2013年5月7日火曜日

「必要なのはギアチェンジだけかもしれない」


「もしかしたら、必要なのはギアチェンジだけなのかもしれない」
 先日のこどもの日、朝からTVでは国会議員や教育評論家たちが教育問題について討論をしていました。その番組の最後で出演者たちがまとめのコメントを話すのですが、どの方も「これから始まる世界的な競争社会を生き抜くたくましさ…」との言葉を口にしていたのには驚かされました。やっぱり誰もが、今後を生き抜く難しさを感じているということなのだと思います。とくに今の子どもたちが社会に出て行く将来には、その競争がさらに激しくなるということなのかもしれません。

 もう一つ教育に関連した番組が、別のチャンネルでその後に放送されていました。マレーシアは今、不動産バブルの真っ只中にあるといいます。中国人や日本人が投資目的でマレーシアの不動産を盛んに購入している。
 その番組の中でマレーシアにできた世界的に有名な小学校に子どもを通わせている日本人の話が紹介されていました。家族でマレーシアに住む方たちには好都合なのかもしれませんが、父親は日本で仕事、母親と子どもたちだけが最上級の教育を求めてマレーシアで暮らすという家族の話です。教育費はそれなりに掛かるといいますが、物価が安いためにサラリーマン家庭であっても、日本とマレーシアの二重生活が可能ということらしい。
 世界的な競争社会、それから最上級の教育のために母と子が父親と分かれてマレーシアに住む。この2つの事柄を頭のすみに置いたまま、私は昼間の勤め先である幼稚園へと向かいました。この日は、安行スポーツセンターで開かれている「みどりの地球号in安行」に年長の子どもたちが出させていただいたんです。
 初夏を思わせるような強い日差しの中、元気な年長の子どもたちがリズムを踊っています。その周りでご家族の皆さんがニコニコとした笑顔で、子どもたちの様子を眺めています。お母さんだけでなくお父さんも、そして年長児たちのお兄さんやお姉さんたちも、中にはおじいちゃんやおばあちゃんたちまでがニコニコ笑っている。それにこうした行事になると、急に身体が大きくなった(実際には数年という歳月が経っているはずなのに、私には彼らが幼稚園に来ていた時間がついこの間のように思えてくる…)卒園生たちと顔を合わせることになります。
 年長の子どもたちも、それから幼稚園を卒業した子どもたちもみんなとても元気でした。そして明るく、どの子も健康で体力がありそうです。その上、身近で子どもたちの成長を暖かく見守るご家族がいる。そのとき私が思ったのが冒頭の言葉でした。

 「もしかしたら、必要なのはギアチェンジだけなのかもしれない」






 安行地区の小中学生たちは、昔から学力が低いと言われています。旧浦和市の公立中学校に通わせる保護者の方たちが、ごく平均的だと考える高校が、安行地区では超できる子の進学先であったりしますから、やはりこれは事実なんだと思います。その結果、安行地区の中学校に通った卒業生たちの上場企業への就職率は驚くべきほど低く、反対にアルバイトを生業とする卒業生たちの割合が非常に高くなってきています。自営の仕事があり、跡取りとなれる人たちにとっては何の問題もないことなのかもしれませんが、それ以外の人たちにとっては、たいへん深刻な問題となる可能性があります。なぜなら「世界的な競争社会の到来」は、もう間近に迫っているのですから…。


 そこで問題なのが、どうやって子どもたちにギアチェンジをさせるかという問題です。必要なのは、小学校入学以来クラスメイトたちに学力的に遅れないでついていくことを「できる」という言葉で、担任の先生たちから評価されていた子どもたちが、本当の意味で「できる」子になるためのギアチェンジです。それは今までとは違う勉強のやり方と、それに要する時間に対するギアチェンジという意味でもあると思います。


 安行地区の小中学校に通う子どもたちが、小学校の高学年から中学在学中の間に、もしも上で書いたようなギアチェンジが本当にできたとしたら、彼らはきっと大きく成長し、立派な社会人となれるはずです。両親の愛情をしっかり受けて育ち、健康で明るく体力がある。そして小学校の間たくさんお友だちと遊んだ経験がある。これだけ揃っていれば、必ず社会に出たときに大きな仕事ができるはずですから…。













0 件のコメント:

コメントを投稿