2014年3月30日日曜日
1クラス5人の犠牲者たち
今年の春期講習がはじまり、今日はお休みの1日です。あとは土曜日まで、一気に進んで行きます。
夕方のちょっとレベルの高い新中学1年生の講習からはじまり、次は小学生の皆さんの算数ゼミ、それが終わると夜は中学生たちの講習となります。
前半が終わり、いま塾長である私の気持ちの中に大きく占めているのが、年齢よりも幼い小学生や中学生たちのことです。彼らは最近、急に増えてきているように思います。塾をはじめた20年前にはまったくいなかったタイプの彼らが、急に増えはじめたのは、たぶん5.6年前からだと思います。彼らの特徴としては、まず何事にもやる気がないこと。そして社会性がないために、友だちとの関わりが少ないこと。友だちはいるかもしれませんが、多数の知り合いがいるというタイプではないと思います。たとえば休日に友だちと遊ぶというよりは、家庭の中で過ごすことの方が多いのではないでしょうか。そしてストレスのはけ口が兄弟であるとか、母親に向いていることが多いように思います。あと朝起きられない…。そんなことも含まれるかもしれません。そして彼らに共通しているのが、学力が極端に低いこと。
中学入学後に学力の低さに気づいて、それに心配した保護者たちは塾に通わせようとします。塾に通わせることで、成績の上昇があるのではないか。当然、そうした期待があるのだと思います。でもそうした生徒が塾に通ったとして、成績が上がるかといえば、これは条件付きのYesだと思います。どんな条件が必要かと言えば、それは彼らが何らかの突然の化学反応を起こして、人間的に彼らが急に成長することだと思います。学力的な成長よりも、まずは人間的な成長が必要だと思います。そしてそのことを一番知っているのが、彼らを受け入れる側の塾だと思います。それを知りながらも、塾側はどうするか? たぶんそんなときに、塾の姿勢のようなものが出てくるのだと思います。
シローズならば、まずはその生徒に向き合うことからはじめると思います。その生徒にとって、塾の講師たちが信用できる人間であることを伝える努力をします。次には少しずつ、その生徒に頑張ることの大切さを伝えようとします。そうした日々の繰り返しの中で、その生徒の化学反応のチャンスを探すと思います。
ただこれが、本当にむずかしいです。彼らとのちょっとした気持ちのズレによって、全てを台無しにしてしまうことだって起こりえます。放っておけばトラブルは起こらないし、誰も傷つくことはないと思いますが、それではだぶん成績の上昇はないと思います。
どうしてそうした中学生たちが増えてきているのか? そして小学生たちには、その予備軍たちが後を立たない状況を前に私は考えます。
前に「就学児たちの不思議な世界」というブログを書かせていただいたことがあります。小学校入学を前にした子どもたちが、英語をはじめとする学習の習い事を始めているという状況を書いたものです。その状況を考えると、保護者たちの教育熱は高まっているはずです。それなのに、前述のような子どもたちがなぜ増えているのか? 私は大きな疑問を感じます。もしかしたら、それ以前の教育を受けていない子どもたちが増えているのではないか。
いまおそらく安行地区・新郷地区の中学校の1クラスで、5人前後の子どもたちがこうした状況なのだと思います。そして私には、彼らが何か大きな世の中のうねりの中での犠牲者のように思えてきます。
2014年2月1日土曜日
小学校の算数授業が危ない
「算数嫌い」という言葉があります。生理的に算数や中学入学後にはじまる数学が好きになれない。その結果、算数や数学が苦手になってしまうという意味だと思います。数学嫌いという言葉はありませんから、たぶん小学生の頃から嫌いになっているということだと思います。なぜ「算数嫌い」が起こるのかと言えば、これは私の推測ですが、たぶん「間違える」とか「分からない」という感情に対しての恐怖感が生み出すものなのではないでしょうか。
算数や数学で分からない問題をまえにしたとき、何よりも平常心を保つことができるかが重要だと思います。平常心を保てなければ、どんなに学力がある人であっても解けないという現象は起こりえるものだと思います。小学生や中学生たちに算数と数学を教えている私であっても、入試問題などで質問を受けたときに、後で考えればなんでもないような問題で戸惑ってしまうことってやっぱりあるわけです。そんなときというのはたとえば授業終了時間間際のときであるとか、何かプレッシャーを感じて異常に力んでいるようなときというのが危ないです。これはあくまでも私の想像なのですが、「算数嫌い」の子どもたちは、私と同様のことが日常的に起こっているだけなのではないでしょうか。
