解してもらえないのです。
教える技術がないのでは?と言われるかもしれませんが、僕はこの教え方をもうずっと続けているわけで、たぶんそうではないと思うのです。
ではなぜ説明の内容が彼らに浸透していかないのか?というと、子供たちの処理する能力が低下してきているのだと思います。
そして理解できない子の割合が年々増えてきている。
以前であれば、たぶん10年から15年くらい前であれば、ほとんどの子たちが理解できていたはずなのに、たぶんいまは理解できる子がごく少数になってしまった。
でもきっと他の地域の子たちは理解ができているわけで、この辺だけの問題になっているのだと思う。
そんなとき僕は毎回思うことがあって、中学生からではなく小学生から指導させてもらうことができれば、塾に来てもらうことができたとしたら、こうした状況にはならなかったのではないか?と思ったりしています。
もう必要な勉強は学校で間に合うという考えは、残念ながら完全に通用しなくなっている。
でもまだまだ学校で間に合うんだ的な話が根強く残っているのがこの地域なのだと思います。
僕が小学生の指導でいつも目指しているのは、常に考えてもらうことです。
それが計算問題であっても、文章問題であったとしても、またどういうレベルの問題をやっているのかに関わらず塾の中ではいつも考えてもらうようにしています。
例えば公式的に教えなくてはならない事柄があったとしても、できるだけなぜその公式がなりたつのか?をできるだけ説明するようにしています。
分数の通分の意味、少数の割り算の計算の仕方など、やり方として説明すればすんでしまう内容をなぜそうなるのか?という説明を繰返しさせてもらっています。
そうすると中学に入ってから、学力を問わず考えるベースができてくるように思います。
小学生から来てくれた子と中学生になってから来てくれた子では、明らかに思考力や発想力のベースの幅に違いが出てくるような気がするのです。
いま中学の数学は年々難しくなってきています。
思考力と発想力を求める風潮が年々高まってきていますから、解き方教えるだけでは他の地域の子供たちの状況についてきていけなくなってきています。
だから余計に考える力量のようなものが目に見えない段階で求められていると思っています。
いま問題として大きくなってきているのは、そうした状況の中で中2の一次関数以降の数学の内容を地域的に子供たちが理解する土壌を持ち合わせていないことです。
中学校でも先生方はそれを感じているから、分かりやすい内容ばかりを教えようとしているし、その授業内容と求められている学力との差を埋めるために、試験前に出題される種類の問題を子供たちに伝えようとする。
結局丸暗記スレスレの指導をしている現状が中学授業にはあります。だからこそ、小学生の時代に何をするのかが問われているように思います。
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