2024年5月4日土曜日

安行中 my love 2024春④ 浦和西、蕨への合格のために

2024年度が始まって、ひと月が経った。

塾には何人か新しい顔が加わって、僕はといえば、数学に加えて今年から英語を教え始めた。

だから今までよりも、一人の生徒に向かい合う時間が多くなってきている。

 

やはり学力はかなり下がってきている。

公立入試問題のレベルが塾で使っているテキストだとすれば、そのテキストのページを進めることができないもどかしさがある。

以前ならば、中学の授業を足掛かりにして進めることができたページまでどうしても進めることができない。

生徒たちがすぐに音を上げるという種類の困難さではなく、彼らの持つ学力が次のページの内容に入ることを強く拒み始めている。

 

おそらく、これからこの地域の中学生たちは蕨や浦和西には今よりもごく少数の子しか入れなくなるたろう。市立川口は高嶺の花で、かなり上手くやった生徒の進学先が県立川口になっていくような気がする。

おそらく中学校の授業は単元の主要内容の説明だけで、単元のごく表面の知識しか中学の授業では指導されなくなるのだろう。

その上学力のことばかりでなく、アクティブラーニングの弊害なのか、中学生たちの授業の受け方も乱れてきている。

 

これからどんな子が浦和西や蕨以上の高校に入れるのかと言えば、きっと生まれつき頭の良い子に限定されていくのだろう。

ここ数年の間は中学入学後に猛烈な量の学習をした子が合格する可能性はある。でもそうして浦和西や蕨に合格する生徒はやがて限りなく0に近づいていくような気がする。

それだけの量の学習をする子がいなくなるような気がするからだ。

 

社会の変化があって、当然子供たちにも変化が起きてきている

でもアクティブラーニングが始まるまでは、まだ猛烈な量の学習量をこなせる中学生はまだいたと思う。

他の塾のことは分からないが、シローズには必ず毎年一人か二人もう止めたくなるくらい勉強する子がいた。

でもアクティブラーニングが始まってから、明らかに子供たちは変わってきた。

子供たちもそして保護者も努力を限りなく小さなものにして、最大の成果を得ることばかりを求める風潮がさらに大きなものになってきた。

 

じゃあ、もしも安行中、安行東中、そして東中の生徒が浦和西や蕨を目指すとして、何をしなくてはならないのかと言えば、事は小学生まで遡ってくるのだと思う。

もう中学生からじゃ遅い。小学校に入学したら、早い時期に難しい算数の学習をするべきだ。

難しいと言っても、中学入試の問題までは必要ないと思う。

中学入試問題に若干入るくらいのところの問題を解きながら、ひたすら考えてほしい。問題を考えるというよりも、クイズを解くような感覚で、絶えず頭を動かして算数の問題を解いてほしい。

 

Z会のグレードアップ問題集というものがある。

小学校に入学後の早い段階で、こういった問題集を使うべきだと思う。

 

これは想像の部分があるのだが、この地域の小学校の算数授業には考えるという作業が不足しているように思う。

他の地域の小学校の算数授業との違いが、この地域の中学生たちに違う形の高校入試を味合わせているのではないか。

いまの高校入試が単に知識量を測る試験ではなくなり、思考力や発想力と言われる能力を測る試験になっているというのに、この地域の中学生たちだけが、それに対応することができなくなっているのは、小学校の算数授業と深く関係があるように思う。

 

このことは塾にも責任がある。

生徒の定着率を上げるために、あるいは敢えて解きやすい問題を解かせることで指導力の不足を隠すために、そうした指導を続けていた塾もあった。

だから小学生の時期から算数の指導をする塾に通っていた子でもあっても、この地区の中学生たちは思考力や発想力を持てないまま高校入試に突入しているという事情がある。

 

高校入試はここ5年で随分と変わった。

すべての教科が単に知識量を測る試験から、考えるということを主軸にした内容になった。とくに数学ではひらめくことができるかどうか?という種類の問題がかなり増えてきている。

 

そしてコロナ禍の学校休校があって、アクティブラーニングと英語のファイブラウンドシステムの導入のために、他の地域との間に受験格差がはっきりと生まれてきている。

 

解決策を考えれば、小学生時の算数指導だと思うのだけれど、それに対して学校授業に安心しきっている地域全体の思いがある。

そして考えてみると、今年の受験までは大きな問題は数学だったように思うのだけれど、それを小学生時の算数指導によって対応できたとしても、実はもう一つの不安が残る。

もしも英語の入試問題のレベルまでが上がってしまったとしたら、もうこの地域の子供たちの高校受験はどうしようもない結果を招いてしまうことになるだろう。

実は僕はそのことを恐れている。

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