たとえば、こんなことってないでしょうか。クルマですれ違うことが難しいような細い道を走っているときに、前からクルマが来たとします。そんなときにどうしたら良いか分からなくなってクルマを止めて、まるで固まったようにハンドルを握ったまま相手がクルマを動かすのをただ苛立った表情で見つめる。そんなときの精神状態に「算数嫌い」は似ているかもしれません。
安行地区・新郷地区の場合、「算数嫌い」はたぶん全小学生の1割にも満たないのではないかと思います。たとえ自分が「算数嫌い」だと思っている人がいたとしても、実際には算数が苦手なだけであって、順番に学習をしていけば算数を克服できるという人の方が多いのではないか…。私にはそんな思いがあります。そして冒頭で書かせていただいた「算数嫌い」と算数が苦手というのは、全く違うものであると思います。「算数嫌い」は能力ではなく、あくまでも性格が算数・数学に合わない状況なのだと思います。どんな勉強をしようにも、算数や数学が頭に入らない。頭というか体自体が算数と数学を受け付けなくなってしまっている…、そうした状態が「算数嫌い」という状況なのではないかと思います。
そうした「算数嫌い」とは異なり、いま小学校での算数の学習が不充分なために、中学入学後に数学の授業がついてこれなくなっている人たちがとても多くなっているようです。少し前まで多かった計算問題はできるけど、文章問題はできないという中学生たちとは違う、明らかに計算問題が解けない生徒が増えてきています。
例えば —6+5 の計算がすぐ答えを出せない。あるいは小学生でやったはずの分数の足し算と引き算を忘れている。または約分ができない。中学1年生の2学期の時点で、そうした中学生の割合は、安行地区・新郷地区では3割を超えているように思います。もしも前述の正負の数と分数の単元で示した3例のうち、いずれかができない生徒を探すとすれば5割を超えているかもしれない。そんな悪夢とも思えるような状況がいま安行地区・新郷地区の中学校で起きています。
たぶんこれも、生徒を叱らないで褒めて育てるという「ゆとりの教育」の置き土産なのだと思います。いくら小学校が算数の時間にサポートの先生をつけたとしても、習熟度別授業を設けたとしても、大多数の小学生の皆さんの学力はたぶん上がらないと思います。それは安行地区・新郷地区の小学校の算数授業は考えて解くという作業が少なすぎる状況にあるからだと思います。生徒たちが問題を1人で考えた上で解くというよりは、生徒のみんなが考える前に先生が説明してしまうことで授業が成立している。別の言い方をすれば、考える前に先生が説明をしなければ授業が成立しない状況にいまの小学生たちのレベルがある。
前述の習熟度別授業について、近隣のある小学校では習熟度別に3クラスに分け、一番上のクラスでは先生がすべての内容を説明する前に、生徒の皆さんに考えさせながら、ときにはヒントを伝え、また考えさせながら問題を解かせるという指導をしています。できた生徒は1人で先生のところへ行き採点と解説を受ける。これがたぶん、算数授業の理想的な姿なのではないかと思います。でもその割合が1学年の人数の中で少なすぎる。一番上のクラスの授業の進め方をその下のクラスでも行えば良いはずだけれど、それをしてしまったら、「学校の勉強が分からない」という苦情が保護者から寄せられるに決まっているし、たぶん公立の小学校という基本理念から離れてしまうことになってしまうのではないだろうか。だから小学校はどの生徒からも不満が出ないように…その結果として、ほぼ全員がわかったと錯覚?できる授業をする必要に迫られることになってしまっているのではないだろうか。
算数や数学という科目と他の教科との違いは、小学校入学以降に学習した単元の知識が、次に学習する単元でも利用されるというところだと思います。このために前の単元の理解が不充分だと、新たに学習する学習範囲の理解が不足がちになる。もちろん他の教科でもそうした傾向はありますが、圧倒的に算数や数学という教科にその傾向が強いように思います。それに英語や国語そして理科や社会という教科が比較的短期間に復習できるのに対して、算数や数学は復習するのに、あるいは学力を上げるのに時間が掛かります。たぶんほとんどの小学生たち(とくに男子はこの傾向が高い?)が得意な科目に選ぶであろう算数が、実は得意な生徒が少ない教科でもあるわけです。
