2018年5月18日金曜日

数学で、偏差値70を取るということ

数学で、70の偏差値を取る。
これって英語で70の偏差値を取るよりも、きっと難しいはずである。
中学校で集計をしているかどうかは分からないけれど、毎年発表される各教科の県内公立高校の入試平均点とこの地域の中学校内での各教科の平均を見たとき、おそらく数学が、一番点数が取りにくい教科になっているのではないか。

数学の何が難しいかといえば、まず教科書に出ているような一般的な数学の問題は、入試問題ではかなり姿を消して来ている。ではどんな問題が出てくるかといえば、中学学習範囲の中で底に隠れた知識が問われた種類の問題である。
外では発想力が問われるという風に言われているし、僕もそういう言葉で表現をしたこともあるけれど、一部を除けば、やはり隠れた知識が出されている場合が多いのだと思う。問題なのはその隠れた知識が、一般的な学校授業で学ぶことができるのか?との疑問である。
いま小学校でも中学校でも、分かりやすい授業の要求というものがあると思う。でもその隠れた知識というものは、分かりやすい説明では知識として入れることができないのかもしれない。その辺が地域格差を広げている原因のようにも思う。

数学の問題を種類に分けると、「計算」と「方程式」と「関数」、そして「図形」に分けることができる。
計算
方程式
関数
図形
偏差値
×
40
×
45
×
50
55
60
65
70

上の表は、この地域の中学生たちに数学を教えてきた私が、最近の生徒の数学の学力の状況からまとめたものである。
×ほとんど解けない状態。△問題によっては解ける状態。◯ある程度解ける。◎かなり解けるで表すとすると、上の表のようになるものと思われる。
◯のレベルというのは、単元別に出される中学の定期テストで90点以上の点数を取れる学力だと思います。決して定期テストで90点取れなかったとしても、塾の授業とその復習と宿題演習で取れる学力が身につけば◯に該当する。
では◎はというと、前に書いた隠れた知識を持つ学力なのだと思います。そして発想力の有無は、毎回70の偏差値が取れるかどうかに関わると思う。発想力が高ければ、おそらく毎回70オーバーだろうし、知識だけで、もしも発想力が無かったとしたら、2回から3回に1度は70を下回ることになるだろう。

これは何度かこのブログで書いていることなのだけれど、中310月の北辰テストまでは中3範囲の図形の問題は出されない。相似と三平方の単元は、まだこの時期には学習が終わっていないのである。11月のテストで相似が初めて出題され、三平方を含めた全範囲が出されるのは1月に行われる最終の第8回だけである。
この地域の中学生たちが、11月の北辰テストで大きく数学の偏差値を下げるのは、中3範囲の図形が原因であるのだろう。そして相似と三平方の定理が厄介なのはそれらの難易度が高いというだけでなく、中2の三学期に行う図形の合同の単元の理解の状況が、相似と三平方の理解に大きく関わっているということだ。
つまり相似と三平方を完全に理解するには、中2範囲の図形の合同まで戻ってやり直す必要が出てくる。きっと図形の見方のような能力が、この単元で学べるのだと思う。それができていない状況では、相似も三平方も点数に結びつかないようだ。しかし入試が近づいたこの時期に、それを行う時間などない。

もしも中2範囲の図形の合同が完全に理解できていない生徒がいたとして、その生徒は計算問題はもちろん、方程式の応用の単元も関数も理解できていたとする。だから中3の10月までの北辰では、数学が70前後の偏差値が取れた。たいていの場合、数学で70近い偏差値が取れるとすれば、英語も70近い偏差値を取っているはずである。国語と理科社会の偏差値は分からないが、3科で70近い偏差値を取っている可能性が高い。こうした生徒は春日部や浦和市立以上の高校への受験を考えているはずである。ところが相似の単元が出題範囲に入る11月以降、偏差値は下がっていく。12月、1月の落ち込みはもっとだろう。
この地域でよく聞く、偏差値が70あったのでけれど、川口北にしたという話はこの辺に原因があるのかもしれない。

最後に、発想力について書かせていただく。
数学における発想力は、この地域においては、中学生からの勉強では身につかないのかもしれない。シローズに来てくれている生徒で数学が70をコンスタントに超えているのは、小学生の時に算数の難しいテキストをかなり進めた生徒だけである。それ以外の生徒で、時に70を超える生徒は出て来ているが、コンスタントに70が取れているのは、この問題集の経験者に限られている。もしかしたら、これが、発想力があるかないかの違いに通じているのかもしれない。

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