今年の公立入試を終えて、僕の中にはいろいろな思いがある。
今年の高校入試で、近くの中学の生徒たちがどのレベルの高校にどれくらい合格し、どれだけの人が不合格になったのかも、いま(3月の中旬の時点)はまだ耳に届いていない。
でも公立の受験で不合格になった人たちが例年よりも多かったのではないか? いま現在、そんな印象がある。
去年と今年の違いは、中学校が受験校の決定に口を挟まなかったこと。
去年は受験校の決定に中学が大きく関わっていたこと。担任が自宅に電話をし、100パーセント合格できない。そうした言葉を保護者に口にしていたという話も聞いたし、学力問題の高校を受験した塾生のほとんどが担任から受験校の変更を求められていた。
それが今年はまったくなかったのである。
だから今年、生徒たちはもう一度立ち止まって、どうしようか?という葛藤なしに、自分が受験したい高校を受験したのだと思う。
保護者の方たちも偏差値や内申点から合格できる高校を選ぶというよりも、我が子が受けたい高校を受験させていたという傾向がやはり強くなっているのかもしれない。
それに話題に出ている私立無償化が、そうした保護者の方たちの気持ちを後押ししてしまったのかもしれないし、中3次の通塾率や北辰テストの受験率といった状況が他地域よりもかなり下回るこの地域が、もしかしたら合格と不合格の狭間の情報に疎くなっているのかもしれない。
いま公立入試は、2020年の大学入試の影響を受けている。
それまでの知識量の測定という意味合いの試験から、知識を使って考える方
向に転換してきている。
小学校からの学校授業もそれに合わせるように変化してきている。
しかしこの地域では、まだそうした変化が完全ではないようだ。授業に変化を持たせること。イコール授業の難易度を上げることになるために、保護者の理解を得られないということを教員が警戒していることがその原因ではないかと思われる。
その結果今年の公立入試で何が起きていたかといえば、入試問題の演習を繰り返していたような生徒であっても、あるいは北辰テストで高い偏差値をとっているような子であっても、その年の公立問題がわずかに思考力と発想力の方向に進んでしまったとしたら、急に得点が取れなくなってしまう可能性がある。
今年の数学の選択問題は、そうした可能性を大きく含んだ問題だった。
単元ごとの従来の解き方では答えが出ない。まさしく思考力と発想力を必要とする問題だったと思う。
でも県内ではそうした問題を苦もなく解く一群がいる。いや解ける子たちの方が多いのかもしれない。
そうした中で、この地域の子どもたちは戦っていた。
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