たいていの場合、小学生時代に算数の勉強が不充分であったことに気づくのは中学校入学後だと思います。シローズに来てくれている中学1年生の中にもいますね。こうした場合、復習をしながら中学校の学習の内容を学習する必要がありますが、やっぱり不可能となってしまうことが多いですね。それどころか、なかなか中1学習範囲が終わらないという状況になってしまっているのが現状です。たぶん小学校の担任の先生の「大丈夫ですよ」という言葉には、気をつけるべきだと思います。それに算数が得意だというお子さんの言葉にも疑いを持つべきかもしれません。あと中学生のお子さんには、定期試験の学年順位で安心をされない方が無難なのかもしれません。
2013年12月13日金曜日
シローズ「冬期講習会」からの中3指導
今年も、冬期講習会の時期が近づいてきています。今回の冬期講習会では、中3生の皆さんに少し例年とは違うことをしてもらおうと思っています。
その理由としては、今年の中3生が浦和から春日部までの県内最上位校への受験を目指してはいないこと。そして通常の授業から感じられる生徒の様子からは、知識の穴らしきものがいくつもあること。それを考えると、立て続けに公立入試の過去問題をやる昨年までのやり方ではなく、公立入試の過去問題を丁寧に確認しながら進める方が、メリットが多いのではないか…との思いになったわけです。
そもそもなぜこの時期に公立高校の過去問題を行うかというと、効率よく中学校学習範囲までの総復習をしたい…というのが一番にあります。中学校で学ぶべき英文法にしても、数学の公式にしても、理科の実験や社会の世界地理の範囲にしても、公立の入試問題に出ている問題はすべて中学3年生までに習うべき内容です。その内容を効率よく総復習をするには、入試問題を解いてもらい、そしてしっかりと復習をするということが一番だと思います。
ただここで問題があります。最上位校に受験をする生徒たちは、ほとんど講師たちが解説をした5教科の内容を復習してくれます。復習して覚えていない内容を確認し、理解して暗記までをしてくれるはずです。ところがそれより下の高校を受験する生徒だとそれをしてくれない。例えばどうでしょうか。浦和高校と浦和一女を受験する生徒が、冬期講習会で行った公立入試問題の間違えの約9割を「復習→理解→暗記」をしてくれるとしたら、蕨・川口北を受験する生徒は4〜6割程、越谷南・市立川口では2〜3割、川口・川口総合に至っては0〜2割程度なのではないかと思います。下のレベルの高校になればなるほど莫大な量の復習を必要とするわけで大変なのは分かるのですが、本来もっとも勉強しなくてはならない生徒が勉強をしてくれない…という状況はいつも繰り返されているように思います。そして塾を運営していて感じるのが、中学生の皆さんが取る偏差値と呼ばれるものには、必ず勉強の仕方とその時間との間に相関関係です。偏差値が上がる勉強をしていないから、偏差値が上がらない。まあ、これには塾側の責任もあると思います。公立・私立を問わず、高校入試が偏差値で合否が決まるというのは、もはや規定事実だと思います。それにも関わらず、中学の定期試験対策をメインにしている塾は本当に多いですよね。まあ長くなりそうなので、この辺にしておきましょう。
さて今年のシローズの冬期講習会は、上で書かせていただいた「復習→理解→暗記」をどうやったら中3生たちにしてもらえるか?との思いからスタートしています。そして強制的に、「復習」と「暗記」をしていただくことにしました。たぶん復習と暗記の間には「理解」という言葉も入ると思います。
具体的には、午前中に前年までの「公立入試問題の演習」を行います。午後からは午前中に行った入試問題の復習をしてもらいます。まず「国語作文」の直し、そして午前中解いた英語の問題から「英語長文和訳」を、そして夜は理科テキストと社会中学教科書を持参して「理科・社会の直し」を行います。もちろん講師はついていますが、講師に説明をしてもらうという受動的な学習ではなく、自分で考えながらあるいは辞書や教科書等を使って調べながら、明日の開設に備えて勉強してもらいたいと思います。講師に質問をすることももちろんできますが、どちらかと言えば講師は監督という意味合いの方が強いと思います。
そして翌日は前日のテストの解説を5教科に渡り、午前中から夕方まで行います。午前中が「数学」と「英語」と「国語作文」、午後は「理科」と「社会」をたっぷり時間をかけて行い、夜が「国語」の解説の後、「理科・社会を中心とした重複演習(一度解いた前日の問題をもう一度解いてみる)」という内容です。これを年末26日(木)〜30日(月)までと新年3日(金)〜7(火)までの午前8時から夜10時まで(昼休み、夕飯休み有り)全10日間行います。そしてこれに8日(水)〜10日(金)までの私立過去問題演習講座(夜7時10分から10時まで)が3日間続きます。
