2025年3月23日日曜日

「2025.3 いま公立入試の場で何が起きているのか? ②塾が取るべき対応策」

公立入試を終えて」では、この地域の受験生たちの公立入試で不合格者が多く出てしまう原因について、僕なりの考えを書かせていただいたつもりでいる。

厄介なのが、やっぱり入試問題の変化で、北辰テストや校長会といった模擬試験では測りづらい能力とも言える思考力や発想力を使う問題が昨年までよりも多くでだしていることがこの問題を厄介なものにしている。

その上、思考力と発想力と呼ばれる能力は生まれつきと言っていいのかもしれないくらいの大きな個人差を持つ。

 

数学の選択問題にとくにこの種類の問題が多いと思うのだけれど、考えるべきことはほかの地域の受験生たちが容易く解くのに対して、この地域の受験生たちにとってはかなり解きづらい問題になっていること。

この地域の受験生たちが大きく得点を下げているのに、県平均が大きく下がっていないのはその表れだと思う。

 

これはたぶんこの地域の小学校からの学校授業の影響が大きいのだろう。

他の地域の子供たちが小学校入学以降、徐々に発想力と思考力を身につけさせる授業が行われているのに、この地域の学校授業はいまだに基礎的な内容の説明に終始している…。

深く考えさせて答えを出させるのではなく、単純な問題を教師が説明し、その説明通りに解くことが授業になっているように見える。

それがあるから、僕が自分で今年の数学の選択問題を解いたとき、これはこの地域の受験生には解けないよ。そう思った。

きっと30点から40点くらいは取れると思う。それ以上の点数を取ることはこの地域の受験生にとっては、一部の知能指数の高い生徒を除いてかなり難しいことになってしまった感が強い。

 

そうした中、この地域の子供たちを教える塾は何をしたら良いのか? そのことは絶えず僕の頭の中にある。

もしも高校合格だけを考えるのであれば、数学を捨てるという方法があるのだろう。

30点くらいの得点を取れるところまでしかやらずに、数学以外の4教科で得点を取る。数学を捨てれば、勉強時間はかなり取れるはずだから、内申点を可能な限り取る。

このやり方を取れば、学力問題実施校はもちろん選択問題を実施している高校のうち下位に位置する川口北、越谷、市立川口等の高校への合格はグッと近づくことになるだろう。

 

この数学を捨てるやり方は、指導する塾の意識してそれを行っているかに関わらず、いまこの地域の子供たちを指導する多くの塾が行なっていることのように思う。

でもこの数学をある意味捨てる指導の仕方は、この地域の受験生たちの合格率を確実に上げるだろうけれど、高校入学後に数学を苦手科目にしてしまう危険な指導とも言えないか。

統一テストがあり、その後の就職にはSPIがある。

もしも生徒一人一人の今後を考えるならば、5教科を満遍なく、出来るだけ数学の指導に力を入れて、発想力や思考力を身につけさせる指導こそがこの地域の塾がするべき指導と言えるのではないだろうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