その後は通常授業となります。私立の入試日前日まで、私立受験校の過去問題の演習と解説行います。過去3年分ぐらいを最低2回、できれば4回、答えを覚えるくらいまでやってもらいたいと思っています。
入試直前の中3生たちにとって、もしも今までよりも一段上の成績を取る…など、学力のターニングポイントとなる地点があるとしたら、それはたぶん上の冬期講習会で公立入試の過去問題を解いて解説を聞く10日間と、私立入試問題の演習を行うこの時期だと思います。この時期を精一杯、もう本気でやることで入試直前の2月の成果が変わってくるのです。
私立入試の終わる1月22、23日以降は、もう一度公立入試問題の演習を行います。埼玉県と同じタイプの前年の入試問題をひたすら解き、生徒たちは塾の授業中に解説を聞きます。3学期以降のシローズの中3授業は、すべて入試問題の演習とその解説だけになります。そしてこの時期の公立問題の演習は、冬季講習会が中学学習範囲の総復習だったのに対し、むしろ入試問題に慣れることを目的としています。ポイントは、冬期講習会時に比べてどのくらい点数の上乗せができたかということです。私立の入試過去問題を丁寧に勉強した生徒にとっては、初めて解いたときに「かなり難しい」とか「北辰テストとは全く違う」と感じたあの公立の入試問題が、かなり解きやすい問題になっているはずです。そして最後の2月2日の最後の北辰テストを受けて、最後の最後にもうひと頑張りすると、あっという間に公立入試です。今年もその時期が近づいてきました。
2013年11月10日日曜日
私的「公立高校合否判定」
今日は日曜日です。
そろそろ高校受験が目前になってきましたから、今日も何人かの生徒たちが勉強(自習)をするために塾にやって来ると思います。僕は補習を入れていますが、他の講師たちは休みですから、生徒たちは自分一人の勉強を講師なしですることになります。
講師がいない中で勉強して、何の意味があるのか…? という意見もあるようですが、たぶん成績を上げるためには、どうしても自分一人で勉強をする時間というものが必要となってくると思います。
塾の授業の予習(宿題含む)と復習をして、中学校の課題をやって、その他に英検や漢検などの資格の勉強や、中3生であれば苦手教科の克服のための勉強をしなくてはいけない。もう莫大な時間が掛かるわけです。
でもほとんどの中学生たちは、家ではそれが出来ない。なぜなら家には、テレビもあればパソコンもある。ゲームもあれば、お菓子屋や飲み物もある。それに部活の疲れもある。そうした中で、さまざまな欲求と戦いながら勉強に集中することなど不可能に近いと思います。だからシローズの生徒たちの中で、上位の高校を目指そうとする子たちは塾に集まることになる。平日の朝も夕方(放課後)も授業の入っていない夜も休日も、という日常を過ごすことになる。シローズでは、昔から続いていることです。
そうした日常を過ごす彼らにとって、友だちと時間を過ごしたり、ゲームに費やす時間など残っていないわけです。それをどうやって、我慢をして克服していくか? 安行地区・新郷地区の中学生たちが上位の高校に入学するためには、それが第一関門としてあるのだと思います。
中学生たちのそうした生活が、教育的な見地に立ったときに正しいことなのか、間違っていることなのかは別として、安行地区・新郷地区のごく平均的な知能指数の中学生たちが蕨高校・越谷北以上の高校に合格するということは、こうした日常を遅くとも中学2年生の夏休み後には始めなくてはならないように思います。その上の高校(春日部、浦和市立)だと遅くとも中1の終わり、浦高・一女だと中1の初めに始める必要があるのではないでしょうか。でもこれが出来ない。安行地区・新郷地区の中学生たちはこれが出来ないから、毎年川口北高校以上への合格者がごく少数(10人に満たない年がほとんど)という状況なのだと思う。
もしも上で書かせていただいた、高校合格のための猛勉強の考え方が正しいとして、現中学3年生たちがどの時期に猛勉強を始めれば、どのレベルの高校に合格できるのかということについて、書いてみたいと思います。大変説得力のない話のように思うのですが、確かにシローズの生徒の皆さんの合否を診断するとき、北辰テストの偏差値や冬期講習会で行う公立入試過去問題の得点の他に、いつの時点で猛?勉強を始めたかということも要因として取り入れています。
では初めてみましょう。
中学校の学年順位がほぼ全体の上から5分の2から5分の3程度、偏差値が40代半ば付近から50代前半の中3生を想定して書いてみたいと思います。
12月初旬の時点で、毎日ではなくときどき猛?勉強していれば川口総合高校レベル、一週間のうち半分ぐらいの日数を猛勉強していれば川口高校レベル、いままでと人が変わったように猛勉強していれば市立川口高校レベルということではないかと思います。まだほとんど勉強してなければ、現在の偏差値や中学校順位で川口東高校から川口青陵か草加西レベル、さらには勉強する習慣がまったくないとすれば川口工業というところではないでしょうか。
結局、高校に入学後に必要な勉強量に届いていないと、やはり合格は難しいものになると思います。合格に必要なのは、もしかすると学力を上げることよりもその高校に通う生徒たちの常識を持つこと、またその生徒たちの平均勉強量をこなせるようになることなのかもしれません。
では川口北校はどうかといえば、ごく平均的な知能指数の生徒の場合、中3の1学期の半ばあたりから猛勉強を始めていないと届かないレベルだと思います。
2013年11月6日水曜日
就学時の児童たちの不思議な世界
こんな話は知っていますか?
いま小学校に入学する子どもたちは、「ひらがな」や「1から10までの数字」はもちろん、一桁の足し算や簡単な漢字が書けるというのが常識になりつつあるようです。それにたぶん、これは私の想像ですが、あと数年経つと簡単な英語がしゃべれるという能力までがこれに加わるかもしれません。
上に書いたことというのは、何も県内で学力レベルが高いと言われる旧浦和市等の状況ではないのです。安行地区や新郷地区でも、やはりこうした状況が起きているようです。
その理由として上げられるのが、1つは幼稚園での「計算」や「漢字」そして「英語」の導入です。保育園や他園との差別化を図ろうとする幼稚園が、学習の導入に積極的になっているというのがあると思います。そして二つ目が小学校で英語教育が導入されたことで、小学校入学前の習い事に「英語」が加わって来たということがあると思います。そうした中で、小学校入学時の子どもたちが、一桁の足し算や引き算の計算や、自分の名前を漢字で書くこと、そして簡単な英語を使った挨拶といったことができる子どもたちの割合がかなり増加している。そしてまだ経済的に比較的に余裕があり、まだ子どもたちが年齢的にスポーツで成績が出難い年代であることも学力熱を押し上げている。それが三つ目の理由といえるかもしれません。
ただここで疑問が生じてきます。そうした小学校入学前の学力熱が、小学校入学後の学力向上に役立っているのか? というと、だぶんそれはNOだと思います。そして小学校入学時に高まった保護者たちの学力熱が、入学後に一気に下がってしまうのか? というと、それもやはりNOではないでしょうか。ここで感じるのが、小学校入学前に子どもたちが学んだことが、もしかするとその後に役立っていないのではないかとの疑問です。
当然、「褒めて育てる」的な現在の小学校教育に保護者たちが惑わされているというのはあると思います。余程学習に問題がない限り、小学校の先生方は問題なし的な話を保護者にすると思います。それで安心した保護者たちが、子どもたちの学力の下降に気づかない…というのは、たぶんあると思いますし、通知表にしても、学力をあらわすこととは違う次元のものになってしまっているのも、また事実だと思います。
そもそも就学時の子どもたちに必要なのは、まず授業中に集中して授業を聴けることだと思います。でもこれが、小学校低学年の子どもたちには一番難しい。このことなくして、足し算や引き算の計算であるとか、漢字や英語もないと思います。
どうなのでしょうか。保護者の皆さんが就学に当たって、熱くなり過ぎているように私には思えるのですが…。そして私には、こうした現状が、やや不思議な世界のように思えてきます。
実はそうした思いもあって、先々月ぐらいから、シローズでも幼稚園児(年長児)の指導を始めています。まずは日付とひらがなの学習をしてもらいながら、集団授業の中で60分間座って授業を受ける勉強をしてもらっています。日付とひらがながマスターしたら、次は計算の指導をしようと思っています。ここでの目標は、考えることで答えを導き出すトレーニングです。
いまの小学生の皆さんに何が不足しているかと言えば、それはたぶん落ち着いて、論理的に考える作業の中で答えを導き出す能力だと思います。これができないと算数嫌いになってしまったり、算数ばかりではないのですね、小学校高学年以降の学力が身につき難くなりますし、ということは高校受験を目の前にしたときに、一気に成績が下がってしまったり…ということが起きてしまうのだと思います。
2013年11月4日月曜日
公立入試はまだ分からない
ある生徒がシローズをやめるかもしれないと言っている。
この生徒は中学3年生、安行地区の公立中学校に通い、来春には高校受験を迎える予定の生徒である。やめる理由というのが、塾を続けても成績が上がらないというもの。このままでは、志望校に決めている市内の高校に合格することなどできないのではないか。ご家庭では、高校には行かないで…などという話まで出ているらしい。
そもそも成績が上がらないということに関しては、当人と塾の両方に責任があるはずである。塾の責任というのは、つまり私の責任ということになる。ということで、もしかしたらご家庭では当人であるお子さんと、もう一人の当事者である私が、責任を問われる立場になっているのかもしれない。
そういう状況の中にいながら、私はまだこの生徒の高校合格を諦めてはいない。できることならば、今後も彼を指導させていただきながら、彼を志望校へと導きたいと考えている。たぶんそう考えている私と、我が子にはもう可能性がないと頑に考えてしまっているご両親の間に、相反する心の動きが起きているのではないだろうか。そしてこれは当然のことであるが、授業料の負担というのがご家庭にはある。そのご負担とお子さんの可能性というものが、天秤に乗せられているという状況があるのだと思う。
そもそも成績が上がらないということに関しては、当人と塾の両方に責任があるはずである。塾の責任というのは、つまり私の責任ということになる。ということで、もしかしたらご家庭では当人であるお子さんと、もう一人の当事者である私が、責任を問われる立場になっているのかもしれない。
そういう状況の中にいながら、私はまだこの生徒の高校合格を諦めてはいない。できることならば、今後も彼を指導させていただきながら、彼を志望校へと導きたいと考えている。たぶんそう考えている私と、我が子にはもう可能性がないと頑に考えてしまっているご両親の間に、相反する心の動きが起きているのではないだろうか。そしてこれは当然のことであるが、授業料の負担というのがご家庭にはある。そのご負担とお子さんの可能性というものが、天秤に乗せられているという状況があるのだと思う。
受験生を持たれる親御さんというのは、お子さんの成績の上下動によって、急に落ち込んでしまう…というようなことがあると思う。落ち込みはマイナス思考を生み出して、そしてそのマイナス思考が、お子さんの受験校であるとか、そして今回のように塾を続けることに対して、非常に消極的な考え方を生み出してしまうのではないだろうか。ましてお子さんの成績がまったく上がらないという状況ではなおさらだと思う。そこに前述の授業料の負担という問題が、最近はとくに厄介な問題を引き起こしているのだと思う…。こんなとき、私は一番、保護者の方たちと私との考えのギャップを感じてしまい、途方に暮れながら苦いブラックコーヒーを朝からがぶ飲みすることになってしまう。
そもそも中学の定期試験の問題がそのまま入試で出るわけではない(いま公立高校の入試問題は定期試験の問題よりもかなり難しくなっている)し、北辰テストや中学の校長テストだって、公立入試の問題とは大きくかけ離れている(公立入試問題の方が、圧倒的に深い知識の理解が求められている)というのが現状だと思う。ということはこの時期に大きく成績が下がっても、またこの時期になっても成績が上がらなかったとしても、それだけで一喜一憂する必要はない、まだ受験の結果は見えて来ないというのが、私の持論になってきています。
今の時点(11月の第2週)では、まだまだ入試は見えないと思います。勉強の仕方によっては、5から10程度の偏差値を上げることも、また逆に5から10程度偏差値が下がることも充分に起こり得る時期だと思います。というのは、入試が3月の初めになりました。そして北辰テストや校長会テストにしてもまだ全範囲が出題されていない状況です。そしてどうでしょうか。安行地区・新郷地区の中学生たちの大半が、まだ入試モードになっていない時期なのではないかと思います。問題なのは、やるべきことをいま本当に少しずつでもいいからやっているかどうかではないか…と思えるのです。
私がこうしたことを強く言えるのには、実は次のような側面があります。
川口市内の高校で言えば、下は川口工業から川口青陵、川口東高校、そして川口総合高校ぐらいまでの高校の合格に必要な入試得点は、保護者の皆さんが考えるよりもかなり低いと思います。もちろんその年の入試平均点にもよるのですが、5教科500点満点で半分はおろか、100点に満たない高校が数校ある。一番高いレベルの高校である川口総合高校であっても、200点までは必要ないかもしれない。ということは、まだまだこれからの勉強で入試合格点が取れる可能性があるということです。
それからこんな側面もあります。上でも少し触れたことのですが、北辰テストや校長会テストの結果と公立入試問題の相関性が年々薄くなって来ているように思います。つまり北辰テストや校長会テストで合格偏差値を取れたからと言って、公立入試当日に合格点が取れるとは限らない。さらには、その逆も多いに可能性があるということです。つまりいま模擬試験でまったく合格偏差値を取っていない生徒であっても、まだまだ合格の可能性があるということです。
もう一つ、過去十数年の高校入試の結果を考えると、実際には見えない学力というものが存在しているようです。とくに冒頭で取り上げた生徒のように、中学校の早い時期から塾に来てくれている生徒たちに見られることです。同じ偏差値であっても、中学校の早い時期から塾に通っていた生徒と最近塾に通い出した生徒、そしてまだ通わずに自分で勉強している生徒では、入試得点が変わって来てしまうようです。たぶん北辰テストや校長会テストに出ない学力というのがあるのだと思います。
ですから皆さん、希望を持ちましょう。そしてご自分のお子さんのことを信じてください。そしてそれを希望にしてください。しつこいようですが、最後にもう一言、受験はまだ分からないですよ。
そもそも中学の定期試験の問題がそのまま入試で出るわけではない(いま公立高校の入試問題は定期試験の問題よりもかなり難しくなっている)し、北辰テストや中学の校長テストだって、公立入試の問題とは大きくかけ離れている(公立入試問題の方が、圧倒的に深い知識の理解が求められている)というのが現状だと思う。ということはこの時期に大きく成績が下がっても、またこの時期になっても成績が上がらなかったとしても、それだけで一喜一憂する必要はない、まだ受験の結果は見えて来ないというのが、私の持論になってきています。
今の時点(11月の第2週)では、まだまだ入試は見えないと思います。勉強の仕方によっては、5から10程度の偏差値を上げることも、また逆に5から10程度偏差値が下がることも充分に起こり得る時期だと思います。というのは、入試が3月の初めになりました。そして北辰テストや校長会テストにしてもまだ全範囲が出題されていない状況です。そしてどうでしょうか。安行地区・新郷地区の中学生たちの大半が、まだ入試モードになっていない時期なのではないかと思います。問題なのは、やるべきことをいま本当に少しずつでもいいからやっているかどうかではないか…と思えるのです。
私がこうしたことを強く言えるのには、実は次のような側面があります。
川口市内の高校で言えば、下は川口工業から川口青陵、川口東高校、そして川口総合高校ぐらいまでの高校の合格に必要な入試得点は、保護者の皆さんが考えるよりもかなり低いと思います。もちろんその年の入試平均点にもよるのですが、5教科500点満点で半分はおろか、100点に満たない高校が数校ある。一番高いレベルの高校である川口総合高校であっても、200点までは必要ないかもしれない。ということは、まだまだこれからの勉強で入試合格点が取れる可能性があるということです。
それからこんな側面もあります。上でも少し触れたことのですが、北辰テストや校長会テストの結果と公立入試問題の相関性が年々薄くなって来ているように思います。つまり北辰テストや校長会テストで合格偏差値を取れたからと言って、公立入試当日に合格点が取れるとは限らない。さらには、その逆も多いに可能性があるということです。つまりいま模擬試験でまったく合格偏差値を取っていない生徒であっても、まだまだ合格の可能性があるということです。
もう一つ、過去十数年の高校入試の結果を考えると、実際には見えない学力というものが存在しているようです。とくに冒頭で取り上げた生徒のように、中学校の早い時期から塾に来てくれている生徒たちに見られることです。同じ偏差値であっても、中学校の早い時期から塾に通っていた生徒と最近塾に通い出した生徒、そしてまだ通わずに自分で勉強している生徒では、入試得点が変わって来てしまうようです。たぶん北辰テストや校長会テストに出ない学力というのがあるのだと思います。
ですから皆さん、希望を持ちましょう。そしてご自分のお子さんのことを信じてください。そしてそれを希望にしてください。しつこいようですが、最後にもう一言、受験はまだ分からないですよ。
2013年9月16日月曜日
安行中 my Love
静岡県の川勝平太知事の話題が、つい先日マスコミを賑わせていた。
今年の全国学力テストで県内の小学校の国語Aの平均正答率が全国で最下位であったことを受けて、県内公立小学校524校のうち下位100校の校長名を公表したいとの発言である。知事としては、「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分である。永年、大学で教鞭をとっていたという知事の真意は分からないが、「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分には首を傾げたくなります。
私は自宅から10分から15分ほどのところにある安行小学校と安行中学校に通い卒業しました。ご承知のように、両校とも昔から学力的に問題があるという評判があった学校です。今でも覚えているのは、中学校3年生の夏休みに通っていた川口駅近くの学習塾で、講師の先生にどこの中学校かと聞かれた私が、「安行中です」と答えると、「行(ぎょう)中か…」と言われたことがありました。そうした言葉が出るぐらい安行中学校のレベルは、市内でも有名だったのかもしれません。それと思い出すのが成人式の日、親に買ってもらった新調の背広に身を包んで友だちと行ったグリンセンター(その頃はリリアではなくグリンセンターだったのです)で気づいたことですが、久しぶりに顔を合わせた中学校の同級生たちの中で、大学に通っている同級生たちが意外に少なかったことをおぼえています。
そして、静岡県知事の「子どもには責任がなく、先生に責任がある」との言い分は、昔から安行地区で大人たちがよく口にしていた言葉のように思います。でも自分がそれを口にしていた大人たちの年齢になったいま、それはたぶん違うのではないか。いまも昔も先生たちには責任はない。その思いが、私には確かな確信となっていま心の中にあります。
9月14日(土)、安行中学校の校庭では体育祭が開催されていました。
私が中学生だったときと同じように、少しはにかんだ表情をした中学生たちが、開会式で行進をしながら目の前を通っていきます。応援合戦のときの、生徒たちの妙に照れたような表情。そう、安行中学校には、ああいった不器用な姿がたぶん伝統なのだと思います。私が中学生だったあの頃もそうだった。近くの安行東中学校ならもっと自信をもって、上手に応援合戦をしたのではないでしょうか。でも安行中学校の生徒たちは、どこか自分というものを隠して、周囲に同化させてしまうような姿があるのかもしれません。
あの頃と何も変わりがない。そしてどの子も自分が大人になることに微塵の不安も感じていない後輩たちの姿が、現実社会の厳しさを私に考えさせてしまう。
どうも現実社会は、日本人が食べるのに充分なパンを与えないことを決議してしまったらしい。だからこれからを生きる若者たちは、自分と自分の家族の食べるパンを自分で手に入れる能力を必要とされる。しかも真っ当な手段を使って…。
学力が伝統的に低く、中学卒業後に高等学校に進学しても相変わらず中途退学者が後を絶たない中学校。そして高校卒業者の就職先の労働環境が悪化してからは、二十歳前後で退職してしまうために社会保険や年金を打ち切られる人たちが後を絶たない。でも彼らはまだいい方なのかもしれない。高校を卒業しても、就職先がなくアルバイトを生業している卒業生も多くいる。
解決策はある。入学する高校のレベルを上げればいい。でもこれが難しい。中学校の先生が悪いのではなく、地域が学力の上昇を求めていない。だから静岡県知事の発言は間違っていると私は思う。
いま安行中学校の運動部の半分ぐらいが、朝練を実施しているという。子どもたちは朝7時前に家を出て、部活を終えて家に着くのは夕方6時を過ぎる。土曜日、日曜日、祝日も部活がほとんどある。そして保護者と地域の方たちは、それが当たり前の状況だと考えている節がある。でもこれは、県内のどこの中学校でも行われていることではない。川口、越谷、草加など一部の地域に限られたことである。もちろん、子どもたちに規則正しい生活を送らせるというメリットがあるのは分かる。たぶんこれによって、非行に走る子どもたちが少なくなるのも事実であろう。でも学力は到底上がらない。
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